
製造戦略の進化と未来への挑戦
~2035年ビジョンと新中期経営計画、製造本部新設への想い~
抱負
2026年4月に製造担当役員に就任しました。これまで、航空機器事業部で製造の経験を積み、製造現場、製造管理を中心にモノ作りの改善に取り組んできました。今後は、当社グループの成長に資する製造戦略を実行し企業価値の向上に貢献します。
当社グループは、中期経営計画において「世界のパートナーと共に社会課題を解決するイノベーティブカンパニーへ」を基本方針として掲げ、経営の高度化として製造戦略の進化と未来への挑戦に取り組み、重要な手段としてはAI活用と人の強みだと考えます。AIは需要予測、品質検査、設備の予知保全、生産計画の最適化などで力を発揮します。例えば画像検査の自動化や、センサーデータを用いた故障予測は、生産効率と品質の安定化を同時に実現でき、蓄積された生産データをAI分析することで、見えにくかった改善ポイントを可視化できる点にも有効です。一方、AIだけでは補えない領域も存在します。特に、現場での臨機応変な判断、熟練技能者の感覚的な調整力などは、人の経験や直感に依存する部分が大きいとも考えます。従い、AI活用に積極的に注力しつつも、人財育成や現場力の強化、さらに部門間の連携といった人の強みを高める取り組みも同時に進める必要があります。AIが得意な分析・最適化を活用しつつ、人の強みを組み合わせることで、持続的に強い製造を構築していきます。
前中期経営計画 (2023-2025年度) 製造戦略の振り返りと評価
前中期経営計画期間、当社は「グローバル製造の拡大」を基本方針に掲げ、製造BCM(事業継続マネジメント)の強靭化、グローバルでの製造能力を向上、製造業務プロセスを変革する製造DXへの取り組み、など多角的な施策を展開してまいりました。主な成果として、調達機能の強化、戦略的在庫の取組、国内外製造拠点の能力強化、物流の自動化・効率化改善、などが挙げられます。また、データドリブンによる生産効率向上やAI・IoT活用による業務プロセスの変革も進みました。一方、製造拠点間における柔軟な生産調整体制の整備、リスクに備えた複数拠点化、さらに、社会実装に資する生産のスピードアップなど、課題も明確となりました。
新中期経営計画 (2026-2028年度) 製造戦略と2035年のありたい姿
新中期経営計画では、「環境変化への対応力向上」「社会実装スピード向上」「製造(QCD)の高度化・効率化・持続化(製造DX)」をコア戦略とし、2035年の長期ビジョンの実現を目指します。
2035年のありたい姿は、「世界中のお客様に高品質な製品・サービスを最適なコストで迅速に供給できるグローバル製造・サプライチェーンの構築」です。AI活用を推進、最適地生産の推進、重要工程への取組強化、全社横断型の生産・調達・需給管理体制の構築、グローバル品質管理の徹底など、変化に強いレジリエントな事業基盤を築きます。
主な施策は以下の通りです。
- AI・デジタル技術を活用した生産・調達・計画の自動化・高度化
- グローバルでの生産最適化等による生産能力の向上
- 社会実装に資する品質の高度化、試作・量産リードタイムの短縮
- SCM(サプライチェーンマネジメント)最適化による物流コスト削減
これら等により、経営環境の変化や地政学リスクにも迅速かつ柔軟に対応し、グローバルでの競争力を一層高めてまいります。
2026年4月発足の製造本部への期待
2026年4月、全社横断の製造本部を新設し、製造推進部・SCM統括部・調達部・モノ作りセンター・生産統括部を傘下に配置します。この組織再編の狙いは、グループ全体の製造機能を統合運営し、全体最適化とガバナンス強化を実現することにあります。製造本部は、リソース・材料・資産の全社共有による生産調整能力の向上、調達機能の一元管理による取引リスク低減、グローバルな需給調整や生産移管の迅速化など、経営環境変化に強い体制構築をリードします。加えて、品質・コスト・納期のQCD競争力を高め、全社での利益創出やキャッシュフロー改善にも大きく貢献します。また、製造と設計・技術・事業部門との連携を強化し、現場の自律性と全社的な標準化・業績管理のバランスをとりながら、持続的成長を支える組織運営を目指します。
まとめ:投資家の皆様へ
当社は、製造戦略の進化と組織改革を通じて、「世界中のお客様にダントツ品質の製品・サービスを適正価格で迅速にお届けする」ことを使命とし、持続的な企業価値向上に全力で取り組みます。今後とも変わらぬご支援、ご期待を賜りますようお願い申し上げます。
常務執行役員
製造・CS担当、DX・IT戦略担当
製造本部長 山本 晋
略歴
| 1986年 4月 | 当社入社 | |
| 2010年 4月 | 航空機器事業部 航空機器工場 第一生産課 課長 | |
| 2016年 4月 | 航空機器事業部 航空機器工場 工場長 | |
| 2017年 6月 | 航空機器事業部 副事業部長 兼 航空機器事業部 航空機器工場 工場長 |
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| 2020年 10月 | 航空機器事業部 副事業部長 | |
| 2021年 4月 | 航空機器事業部 事業部長 | |
| 2026年 4月 | 常務執行役員 製造・CS担当、DX・IT戦略担当 製造本部長(現在に至る) |


