環境/エネルギー:事業を通じた社会課題の解決(CSV)

環境規制や次世代エネルギーの動向に対応した製品・サービスを提供

社会課題

環境分野は、気候変動問題や、大気、水などの環境汚染など多くの課題を抱えています。これらにより、人々の健康や経済に深刻な影響を与えるリスクが高まっており、各国で環境規制が強化されています。また、マイクロプラスチックごみによる海洋汚染が注目されています。マイクロプラスチックは、プランクトンや魚の体内、海水などから発見されていますが、現時点では環境や生態系への影響が明らかになっておらず、解明のための研究が進められています。一方、エネルギー分野では、世界的な需要の増加により次世代エネルギー関連技術への期待が高まっています。電気自動車(EV)の普及に伴う次世代型二次電池の開発、さらには微細藻類を活用したバイオ燃料の開発などへの投資が積極的に行われています。

提供価値 

SDGsへの貢献

地球環境への負荷低減が求められる中、企業の生産活動や製品に対する環境規制が強化されています。
また、化石燃料に代わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの普及が課題となっています。私たちは、地球の環境保全のためのモニタリングや、再生可能エネルギーの開発支援などを通じてSDGs目標に寄与する製品開発を推し進めていきます。

SDGsへの貢献

島津製作所の取り組み

中国での環境オンライン計測市場の拡大

中国では、さまざまな環境汚染物質の排出総量削減を年々強化しています。2017年8月には環境保護部から、窒素・リンを排出する企業に対し、計測機器の設置とオンライン計測によるデータ伝送が義務付けられました。また、PM2.5による大気汚染の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)の連続監視が政府から要求されています。
私たちはこれらの要求に対応すべく、排水や排ガスの各種オンライン計測機器を提供することで、お客様の規制対応や環境への取り組みを支援しています。

オンラインVOC計 VOC-3000F

オンラインVOC計「VOC-3000F」

クラウドを用いた保守サービスでの業務効率化

日本で活躍しているオンライン全窒素・全リン計(TNP計)は、クラウド上で測定データや装置情報を監視することで、トラブルへの迅速かつ的確な対応が行えます。お客様のさらなる作業省力化、働き方改革への貢献も目指していきます。

オンラインVOC計 VOC-3000F

オンライン全窒素全リン計「TNP-4200」

マイクロプラスチック問題の深刻化を受け、社内外と連携し新たなビジネス機会を広げる

私たちは、海洋や河川中などにおけるマイクロプラスチックによる環境汚染問題について、プラスチックの材質や形状を分析計測する機器の提供に加え最新式の画像解析システムを用いて撮影しながら、どのような大きさのものがどのような割合で含まれているか、測定試料中の個数を計測する新技術、マイクロプラスチックの表面に付着する有害性物質の分析手法の開発にも取り組んでいます。これらの情報は随時Webサイトなどで発信しており、既にイギリスやオランダ、ドイツなどの研究者との協働実験結果を発表しています。
私たちはグローバルな観点から、国内外の有識者の方々や、当社グループの研究開発、マーケティング、アプリケーション開発の各部門、さらには受託分析会社の島津テクノリサーチなどと相互連携を取ることにより、この困難な課題解決に向けて全力で取り組んでいきます。

再生可能エネルギーへの取り組み

私たちは、総合分析機器・産業機械メーカーとして培ってきた技術や装置を活かし、お客様先でのリチウムイオン電池や燃料電池、太陽光発電、バイオマス、バイオ燃料、光触媒・人工光合成などの開発・製造・品質保証の過程で貢献しています。
例えばバイオ燃料においては、開発時の成分分析や製造段階での品質管理に貢献。木質バイオマス発電では、燃料である木材の焼却前の水分量管理や、焼却灰の有害物質成分や量の測定が行われています。また、太陽光発電についても開発や品質保証をする上での分析データの提供や、素子を作る上で欠かせない高真空環境を構築するターボ分子ポンプが貢献しています。
私たちは、技術や製品・サービスの提供を通じ、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現を支援していきます。

赤外顕微鏡によるマイクロプラスチックの分析例

マイクロプラスチックの同定を行うフーリエ変換赤外分光光度計+赤外顕微鏡

マイクロプラスチックの付着物質の分析を行う高速液体クロマトグラフ質量分析計