取締役会の活動状況
取締役会は、法令・定款および取締役会規則の定めるところにより、重要な事項について決議、討議、報告を行っています。当事業年度において、取締役会における具体的な検討内容は次のとおりです。
直近事業年度における取締役会の主な検討内容
- 中期経営計画(2023年度~2025年度)の事業戦略、経営基盤強化の進捗状況
- 事業ポートフォリオに関する議論
- 島津グループ経営の強化に向けたグローバルな成長基盤の構築
- 事業成長に必要な戦略的投資の検討
- 短期業績連動株式報酬制度導入に伴う規定の新設・改定
- 自己株式の取得
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会を構成する取締役および監査役に対して、取締役会の実効性に関する分析・評価を毎年実施しております。今年も実効性評価に関する独自アンケートを実施し、昨年と同様、1.経年変化の確認、2.昨年からの課題事項の確認、3.今後の見直しの3つの構成とし、設問内容について一部見直しを行いました。調査結果を基に、取締役会において改善が必要な事項を中心に意見交換を行いました。以下は、取締役会での議論を踏まえた実効性評価結果の概要となります。
総括
前年より改善され概ね肯定的な評価結果となりましたが、更なる改善に取り組んでいくべきとの評価結果となりました。取締役会は、事業戦略や中期経営計画の進捗モニタリングの審議において、適切に関与しております。また、当社の取締役会の構成は、豊かな経験と優れた見識を有した多様性のあるメンバーとなっており、全体で多岐にわたる視点から活発に発言できる環境を維持している点は当社取締役会の強みと考えております。
前年と比べて、株主・投資家との対話に関する取締役会への情報提供、社外役員と会計監査人・内部監査部門との意見交換の機会、事業戦略やリスクマネジメントの議論機会の拡大が進みました。一方で、議案選定や効率的審議のための資料の工夫などについては課題が残りました。本年度は中期経営計画の策定に向けて、重要な議案について優先的に議論できるよう、更なる改善に取り組んでまいります。
取締役会の実効性評価結果
実効性評価項目 | 2025年3月期(対象年度:2024年3月期) |
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取締役会の構成 | 12名の規模と社外役員が半数を占める構成は実効性があるという肯定的な評価でした。引き続き戦略モニタリングとガバナンス強化に資する体制の議論を行います。 |
取締役会の運営 | 審議の時間配分や議案の設定、取締役会資料の質向上などは、なお、改善の余地があるという評価でした。俯瞰的な議論に重きを置いた取締役会運営を目指すべく、取締役会に上程される議案選定や審議の時間配分、スケジュールに留意します。また、簡潔かつ議論のポイントを明確にした資料の改善を行うことで、企業価値向上に資する重要な議案に一層の時間を確保できるようにします。 |
取締役会の役割と責務 | 取締役会の役割と責務は適切に果たされているという評価でした。引き続き力を入れるべきテーマとして、海外/地域戦略、グループガバナンス/リスクマネジメント、事業ポートフォリオなどが挙げられました。今後も、これらを重要テーマとして取り組みます。 |
取締役の自己評価 | 全ての取締役は当社の基本理念と期待される役割を理解し、多様なバックグラウンドを生かした活発な議論を行っており、実効性があるという評価になりました。 |
取締役・監査役への支援・連携 | 社外取締役と監査役間の情報提供および認識の共有、ならびに社外役員と会計監査人・内部監査部門との意見交換の機会の確保および情報共有は適切に行われております。 さらに従業員との対話の機会の確保等により、社外役員の会社の知識・理解向上に向けた取り組みを計画的に進めます。 |
株主・投資家との対話について | 会社と株主や機関投資家の対話に関する情報提供は適切に行われているとの評価になりました。 引き続き執行側のIR活動の情報共有を充実させ、株主や機関投資家との対話機会の確保にも取り組みます。 |
社外取締役・社外監査役の活動
社外取締役および社外監査役は、当社の持続的な成長の促進・中長期的な企業価値向上を図るための活動を行っています。
サステナビリティ経営説明会への登壇
2024年10月に花井取締役が、機関投資家向けに開催されたサステナビリティ経営説明会に登壇しました。花井取締役からは、資本効率の改善や開発力の向上等、当社の経営上の課題や取組について社外取締役から見た視点でコメントいただきました。

サステナビリティ経営説明会への登壇の様子
DE&I関連イベントへの参加
2025年3月に濱田取締役と北野取締役が、国際女性デーに合わせて開催された女性従業員とのネットワークイベントに参加されました。グループでのワークショップを通じ、日々の業務に関する課題や悩みに対してアドバイスいただきました。

ネットワークイベント参加者との集合写真
グローバルマネージャートレーニングでの講演
2025年1月に濱田取締役が、海外グループ会社の新任マネージャーを対象にしたグローバルマネージャートレーニングで講演しました。講演の中では、多様性追求による変革の実現やベストプラクティスの共有の重要性について述べられました。

グローバルマネージャートレーニングでの講演の様子
工場・事業所見学
当社事業への理解を深めていただくため、2025年6月に花井取締役・中西取締役・濱田取締役・北野取締役・西本監査役・林監査役が医用機器工場・航空機器工場、同年7月と8月に北野取締役がTokyo Innovation Plaza・基盤技術研究所を見学されました。

医用機器工場の見学の様子
エグゼクティブセッション
取締役会終了後などに、社外取締役および社外監査役間、また社外取締役および監査役間での会合をそれぞれ定期的に実施し、自由闊達に意見交換や状況共有などを行っています。
会合では、経営トップや取締役会に伝えることを目的として、社外取締役と社外監査役が、それぞれの視点で当社の課題についての意見を出し合い、また、会計監査人を交えて内部統制を充実していくための課題についての意見交換などを実施しています。また、新任の社外役員を中心に、当社事業の理解を深めていただくため、事業関係者を交え、当社の製品やサービスに関する事業説明等を実施しています。なお、直近の意見交換会の実施状況は、下記のとおりです。
社外取締役および社外監査役間 |
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社外取締役および監査役間 |
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社外役員の独立性基準
次に掲げる属性のいずれにも該当しない場合、当該社外取締役および社外監査役(候補者を含む)は、当社からの独立性を有し、一般株主と利益相反が生じる恐れがないものと判断しています。
(1) | 当社を主要な取引先とする者(直近事業年度においてその者の年間連結総売上高2%以上の額の支払いを、当社から受けた者とする。)またはその業務執行者 |
(2) | 当社の主要な取引先(直近事業年度において当社の年間連結総売上高2%以上の額の支払いを当社に行った者とする。)またはその業務執行者 |
(3) | 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ている(直近事業年度において役員報酬以外に1,000万円の額以上の金銭または財産を当社から得ていることを言う。)コンサルタント、会計専門家または法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合は、当該団体に所属する者を言う。) |
(4) | 最近1年間において、(1)から(3)までのいずれかに該当していた者 |
(5) | 次の1.から3.までのいずれかに掲げる者(重要でない者を除く。)の二親等内の親族
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