リスク担当役員メッセージ

丸山 秀三

島津メディカルシステムズのコンプライアンス事案からの学び

当社は、2022年に国内グループ会社 島津メディカルシステムズの不祥事により、ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑をおかけしました。現在、同社は組織風土の改革をはじめ、働きがいを高める人事制度や業務プロセスをモニタリングするシステムの構築を進めています。同時に、島津グループ全社は、このような不祥事を二度と起こさないように、コンプライアンス意識をさらに高め、不正防止に努めていきます。

中期経営計画2年目の総括と今後の展望

当社グループは、リスクマネジメント(経営・事業運営に関わるリスク対策)と、コンプライアンス・内部統制(職務執行上のリスク対応)を有機的・一体的に機能させ、推進しています。2024年度までの取り組みにより、経済安全保障(サプライチェーン)、労働安全については、必要な対策を講じることができました。2025年度は、グローバルに共通するリスクに対し、影響度の高いと判断される以下の2つのリスクに対し取り組みを進めます。

また、地域別、個社別のリスクに対しては、グループ各社がリスク評価を行い、重点取り組みを設定して対策を進めます。実施に当たっては、島津本社の所管部門メンバーも加わり、指導や支援を行い、活動促進を図ります。
最終年度である2025年度は、グループ全体のリスク管理体制と内部統制の仕組みを強化、改善することで、サステナブルな企業体質の強化を図ります。

課題と解決策

サステナブルな企業体質の強化において、解決すべき2つの課題があります。

日常業務の中のリスクマネジメント

コンプライアンスは、倫理を最優先する企業風土をグループ全体が培い、維持・向上することにより、実現できるものと考えています。そのためには、職場の心理的安全性を高め、社員が疑問や問題に感じたことについてためらわずに声を上げ、問題を早期に把握してリスク事案に発展させないことが重要です。上下左右のコミュニケーションが闊達に行える雰囲気を醸成し、社員のエンゲージメントの向上を図り、日常業務の中でリスクマネジメントを推進していきます。

サステナビリティ経営の推進

当社グループは、社是「科学技術で社会に貢献する」、経営理念“「人と地球の健康」への願いを実現する”を掲げており、サステナビリティ憲章でサステナブルな経営を実践することをうたっています。現存するリスクと、世界情勢が激しく変化する中で新たに生じるリスクを認識し適切な対策を講じること、ガバナンスが利いた倫理性の高い企業風土を醸成すること、そして、それらを実践する人財を育成することが、私の役割です。よりガバナンスの利いたグローバルな体制の構築に向けて、持続的な取り組みを推進していきます。

取締役
専務執行役員
リスクマネジメント担当、環境経営(GX)担当、
コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当 渡邊 明

略歴

1985年 4月   当社入社
2009年 4月   半導体機器事業部 TMPビジネスユニット長
兼 営業部 副部長
2011年 4月   半導体機器事業部 営業部長
兼 TMPビジネスユニット長
2013年 6月   半導体機器事業部 副事業部長
兼 営業部長 兼 TMPビジネスユニット長
2016年 6月   執行役員 産業機械事業部 事業部長
2019年 4月   常務執行役員 産業機械事業部 事業部長
2020年 4月   常務執行役員 産業機械事業部 事業部長
兼 フルイディクス事業部 事業部長
2022年 4月   専務執行役員
CFO、経営戦略・コーポレート・コミュニケーション担当
2022年 6月   取締役 (現在に至る)
2025年 4月   専務執行役員 リスクマネジメント担当、環境経営(GX)担当、
コーポレート・トランスフォーメーション(CX)担当 (現在に至る)