重点成長分野:環境・エネルギー

社会課題

グローバルでの急速な経済社会の発展に伴い、CO2排出量増加の影響とされる大型台風・豪雨などの気候変動や、有害物質や廃棄物による河川や海・大気・土壌など環境汚染他多くの課題が生じています。これにより、生態系や人の健康への影響も指摘されています。

島津製作所の取り組み

水や大気などの環境規制への対応や、マイクロプラスチックなどによる環境汚染の解明を支援する製品・サービスを提供しています。

島津製作所のSDGs

環境規制へのスムーズな対応を支援

ここ数年、中国では環境規制が大幅に強化されています。工場施設などでは、排水や排ガスを計測する機器を設置し、測定データを地方政府にオンラインで伝送することが義務付けられており、当社の環境オンライン分析計が活躍しています。重点汚染源排水規制では、排水や河川、湖などの水質管理に、オンライン全窒素・全リン計が使われており、当社製品のシェアは約4割、およそ2,000台となっています。

閉鎖性海域の水質規制化に向けて、従来の方式では難しかった海水を含む試料の測定が行える機器や、工場境界部の大気濃度モニタリング義務化に対応する機器を発売しました。また韓国では、水質分析に時間が掛かる従来のCOD測定法から常時監視できるTOC測定法への移行が決まり、同様の動きがある周辺国においても、今後TOC計の需要拡大が見込まれます。

排水や排ガスの各種オンライン計測機器を提供することで、お客様のさらなる規制対応や、環境への取り組みを支援します。

環境規制へのスムーズな対応を支援
環境規制へのスムーズな対応を支援

マイクロプラスチック問題の実態解明に貢献

海洋や河川などのマイクロプラスチックによる環境汚染問題を解明するため、世界のさまざまな調査・研究機関で、環境中に流出または生物体内に取り込まれたマイクロプラスチックの実態把握(数、分布密度、大きさ、組成、吸着物質など)が進められています。マイクロプラスチックを調べる際は、その素材自体や吸着された有害物質など、対象により分析・測定方法が異なりますが、当社ではその多くに対応した分析計測機器やアプリケーションを提供しています。

Newcastle大学のAlan Jamieson博士は、当社グループとの共同作業により、深海最深部の超深海帯生物がプラスチックを摂取していることを発見し、その素材解析に成功しました。また、東京理科大学理工学部の片岡智哉先生は、当社の分析装置を使用し、河川のマイクロプラスチックの発生源の特定や、分布状況の調査を実施されています。

マイクロプラスチック問題の実態解明に貢献

マイクロプラスチックの分析に用いられる主な当社機器 

 

再生可能エネルギーの品質管理やエコ素材の開発を支援

木質バイオマス発電では、燃料となる木質チップの「含水率測定」が発熱量や着火性、燃焼性に大きく関係することから大変重要となり、納入された時点で厳密に測定する必要があります。

当社の電子水分計MOC63uは、数時間以上かかる煩雑な測定作業をわずか数十分で完了することが可能となります。またデータもパソコンに直接転送できるため、転記時間も省略でき、スピーディーに正確なデータ取得が可能となり、効率的な作業環境の構築に貢献します。

セルロースナノファイバー(CNF)は、植物由来のカーボンニュートラルであり、持続可能で環境親和性の高い素材として注目されています。

CNFでは、繊維長、繊維幅、分散性などの評価が求められ、走査型プローブ顕微鏡(SPM)のナノ3Dマッピング機能を用いれば、CNF複合素材の三次元形状画像に弾性率像を重ね合わせることで、複合材料の分散状態を可視化することができます。