脱炭素社会

脱炭素社会の構築に向けた取り組み

島津グループは2022年4月、事業活動からのCO2排出量を2050年に実質ゼロとする目標を設定し、取り組みを強化しています。中間目標は、2017年度比で2030年85%以上、2040年度90%以上削減としています。また、当社グループの活動に関連する他社でのCO2排出量のうち70%以上を占める、お客様先での当社製品使用時のCO2排出量についても、2030年度に2020年度比で30%以上削減する目標としました。なお、上記の2030年度CO2排出量の削減目標は、SBT(Science Based Targets)の「1.5℃水準」として2022年11月に認定されました。また、当社グループは 2021年3月にRE100に加盟し、国内外の主要拠点については、再生可能エネルギー由来の電力(以下、再エネ電力)への変更を進めています。これにより、2023年度はグループ全体の電力使用量ベースで85%の電力が再エネ電力となりました。
2023年度の国内外島津グループのエネルギー使用量は省エネルギーの取り組みなどにより、前年度比9.8%減少した951,016GJとなり、原単位は185.8GJ/ 億円と15.1% 改善しました。一方でCO2排出量は、前年度に比べ8%増加(基準年(2017年度)比78.2%減少)の10,778t-CO2となりました。CO2排出量の増加は島津ダイアグノスティクスの連結子会社化等によるものです。CO2排出量売上高原単位は2.1t-CO2/億円になりました。
引き続き、スマートメーターの設置や省エネルギー診断などにより得られた知見を活かした施策を実施するとともに、太陽光発電設備の設置と再エネ電力の活用により、脱炭素社会の構築に貢献していきます。

  • 2050年に、当社グループの事業活動で排出するCO2排出量を実質ゼロとする。
  • 中間目標として、当社グループの事業活動で排出するCO2排出量を、2017年度比で2030年度85%以上、2040年度90%以上削減する。
  • 当社グループが販売した製品の使用時におけるCO2排出量を、2020年度比で2030年度30%以上削減する。

 

エネルギー使用量
エネルギー起因CO2排出量

環境データの第三者保証について

島津製作所は、環境負荷データに関して信頼性の高い形で公開するため、デロイトトーマツサステナビリティ株式会社による第三者保証を受審しました。

【保証範囲】
対象期間:2022年4月1日~2023年3月31日
対象範囲:株式会社島津製作所および主要なグループ会社の 本社、工場・事業所、研究所、支社・支店、営業所
保証対象:エネルギー使用量(GJ)、Scope1,2 CO2排出量(t)の拠点合計値

エネルギー起因CO2排出量 算定報告書

エネルギー起因CO2排出量 算定報告書

サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(スコープ別)

単位:千t-CO2

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
スコープ1 自社で直接(燃料の使用等)排出したCO2 3 2 2 2 3
スコープ2 自社で間接的(電気の使用など)に排出したCO2 36 32 16 8 8
スコープ3 1 購入した製品・サービス 459 447 484 560 532
2 資本財 11 14 14 63 61
3 Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 7 7 6 1 2
4 輸送、配送(上流) 5 5 6 9 8
5 事業から出る廃棄物 2 2 2 2 1
6 出張 4 1 2 2 3
7 雇用者の通勤 4 4 4 4 4
8 リース資産(上流) 0 0 0 0 0
9 輸送、配送(下流) 3 3 0 0 0
10 販売した製品の加工 0 0 0 0 0
11 販売した製品の使用 1,714 1,671 1,578 1,547 1,527
12 販売した製品の廃棄 1 1 2 2 2
13 リース資産(下流) 0 0 0 0 0
14 フランチャイズ 0 0 0 0 0
15 投資 0 0 0 0 0

サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量 (スコープ3)

物流におけるCO2排出量の削減

製品をお客様にお届けするまでを担う輸送時においても、CO2排出量削減の取り組みを進めています。
島津ロジスティクスサービス(株)では、トラックの積載率向上とモーダルシフト化の推進により、2011年度からCO2排出量を削減してきました。
主な活動として、秦野出張所や斐川出張所等の拠点間利用、貸切便貨物同士の混載化、大口路線貨物同士の貸切便化、鉄道や船舶へのモーダルシフト、強化ダンボールを使用した梱包材の軽量化などです。
輸配送システムにて、異事業部間の輸送情報を共有化し、日々の業務の中で上記の取り組みを効率的に推進しています。
また、輸出製品の輸送に関しても自社の保税蔵置場利用により、トラック輸送する事なく通関処理がおこなわれ、通関後の空港や港までの輸送にはシャトル便として低公害車(天然ガス車)の使用や、コンテナのラウンドユースをおこなっています。さらに業務用車として、ハイブリッド車両の導入も進めています。

島津ロジスティクスサービス(株)のグリーンロジスティクス

空港へのシャトル便

空港へのシャトル便

強化ダンボールを使用した梱包

強化ダンボールを使用した梱包

IT環境における省エネ化

当社グループの各種サーバの管理を行っている(株)島津ビジネスシステムズでは、仮想サーバへの移行による省エネ化を進めています。仮想サーバとは、1台のサーバの中に複数のサーバ環境を仮想的に構築し、効率的にサーバ資源を使用するものです。これによって、電力使用量を削減するとともに、スペースの効率化や、費用の削減も図ることができます。
2016年度に21台のサーバを10台に統合し、その効果として年間32,850kWhの削減を行うことができたと試算しています。

サーバ仮想化のイメージ

サーバ仮想化のイメージ

タスクライトの導入

2011年度からは東日本大震災以降の節電対策の一環で、天井照明を減らし手元照明で作業照度を確保するタスク・アンビエント照明の取り組みを展開しています。

タスクライトの導入

新たな建築物における環境配慮

本社・三条工場内の本社棟は、自然換気システム、自然採光と照度センサ、放射空調システムの採用や京都府産木材の積極利用など、さまざまな環境配慮を施しています。
建築物の環境総合性能評価システム(CASBEE)に「京都らしさ」の評価を加えたCASBEE京都において、最高評価のSランクに認定されました。

三条工場のクオリティセンター、瀬田事業所の南1号館は、建物の断熱化に加え、執務エリアは全てLED照明としています。さらに、高効率の空調設備や変電設備を導入し、省エネに配慮した仕様で設計し建設しました。

本社棟(三条工場)
 

本社棟(三条工場)

クオリティセンター(三条工場)
 

クオリティセンター(三条工場)

南1号館(瀬田事業所)
 

南1号館(瀬田事業所)

また、グループ会社においても太陽光発電パネルやLED照明の導入などにより、CO2排出量と電力使用量の削減に努めています。マレーシアの生産拠点では、2019年4月より太陽光パネルの導入による自家発電で、消費電力の約25-30%をカバ―しています。島根の生産拠点でも、3棟すべてに太陽光パネルを設置するなど環境に配慮しています。

Shimadzu Manufacturing Asia Sdn. Bhd. (SMA)
 

Shimadzu Manufacturing Asia Sdn. Bhd. (マレーシア)

島根島津株式会社
 

島根島津株式会社