中期経営計画

2020年度-2022年度 中計経営計画説明会資料はこちら

世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業
-社会課題解決のための仕組み作りと社会実装-

世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業

世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業

「人の健康」 「安心・安全な社会」 「産業の発展」の事業領域で、 さらなる事業拡大と企業価値向上に挑戦します。

私たちは前中期経営計画で『世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む』ことに着手、必要な投資や共同研究を展開しました。
今中期経営計画では、これらの取組をもとに、島津の製品・サービスを活用した社会課題解決のための仕組み作りと 社会実装を推進して事業化、これにより新市場を創出してさらなる成長を目指しています。

事業活動を通じた社会貢献による企業価値の向上

事業活動を通じた社会貢献による企業価値の向上
 

事業活動を通じた社会貢献による企業価値の向上

中期経営計画の要点

中期経営計画1年目の成果

中期経営計画初年度である2020年度は、当初、新型コロナウイルス感染拡大の影響が見通せず、ワーストケースを想定していました。このような状況のもと、緊急重要課題として「感染症対策プロジェクト」を立ち上げ、最優先で取り組んだことで、新型コロナウイルス検出試薬キットや全自動PCR検査装置、肺炎の診断用途で用いられる回診用X線撮影装置が業績に貢献しました。加えて、ヘルスケア向けやウイルス研究用に液体クロマトグラフ、質量分析システムの売上も増加しました。
また、5G(第5世代移動通信システム)やデータセンター向け半導体需要の拡大に伴い、半導体製造装置市場が拡大したことで、ターボ分子ポンプの需要増を生産能力の拡大などにより取り込んだことから、売上は大幅に増加しました。
以上の結果、2020年度の業績は、売上高は3,934億9千9百万円(前年度比2.1%増)となり、営業利益は売上の増加に加え、経費抑制と投資の見極めなどにより、497億4千2百万円(同18.9%増)、経常利益は483億7千8百万円(同13.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は360億9千7百万円(同13.6%増)となり、過去最高の業績を達成することができました。

2020年度 連結業績ハイライト

2020年度 連結業績ハイライト

中期経営計画を見直し

2020年度の結果や、コロナ禍でも伸びた事業、低迷した事業が二極化した事業環境の変化を受け、最終年度の2022年度の業績計画を、売上高4,300億円以上(前回発表時から300億円増)、営業利益570億円以上(同110億円増)に上方修正しました。
基本的な戦略に関しては、大きく変わっていませんが、単に製品提供にとどまるのではなく、顧客課題とその先にある社会課題を把握し、本当の意味で のソリューションを突き詰め、課題解決のための仕組み作りを充実させることを目指していきます。
そのためには、さまざまな制限の中で、旧来の常識にとらわれることなく、私たちのミッションをしっかりおさえて、それを実行する強い意志と、変化する環境の中で決断の内容を変えていく柔軟性が大事であると考えています。

中期経営計画 (2020年4月~2023年3月)

中期経営計画 (2020年4月~2023年3月)

感染症対策プロジェクトの推進

感染症対策を重大な社会課題として位置づけ、これまで提供してきた装置・試薬のラインアップに加えて、新たな製品開発を進めることで、「ウイルス・細菌等病原体分析のソリューションの提供」に対する取り組みを強化します。単なる製品提供だけでなく、「感染症対策の仕組み作り」を目的として、大学・病院・医療機関などとの協働に積極的に取り組むことにより、現在、深刻な問題になっている「新型コロナウイルスによる感染拡大防止」と、今後の新たなリスクとなっている「感染症全体に対する対策」という2つの視点で社会に貢献していくことを目指しています。

中期経営計画1年目の「感染症対策プロジェクト」は、既存の回診用X線撮影装置を肺炎診断用に提供することに加えて、新型コロナウイルス検出試薬キット、全自動PCR検査装置を新規に市場投入し、感染症の拡大抑制に向けて、全力を尽くした結果、2020年度の業績に貢献することができました。
今回の感染症対策プロジェクトから、開発・販売方法ともに、大きな教訓を得られました。一言でいえば、部門の壁を超えるということです。従来は事業部ごとの縦割り組織が迅速な事業化の弊害になっていました。今回は短期間で開発するために、感染症対策プロジェクトをトッププライオリティと位置づけ、部門の壁を超えて技術者、営業を集結させたことで、迅速な対応を実現することができました。このような経営資源を活かす事業部間連携は今後も推進していきます。
また、製品提供だけでなく、「感染症対策の仕組み作り」を目的として、大学・病院・医療機関などとの協働に積極的に取り組んでいます。

感染症対策プロジェクトの推進

感染症対策プロジェクト Phase Ⅱ

中期経営計画の2年目を迎える2021年度からは「感染症対策プロジェクト Phase Ⅱ」と名付け、従来の取り組みに加え、新たな検査法の開発や、検査データのネットワーク管理システムの構築、下水中のウイルスのモニタリングなど、「感染症対策の仕組み作り」を積極的に進めていきます。

感染症対策プロジェクト Phase Ⅱ の推進

4つの成長戦略

当初から取り組んでいる4つの成長戦略は継続し、特にヘルスケア、環境/エネルギーを中心とした成長分野への事業拡大に取り組むとともに、コロナ禍においても成長する分野に注力していきます。

1. 重点事業を核にした各種ソリューションの強化

重点事業である計測機器事業の液体クロマトグラフと質量分析システムを中心に、シェアアップを目指します。計測機器の裾野が広がるにつれ、計測機器に不慣れな人が増えてきました。そのため、そのような人でも簡単に分析業務ができるように、AIやロボティクスを活用した自動化やデータベースの拡充による全自動前処理システムなどの製品ラインナップを強化します。加えて、感染症対策のための非接触ニーズ・リモートワークへの対応も加速させていきます。また、質量分析システムに関しては、高分解能・高感度のハイエンド製品による新分野の開拓も行います。

在宅支援・リモートワークに対応した高速液体クロマトグラフを発売

在宅支援・リモートワークに対応した高速液体クロマトグラフを発売

高速液体クロマトグラフ 質量分析システム

高速液体クロマトグラフ 質量分析システム

2. 海外強化による事業基盤の最適化

海外での事業成長に向けて、地域特性に応じて拠点機能を強化し、ビジネスパートナーとの協働のもと各地域の課題を解決することによる事業成長を推進します。私たちの強みは、「顧客との協働により、課題の理解と解決への貢献を通じて新しい提供価値を創出する“イノベーションセンター”」をグローバルで展開していることです。イノベーションセンターの機能強化を図るとともに、メリハリのある投資を行うことにより、海外事業の成長を目指します。

 

当社グループのイノベーションセンター(IC)の拠点

当社グループのイノベーションセンター(IC)の拠点

3. アフターマーケット事業の強化

試薬・消耗品を中心としたアフターマーケット事業をグローバルに展開し、着実な成長を目指します。また、私たちの製品・データ・アプリケーションを繰り返し利用されるサブスクリプションや、従量課金型などの販売形態も取り入れた新たなビジネスモデルを実現し、収益基盤の強化を図ります。 

4. 4つの成長分野での事業拡大

ヘルスケア、環境/エネルギー、マテリアル、インフラの成長4分野で、事業パートナー・戦略パートナーとの協働のもと社会課題を解決することにより新市場の創出を目指します。
また、新事業を育成する目的で新たに設立するスタートアップ・インキュベーションセンターを通じて、成長分野での事業化を促進します。例えば、アドバンスト・ヘルスケアでは、病気の予防・診断・治療の3つの視点で、少子高齢化対策とコロナ対策という切口を中心に、これまでの研究成果を活用して共通ビジネスプラットフォームを構築し、事業化を加速させます。
また、コロナ禍で重要性が増加した疾患(認知症・うつ病・がんなど)対策のため、共同開発やオープンイノベーションを推進しながら、私たちの製品・技術を活かし、人々の健康維持・増進に向けた取り組みに力を入れます。

4つの成長分野での事業拡大 

成長基盤の強化

事業ポートフォリオの強化

 現有事業の収益改善、将来の成長に向けた事業・業種単位の見直しを進め、また加えて、事業部間のシナジーに基づく新事業の創出を目指します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

戦略を推進するうえで、必要不可欠なのはデジタル技術です。2020年度は、コロナ禍で私たちの働き方そのものが大きく変化し、国内外で在宅勤務などのテレワークが拡大・定着するとともに、ウェブを活用したリモート会議やデジタルマーケティングなども急速に浸透しました。
島津グループにおいても、デジタル技術と各種データを活用して、顧客や社会のニーズに対応するとともに、グループ内の業務効率の向上を図ることを目的に、この4月にDX戦略統括部を設置し、DXを推進しています。
DXはデジタル技術を導入するだけではなく、事業で活用するビジネスDXと、業務のスマート化を図る業務DXという2つの視点でデジタルを活用し、ビジネスモデルを変革することが重要です。ビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげることを目指します。 

DXの推進

顧客への情報・サービス提供の拡充(ビジネスDX)の強化
グローバル情報の一元化による業務のスマート化と事業機会の拡大(業務DX) 

DXの推進

サステナビリティ経営の推進

昨今、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)を統合した経営が求められています。私たちもサステナビリティ経営をより高度化させていきます。
環境に関しては、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを加速します。
社会に関しては、健康経営に主眼を置いています。社員および家族の健康を維持するために、さまざまな施策を実施し、健康長寿社会へ貢献します。また、言語や文化の違い・多様性を尊重したダイバーシティ経営や人材育成に注力し、より充実したワークライフバランスの実現を目指します。
ガバナンスに関しては、内部統制の強化を図っていきます。 

カーボンニュートラルへの取り組み

今、世界的に注目されているのは、カーボンニュートラルです。異常気象が原因と思われる災害が増えている中、気候変動対策の重要性が改めて問われています。日本政府も温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにするという方針を表明しました。
CO2排出量は世界で約335億トン、日本は約11億トン、島津グループは約3.5万トンであるため、排出量削減に対して大きな貢献はできません。しかし、私たちは持続可能な社会に貢献していくために、国・地域を超えて、国際規範に則り、積極的にイニシアティブに参画して気候変動対策に取り組んでいくことが重要であると考えます。
この考えのもと、私たちは2017年6月に提言された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同し、2019年11月には島津グループのCO2削減目標が科学的根拠のある水準として、ScienceBased Targets(SBT)イニシアティブに認定されました。加えて、2021年3月にはカーボンニュートラルの実現に向けてRE100にも加盟しました。また活動としては、環境/エネルギーに関する事業化を加速するため、サーキュラーエコノミーを目指した3R(Reduce/Reuse/Recycle)も含め、環境貢献活動に積極的に取り組んでいます。
今後も、顧客に提供する製品あるいはサービスというビジネスの視点と、私たち自身が取り組んでいく業務プロセスの2つの視点で、DXなども活用し活動を推進していきます。 

サステナビリティ経営の推進

  • 「ゼロカーボン・コミットメント」や感染症対策などのESG面の取り組みを発展させ、サステナビリティ経営を推進する
  • ESG評価機関からの評価を高め、さらに取り組みを強化する好循環を目指す
サステナビリティ経営の推進

(2021年7月)

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