第161期株主総会質疑応答要旨

当日に株主様から頂いたご質問

Q1.
将来どこまでリカーリング比率を向上させていくのか、目標および対外的なアピールについて伺いたい。

A1.
リカーリング比率は、計測機器事業を中心に50%以上を目標としています。事業展開として、試薬の開発や消耗品ビジネスを手掛ける会社の買収、消耗品のラインアップ拡充、製品の保守・点検サービス強化などを進めております。今後も引き続き、試薬等の消耗品とサービス強化の両輪で、リカーリングビジネスの拡大に取り組んでまいります。

 

Q2.
世界で事業を成長させていくにあたって、当社の知名度を向上させることが必要なのではないか。テニス・ラグビーなどを通じたスポーツ振興にも力を入れているが、大会のスポンサーや冠大会の開催など、知名度向上のための取り組みについて伺いたい。

A2.
当社は、日本テニス協会が主催する「島津全日本室内テニス大会」に協賛し、冠大会として開催しているほか、プロゴルファーの西郷真央選手と所属契約を結び、世界での活躍を通じてグローバルに当社名が認知されるような取り組みを行っております。また、海外の学会や会合のスポンサーとなることで、当社および当社製品をアピールし、ブランドイメージを高めることにも取り組んでおります。
今後も当社の知名度向上のための様々な取り組みを継続してまいります。

 

Q3.
今後の中国における事業展開について、また、アメリカと中国のどちらを重視するのかという方針についても教えて欲しい。

A3.
当社は、アメリカと中国、共に重要な市場であると認識しています。現在は中国における事業比率が高い状況となっておりますが、最重要地域であるアメリカや欧州の事業拡大を目指しており、その結果として、中国の事業比率は相対的に下がることになると考えています。
アメリカについては、新たに開所した北米R&Dセンターを通じて、製薬・臨床分野を中心に、お客様密着型の製品開発を推進し、革新的な技術と製品をお届けすることで事業拡大を推進してまいります。
中国については、様々なリスクを考慮して、開発・製造・販売・サービスという事業全体を中国国内で完結できる体制の構築を目指し、特に製造の強化を意識した取り組みを進めてまいります。

 

Q4.
事業が好調であることに対して株価が追い付いていない印象があるため、もっと株価対策に力を入れて欲しい。自己株式の取得や株式分割を行う予定があれば伺いたい。

A4.
当社としましても株価については注視しており、重要性を認識しております。そのためにも、まずは業績をしっかり確保することが第一であると考えています。
自己株式の取得につきましては、本年5月に、250億円・1250万株を上限とした自社株式取得の実施を公表させていただきました。2025年3月末までの期間において、発行済株式総数の4.2%に相当する株式の市場買い付けを予定しております。そのほか、本総会に議案として上程しております「取締役等に対する株式報酬制度の改定」を含め、当社役員が株主の皆様と目線を共有し、株価上昇への貢献意識を高めて経営に取り組むなど、様々な施策を行ってまいります。引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。

Q5.
航空機器事業について伺いたい。
①防衛事業と民航事業の比率、また、民航事業におけるボーイング社とエアバス社との取引比率はどのくらいか。
②京都には多くの航空機部品のサプライヤ企業があるが、産業クラスターの育成支援などに取り組む予定はあるか。
③以前、航空機器事業から撤退するという新聞報道があったが、航空機器事業に対する考え方に変化はあるのか。

A5.
①につきまして、2023年度の航空機器事業の売上高約290億円のうち、防衛事業と民航事業の比率は7:3程度となっております。また、民航事業におけるボーイング社とエアバス社との取引比率は、ほぼ100%がボーイング社との取引となっております。
②につきまして、国による航空機器事業への参画を支援する取り組みがあり、当社としましても支援を行っております。今後も日本の航空機器事業の発展に資する取り組みを継続してまいりたいと考えております。
③につきまして、当社の方針として、航空機器事業を世界に伍して戦える事業として育成するためには、当社だけでなく、欧米のように複数の企業が協力する体制を構築する必要があると認識しており、この認識は現在においても変わっておりません。

Q6.
京都には多くの上場企業があるが、若い世代に対する知名度が低いのではないか。ロームシアター京都や京セラドーム大阪のようなネーミングライツには取り組まないのか。

A6.
当社も、京都府立体育館のネーミングライツ(命名権)を保有しており、「島津アリーナ京都」として運営されているほか、新幹線京都駅に広告を掲示するなど、若い世代を含む多くの皆様に当社を知っていただけるよう取り組んでおります。今後も当社の知名度向上のための様々な取り組みを進めてまいります。

Q7.
先ほど、中国事業を中国国内で完結できるようにするとの説明があったが、それは有事の際に中国事業から撤退しやすくするための準備ということなのか。

A7.
中国国内で事業を完結できるようにするということの趣旨は、不測の事態が生じた際に、本社からの支援が無くても中国での事業を継続することができる体制を構築するものであり、撤退しやすくするための準備ということではございません。今後も引き続き、中国における情勢を適切に把握しながら、当社にとって1つの重要地域であるとの認識のもと、事業を継続してまいります。

 

事前に株主様から頂いたご質問

Q1.
社外取締役を減らしても良いのではないか?何社も兼任していて、当社に集中できるのか?それでいて報酬が発生する。

A1.
当社の社外取締役は、取締役会の意思決定と監督機能の強化に資する積極的な発言や提言を行っており、指名・報酬委員会においても、CEOの選任・サクセッションプランの検討や役員の選解任および報酬の透明性と公正性の向上を図る議論に参画しています。
また、2023年度における各社外取締役の当社取締役会および指名・報酬委員会への出席率はいずれも100%であり、これらのことから、社外取締役としての責務は適切に果たされているものと考えております。
当社は、取締役会における議論の実効性を高め、迅速な意思決定が可能となる適正な規模とするため、現在8名の取締役を選任しており、その半数を社外取締役とすることで意思決定に係る透明性と公正性を確保しています。また、事業展開や会社をとりまく経営環境等を考慮し、幅広い業界から豊富な知識・経験を有する企業経営経験者などを中心に社外取締役を選任し、多様性のある構成としています。
今後も、経営環境等の変化を踏まえて取締役会の適切な規模・構成を議論してまいります。引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

Q2.
当社の売上と収益は円ベースでは伸びているが、米ドルベースでは伸びているのか。

A2.
弊社事業は、米ドルに加えユーロ他の通貨も使用しておりますので、ドルベースではなく為替影響額を除いた形で回答させて頂きます。
為替影響を除きますと、2023年度の売上高は対前年でプラス成長となりました。一方で、営業利益は対前年でマイナス成長となっております。研究開発投資やDX投資、人的投資などの戦略的な投資を増やした結果です。
今年度も、人的投資はもちろんですが、研究開発投資やDX投資を進め、将来の成長に向けた基礎を固めてゆきたいと考えております。ご理解・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

Q3.
当社は、円安の今、海外収益の国内還流を増やさないのか。

A3.
ご指摘のように、一部の地域からは本社への配当という形で国内への還流を増やしております。一方で、ドルやユーロでの資金が必要になる局面を想定し、戦略的に海外通貨を保有することも進めています。
今後も、戦略的な通貨政策を進め、機動的な事業展開を図ってまいります。

 

Q4.
当社では、光免疫療法支援装置、光/音響ハイブリッド水中通信装置ほか多くを開発しているとプレスリリースをしているが、実際に上市されるのはいつか。上市されるのが遅いのではないか。

A4.
ご意見ありがとうございます。光免疫療法支援装置は、医療用の装置となりますので治験を行って効果を明らかにし、薬事承認を得る必要がございます。一つ一つ進めている状況です。
光/音響ハイブリッド水中通信装置は、他社と共同して進めている装置です。当社独自品である水中光無線通信装置は、2020年にMC100、2022年にMC500という二種類の装置を上市しております。
上市のスピード感に関するご指摘につきましては、当社としましても上市までのスピードは早ければ早い程事業貢献につながりますので、常に改善努力を行っております。アジャイル開発の適用やグローバル開発拠点を活用したコンカレント(同時平行型)開発の導入などにも取り組んでおります。今後も鋭意進めてまいりますので、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。