
挑戦のためのガバナンス
CROとして私が最も重視するのは、「挑戦の加速と持続的成長の両立」です。その実現のためには、リスクを恐れて機会を逃すことなく、リスクを適切に評価・管理し、組織全体が果敢な挑戦を続けられる事業環境を整えることが不可欠です。特に「透明性」と「対話」を重視し、事業部門・研究開発部門・製造や販売など現場との双方向コミュニケーションを通じて、リスクの実態と意思決定のプロセスを共有し、全社的な視点で統一した判断を行います。また、「説明責任(アカウンタビリティ)」の所在を明確にして、具体的に定義されたリスクに対する管理の内容や理由、方法を示し、取締役会、ステークホルダー(顧客、株主、規制当局、社会)への一貫した説明が重要であると認識します。
リスク評価においては、データや定量的指標を重視しつつも、数値だけでなく、企業倫理や社会的信頼を守ることも重要なポイントです。リスクに対する感度の高い組織文化は、制度だけでなく日常の意思決定や経験を通じて育まれます。研修や実際の事案への対応を通じて、各部門において次世代のリスク対応リーダーを育成し、組織全体で持続可能なリスク管理力を高めたいと考えます。
事業成長と事業存続を支えるために
2035年に向けて島津グループが目指すべき姿は、「技術に立脚したカスタマーイン志向のトータルソリューションパートナー」になることです。その実現には、堅牢かつ柔軟なガバナンス体制の構築が不可欠です。まず重要なのは、リスクマネジメント・コンプライアンス・内部統制を一体的に機能させるガバナンス体系の整備です。これにより、単独の問題が他領域に波及することを防ぎ、横断的な課題にも迅速かつ整合性のある対応が可能となります。具体的には、事業成長を支える攻めのリスクマネジメントと、事業存続を支える守りのリスクマネジメントを統合的に理解し把握する考え方を定着させ、事業面、運営面と法規制や倫理面でのリスクを網羅的に把握し、それぞれに対してプロアクティブに対策を立案することが挙げられます。
また、組織全体のリスク感度を高めることも重要です。意思決定の透明性を担保するため、ガバナンスの構造と責任分担を明示し、取締役会・監査体制・経営執行層が連携してリスクテイクの範囲や基準を定める必要があります。そして、ステークホルダーとの対話を重視し、外部の期待と企業戦略の整合性を確認する仕組みが構築されていることが不可欠と考えます。こうした包括的なガバナンス強化によって、社会から信頼され持続的な価値を創出する島津グループを実現していきます。
新中期経営計画における取り組み
2026年度から始まる新中期経営計画では、2035年の目指すべき姿実現に向けた土台づくりとして、次の主要施策を実施します。
- リスク・倫理会議において、「2026年度の優先取り組みリスク」と取り組み内容を決議し、グループ全社に周知・徹底の上、対応・対策を実行します。
- 各リスクの取り組みにおけるKPIを定め、進捗をモニタリングし、適宜改善・対策を講じます。
- AIの活用による効果が期待できるテーマにおいては積極的に活用を推進し、リスクコントロールの実効性向上と人的ミス・不正抑止に努めます。
- 地域コーポレート本部のガバナンス人財の育成と機能強化をはかり、グローバルなリスクマネジメント体制を構築していきます。

取締役
専務執行役員
CRO、環境経営(GX)担当、コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当
渡邊 明
略歴
| 1985年 4月 | 当社入社 | |
| 2009年 4月 | 半導体機器事業部 TMPビジネスユニット長 兼 営業部 副部長 |
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| 2011年 4月 | 半導体機器事業部 営業部長 兼 TMPビジネスユニット長 |
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| 2013年 6月 | 半導体機器事業部 副事業部長 兼 営業部長 兼 TMPビジネスユニット長 |
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| 2016年 6月 | 執行役員 産業機械事業部 事業部長 | |
| 2019年 4月 | 常務執行役員 産業機械事業部 事業部長 | |
| 2020年 4月 | 常務執行役員 産業機械事業部 事業部長 兼 フルイディクス事業部 事業部長 |
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| 2022年 4月 | 専務執行役員 CFO、経営戦略・コーポレート・コミュニケーション担当 |
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| 2022年 6月 | 取締役 (現在に至る) | |
| 2025年 4月 | 専務執行役員 リスクマネジメント担当、環境経営(GX)担当、 コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当 |
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| 2026年 4月 | 専務執行役員 CRO、環境経営(GX)担当、 コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当 (現在に至る) |


