人財育成プログラム

教育体系

当社グループの求める人財を、「高潔な倫理観を持ち、多様な視点や専門性を活かし、果敢に挑戦し、やり遂げ、自ら成長する人財」と定義し、その育成に取り組んでいます。新入社員や管理職を対象とした階層別研修、職種にあわせた機能別研修、経営幹部や管理職候補を対象とした選抜教育を通して、人財育成を行っています。
さらに、年代別キャリア研修や能力開発をサポートする公募研修、自己啓発プログラムを通じて社員の自己実現と会社への貢献に繋がるキャリア開発を通じて、社員のエンゲージメントを高め、多様な領域で活躍できる人財を育成しています。
(参考:従業員一人当たり研修費用:単体11.3万円、連結5.4万円 ※2023年度実績)

新人社員研修

島津アカデミー

事業戦略の実現や経営基盤強化のため、経営幹部候補育成やビジネスリーダー育成、高度専門人財育成を推進し、学びと経験を習得する場として『島津アカデミー』を開校します。

経営幹部候補の育成

事業戦略の実現や経営基盤の強化を推進する上で、経営幹部の育成は当社の重要テーマです。当社では1997年より「経営塾」を始めとし、島津グループの成長を牽引する経営幹部候補の育成に取り組んで来ました。2023年度より新たな経営幹部候補育成プログラムを開始しました。社外派遣による知識の習得に加え、グループ会社の経営や新規事業の推進など実践的タフアサインメントの両輪により経営幹部候補の育成を推進しています。
また、人財育成会議を通じて成長を評価し、経営人財プールの拡充を図っています。

ビジネスリーダーの育成

高度な技術を社会実装していくため、ビジネス課題を解決しメンバーを統率して事業を牽引していくビジネスリーダーの育成は当社グループの重要なテーマです。当社では、選抜研修を展開して、事業や組織の中核を担う部長および課長の後継人財のパイプラインを強化しています。
また、グループ会社のビジネスリーダーを継続して育成するため、国内グループ会社は2005年から、海外グループ会社は2015年から、本社においてグループ会社マネージャー研修を実施しています。研修を通じて、島津グループへの理解とロイヤルティを深め、リーダーシップ、マネジメントスキルを身に付けることで、グローバルで事業を牽引するビジネスリーダーの育成に取り組んでいます。

高度専門人財の育成

当社グループの成長には、次の4つの専門人財が不可欠です。

  1. 世界の優れた専門家と協業し新たな技術や事業機会を生み出す人財、
  2. 高品質の新製品を生み出すための開発・設計力をもつ人財、
  3. 高度な管理業務を遂行する人財、
  4. データを利活用してビジネス・業務を変革する人財、です。
バッジ例:資格の種類や難易度に応じてバッチを区分
バッジ例:資格の種類や難易度に応じてバッチを区分

当社は2021年4月から、大阪大学と共同で博士課程での若手技術者・研究者の育成を行うREACHプロジェクトを開始し、社内公募により選ばれた社員を派遣しています。2023年度からは修士卒の学生を採用し共同研究先へ派遣、博士号の取得を支援するプログラムを開始しました。また、社会人博士育成支援制度(SPARK)を設け、社員の博士号取得を支援しています。
さらに、高度な国家資格や社内資格をオープンバッジで認定しています。博士号取得者、技術系資格(技術士・技術士・電気主任技術者など)、事務系資格(弁護士・公認会計士・MBAなど)の取得者、DX人財として認定された社員が対象です。これらの取組みを通じて、社員が高度な専門性を獲得することを促進しています。

グローバル人材の育成

若手のグローバル人財の育成を目指す海外現場研修は、2012年度に開始し、これまでの派遣人数は56名 派遣国数は14か国となりました。海外グループ会社での研修以外に、海外研究機関や国際機関で活躍する研修生もおり、世界中のパートナーとの協働に取り組んでいます。
これに加え、海外赴任をする駐在員向けに、異文化を理解し、グローバルに通用するマネジメント力を向上させ、的確なコミュニケーションを行うことを目的とした研修も実施しています。
また、海外グループ会社の人財を日本本社で受け入れています。日本では海外ビジネスの現場の声を聞くことができ、海外グループ会社の人財は、本社の価値観や業務プロセスの理解、さらに人的ネットワークを構築することができ、帰国後、日本と海外グループ会社を繋ぐ人財として活躍しています。

若手社員を鍛える「海外現場研修」

当社では、入社5年前後の若手社員を対象として、最長1.5年間、海外のビジネス現場に派遣する「海外現場研修」を実施しています。
異なる文化の中での生活や、多様な価値観を持つ人々と一緒に働く経験を通じて、語学力を含めたコミュニケーション能力と、海外ビジネスの「土地勘」を身につけさせ、これからの当社事業の更なるグローバル化をけん引する人財を育成することが研修の目的です。研修に参加する社員は、海外ビジネスにチャレンジしたいという本人の意欲と、今の職場で一人前の仕事ができているかどうかを重視して選んでいます。

欧州で働く経験

私はヨーロッパビジネスを統括しているShimadzu Europa GmbH(ドイツ)で研修して参りました。業務で使用する言語は英語、ドイツ人同士はドイツ語で話し、街中ではドイツ語しか通じない場所も多い、アジア人もたくさん見かける、といった面白い環境で過ごしました。ドイツ人の同僚は、時間効率を考えた行動を好む面があり、一緒に仕事をする上で時間の使い方や優先順位の考え方を学びました。しかしながら、どれだけ技術が進んでも面と向かっての情報交換以上のものはない、と多々感じることがありました。言語、文化が多様な欧州で多くの関係者と仕事をさせて頂き、意見交換することで良い信頼関係を築いていく貴重な経験が出来ました。

池澤由雄(2016年帰任)

マレーシアで働く経験

海外拠点の生産現場を学びたいと考え、ASEAN・中国の販社に製品を提供しているShimadzu Manufacturing Asia(マレーシア)に出向しています。現地では、担当製品の生産計画立案や、原材料の発注、納期管理に携わり、グローバル生産体制構築の大切さに気づきました。コロナ禍の中では、政府の活動制限令による工場稼働率の低下やサプライヤーの原材料提供不足が課題となりましたが、本社や他の海外拠点の支援を得ることで、継続的に高品質、低コスト、短納期での製品提供ができています。
また、職場では、様々な宗教・文化的背景をもつ同僚と働いています。異なる文化を理解し尊重することを常に心がけています。この貴重な経験を活かし、今後も国内外の生産拠点の支援をしていきたいと考えています。

2列目右端 王希希(2021年帰任)

グローバル人財育成の研修制度

研修名 対象 目的・内容 実績(延べ)
海外現場研修制度 グローバルビジネスに関心がある入社5年目前後の若手従業員 異文化環境におけるコミュニケーション能力と、現場の課題を見つけて、周囲のメンバーを巻き込みながら、主体的に解決に取り組むことを目的に、海外のビジネス現場で最大1.5年間の経験を積ませ、島津グループのグローバル事業を支える人財を中長期で育成する 派遣実績56名
(内海外赴任22名)

内定者4名は、上記の派遣実績には含んでおりません。

GMT
(Global
Manager
Training)
海外グループ会社の新任マネージャー 島津への理解とロイヤルティを深め、リーダーシップ、マネジメントスキルを身に付けることで、海外市場でビジネスを牽引できるビジネスリーダーを育成することを目的に実施する GMT参加者 239名(GMT2014-2023)
うち研修後の昇格者 69名

人財評価

当社では、業績達成とスキルアップに繋げる「目標管理制度」、成果と行動を評価して公正な処遇に繋げる「人事考課制度」、中長期的なキャリア開発に繋げる「自己申告制度」、という3つの人財評価プログラムを導入しています。
例えば、「目標管理制度」では、当社の正規従業員全員に対して、半年に1度、上司との面談にて、業績のレビューや次に向けた改善事項についてフィードバックを受ける機会を設けています。また、「自己申告制度」では、1年に1度、各人が中長期的に描くキャリアについて話し合う機会を設けています。