資源循環
適切な廃棄物処理とリサイクルを推進
当社グループは、限りある地球資源を有効に利用し、循環型社会の実現に取り組んでいます。
2025年度の不要物排出量は、国内主要拠点および研究所からの合計で6,038トンとなり、前年比5.1%増加しました。このうち、廃棄物は2,345トンで、前年比1.4%増加しています。これは、生産量の増加に伴い、資源として再利用される有価物の排出量が増加したためです。プラスチック資源循環促進法で定められているプラスチック使用製品産業廃棄物の排出量は456.5トンとなり、前年度比92.7%となりました。
プラスチック梱包材のマテリアルリサイクルなどを推進した結果、前年度以下とする排出量目標を達成しました。また、「リサイクル率(=(不要物排出量-最終埋立処分量)/不要物排出量)99%以上」を目標としています。2025年度は99.78%となり、16年間連続で達成しました。さらに、2025年度の不要物排出量に対する連結売上高原単位 は1.1t/億円で、目標値である1.2t/億円以下を達成しました。
資源循環の推進と廃棄物の適正管理に向けて、各職場でエコ・産廃リーダーを任命し、法令順守や、3R(リデュース・リユース・リサイクル)を推進しています。あわせて、社内規程や手順を整備し、分別・リサイクルの促進、マニフェスト管理、委託業者の現地調査を実施しています。中長期的には、今後はマテリアルリサイクル率の向上と質の改善を進め、資源循環の高度化を図ります。

サーキュラーエコノミーの基本的な考え方
島津グループは、製品の長寿命化、再使用、資源循環を通じて、製品ライフサイクル全体での環境負荷低減を図っています。設計段階から環境配慮を織り込み、製品価値を最大限に活かすサーキュラーエコノミーの実装を推進しています。
長寿命化の取り組み―試験機のリフレッシュ―
循環型ビジネスの展開
当社グループでは1997年から試験機の長寿命化に取り組んでいます。従来機の本体フレームを継続使用しながら、最新の制御コントローラーへ更新することで、製品性能を高めながらCO₂排出量の削減を実現しています。製品ライフサイクル全体での環境負荷低減を図ることで、循環型ビジネスの展開につなげています。

リファービッシュの取り組み
新たな循環型ビジネスモデル構築
島津製作所は、龍谷大学と連携し、分析計測機器のリファービッシュ(メーカーによる修理・整備を経た再生品)に関する実証試験を開始しました。本取り組みは、2023年に締結した「循環型社会形成に向けた包括連携協定」の一環として実施しています。
本実証では、使用済みの高速液体クロマトグラフを当社で整備・再生し、教育・研究用途向けに提供することで、製品ライフサイクルの長寿命化と資源循環の可能性を検証しています。得られた知見をもとに、リファービッシュ品の実用性と提供価値を高め、循環型ビジネスモデルの構築につなげていきます。

龍谷大学に設置した液体クロマトグラフ
サステナブル素材の採用による環境負荷低減
サーキュラーエコノミーへの転換に向けて、新製品へのサステナブル素材の採用および既存製品・部品の置き換えを促進しています。部門横断の「サステナブル素材普及委員会」を中心に、バイオマス素材やリサイクル素材の採用を進め、製品設計段階から資源循環を見据えた取り組みを推進しています。
2025年度は、一体型高速液体クロマトグラフi-Seriesの外装パネルやメインフレームなどにリサイクル樹脂を採用しました。今後も新中期経営計画で掲げる「サーキュラーエコノミーの実装」の実現に向け、製品の機能・品質を維持しながら環境負荷低減に資する素材への転換を継続していきます。

一体型高速液体クロマトグラフi-Series
自己循環型リサイクルによる環境負荷低減
2022年度から、工場内で発生するプラスチック廃材を自社で再資源化し、再生材として活用する自己循環型リサイクルに取り組んでいます。使用済みの梱包材を再生ペレット化し、新品原料と混合したポリ容器を製造することで、石油由来プラスチックの使用量削減を図っています。本取り組みには、2023年度から龍谷大学も参画しており、循環型社会に向けた包括連携協定のもと、セミナー登壇などを通じた協働を進めています。

PCBへの対応
難分解性・高蓄積性によって生体に対する毒性の高いPCB(ポリ塩化ビフェニル)を含むトランスやコンデンサなどの装置については、PCB特措法に基づいて処理が進められています。当社が所有するPCB廃棄物のうち、高濃度のPCBを含有するトランスおよびコンデンサについては、2013年度に処理を開始し、特措法に定められた期限内に全てのPCB含有物の処分を完了できるように対応してまいります。
一方、当社のグループ会社である島津テクノリサーチは2種類の絶縁油中の微量PCB簡易定量法を提供しています。迅速かつ安価に信頼性の高い測定値を提供可能な測定技術であり、2011年5月に環境省から公表された「絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第3版)」にも掲載されています。

環境配慮型梱包材の推進
島津ロジスティクスサービス(株)では、物流業務の中で、さまざまな環境保全活動に取り組んでいます。その中で重点的に取り組んでいるのが、環境配慮型梱包です。従来、重量物の梱包は、合板や木材を用いた木箱梱包が主流ですが、これを強化ダンボールに変更する取組みを行なっています。強化ダンボールに変更した場合の環境へのメリットは、木材資源の保全と輸送時や梱包材廃棄焼却時のCO2排出量の削減にあります。木材を使用する場合には、生物多様性の取組として森林認証木材を推奨しています。また、荷物運搬時の荷崩れ防止に使用するストレッチフィルム(プラスチック)のごみ減量のため、リユース可能で作業性の良いエコバンドを採用しています。エコバンドを使用することにより、2020年度は460kgのプラスチック廃棄物削減につながりました。
今後も物流分野において環境保全に繋がる活動を行なっていきたいと考えています。


島津ロジスティクスサービス(株)会社概要
島津製品の入庫から保管・出庫・包装・梱包・輸送に至るまでの国内・外の商品物流に関する業務の他、梱包設計・輸出梱包などの包装事業、資材調達部品の入出庫、部品センター品の集積配送、工場内および協力会社への生産物流など、国内・外のロジスティクスに関する総ての業務を担当しています。
英国のグループ会社でも、積極的に環境に配慮したリユース活動を進めています。その一つが、サプライヤーからの部品調達やメンテナンス部品の配送に、リユースが可能な梱包箱を使用する“通い箱プロジェクト“です。通い箱の設計においては、サプライヤーと共に生産時のオペレーションを考慮して開発。通い箱の利用は、パーツにあわせた梱包となり、輸送途中での損傷削減にもつながりました。使い捨て段ボール減による廃棄物削減から経費削減など、幅広い効果を発揮しています。

独自設計の通い箱


