
製造戦略の進化と未来への挑戦
私はこれまで航空機器事業部において製造現場・製造管理の経験を積み、ものづくりの進化と改善に取り組んできました。2026年4月に製造担当役員に就任し、島津グループの持続的成長を支える製造戦略を着実に実行することで、企業価値向上に貢献していきます。
当社グループは、中期経営計画において「世界のパートナーと共に社会課題を解決するイノベーティブカンパニー」を掲げています。その実現に向け、製造戦略の進化を通じて経営基盤の高度化を推進し、未来への成長機会を着実に取り込んでいきます。
その中核となるのが、AIと人の強みの融合です。AIは、需要予測や品質検査、設備の予知保全、生産計画の最適化などにおいて大きな価値を発揮し、生産効率向上と品質の安定化の両立を加速させます。また、蓄積されたデータの活用により、これまで見えにくかった改善機会の可視化も進めていきます。
一方で、熟練技能者の知見やノウハウといった「人の強み」は、製造現場における競争力の源泉です。AIの活用を一層推進すると同時に、人財育成および現場力の強化、部門間連携の深化を図ることで、外部環境の変化に柔軟に対応し、変化に強く進化し続ける製造基盤を構築していきます。
製造はお客様からの信頼を支える中核機能であり、グローバルでの事業成長に直結する重要な基盤です。今後もQCD(品質・コスト・納期)の高度化・効率化・持続化を推進し、最適地生産の実現と強靭で安定した高品質な供給体制の構築に取り組んでいきます。
製造戦略の基本的な考え方
製造は、お客様からの信頼を獲得するうえで中核となる部門であると位置づけています。グローバルでの中長期的な事業成長を支えるため、QCD (品質・コスト・納期) の継続的な高度化・効率化・持続化と、最適地での製造体制構築・拠点での調達網の整備を進めています。AI・デジタル技術も活用し、調達・生産の自動化・最適化を合わせて推進しています。

現状と目指す姿の整理
前中期経営計画では「グローバル製造の拡大」を基本方針に掲げ、製造BCM(事業継続マネジメント)の強靭化、グローバルでの製造能力向上、製造業務プロセスを変革する製造DXへの取り組み、など多角的な施策を展開しました。

1. グローバルでの最適地生産に向けた製造拠点と体制の整備
地政学リスクや需要変動が常態化する中、当社はこうした環境変化を前提とした強靭な供給体制の構築を推進しています。グローバルでの最適地生産の推進、重要工程の分散、拠点間での柔軟な生産調整を通じて、リスクを回避した安定供給と競争力の両立を実現します。
また、調達・製造・物流を一体で捉えたサプライチェーン全体最適の視点により、供給対応の迅速化と高度化を推進します。拠点ごとの能力や在庫、調達状況を可視化し、より柔軟で強い供給体制を構築していきます。

当社グループのグローバル製造拠点
2. PLM軸の上流での品質向上・コスト改善、試作・量産リードタイムの短縮
製造の競争力は、工場内の効率化にとどまらず、開発・設計に始まり、試作品による性能確認を経て、安定した資材調達下での量産品の短納期供給・サービスまでを一体で最適化することで最大化されます。
PLM軸では企画・設計から量産立ち上げまでを一気通貫で捉え、上流からの品質向上とコスト改善を推進します。SCM軸では調達・製造・物流・販売・サービスを連携させ、供給対応の迅速化を実現します。両軸をデータで結び付け、全体最適によるQCDの飛躍的向上を目指していきます。

3. AI・デジタル技術を活用した品質・効率を改善・定着
AI・デジタル技術の活用により、製造現場の情報をリアルタイムで把握し、異常の兆候を早期に捉えることで、品質問題や設備停止の未然防止を実現しています。今後はさらにデータ活用を深化させ、製造全体の品質・効率の向上を加速していきます。
同時に、現場の知恵やノウハウといった人の強みを活かし、人とAIが相互に補完し合うことで、より高付加価値なものづくりへと進化させていきます。技能継承も含め、継続的に進化できる製造基盤の確立を目指します。

立体倉庫と自動搬送機

ロボット塗装設備
製造機能の統合による経営基盤の強靭化と利益創出
2026年4月、製造本部を新設し、各事業部の製造機能を集約しました。この組織再編により、調達・製造・物流を統合運営する体制を整え、サプライチェーン強化、ガバナンス強化、業務効率化により品質・コスト・納期(QCD)の競争力向上を図ります。
また、フィジカルAIの活用により、製造現場の自動化を進化させ、生産性と品質の更なる向上を図っていきます。
これらにより、持続的成長を支える経営基盤の強靭化と利益創出につなげていきます。
常務執行役員
製造・CS担当、DX・IT戦略担当
製造本部長 山本 晋
略歴
| 1986年 4月 | 当社入社 | |
| 2010年 4月 | 航空機器事業部 航空機器工場 第一生産課 課長 | |
| 2016年 4月 | 航空機器事業部 航空機器工場 工場長 | |
| 2017年 6月 | 航空機器事業部 副事業部長 兼 航空機器事業部 航空機器工場 工場長 |
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| 2020年 10月 | 航空機器事業部 副事業部長 | |
| 2021年 4月 | 航空機器事業部 事業部長 | |
| 2026年 4月 | 常務執行役員 製造・CS担当、DX・IT戦略担当 製造本部長(現在に至る) |


