ダイバーシティ・健康経営担当役員メッセージ

未来に向けてお客様のニーズを捉え、社会課題の解決のために

当社グループは「プラネタリーヘルス(人と地球の健康)の追求」を目指す姿として掲げ、中期経営計画では「世界のパートナーと共に社会課題を解決するイノベーティブカンパニー」を目指しています。その実現のため、多様性を活かす組織づくりと、社員が健康で活き活きと働ける環境づくりが不可欠であり、ダイバーシティ経営、健康経営を推進しています。

中期経営計画2年間の振り返り

中期経営計画では、性別、年齢、障がい、国籍など属性に応じた施策を進めるとともに、一人ひとりの強みを活かすDE&Iの実現に取り組んでいます。単体では、2025年度女性管理職比率6%を目指して女性活躍施策を実施しています。2025年3月時点での単体の女性管理職比率は5.8%(目標5.6%)、エンゲージメント調査における単体のインクルージョン指数は59%(2025目標50%以上)と高評価となりました。また「なでしこ銘柄」「えるぼし(3つ星)」「プラチナくるみん」「プライド指標シルバー」の認定を受けました。さらに、グループ全体でのDE&Iの取り組みを本格的にスタートさせ、2024年度にはグループ各社でのDE&I推進のKPI設定率は78%(目標50%)となりました。

課題はDE&Iの理解浸透とダイバーシティマネジメントの実践

現状の課題は、①DE&Iの理解浸透と②現場におけるダイバーシティマネジメントの実践です。
現在においては、女性活躍への理解浸透は徐々に進んでいるものの、職場での支援体制はまだ十分ではないといった声も耳にします。一人ひとりの強みを活かす組織づくりにおいては、マネジメントがカギであり、管理職層のDE&Iの正しい理解と自分ごと化、職場での多様性を活かすマネジメントの実践が現在の優先課題と捉えています。対策として開始したのがDE&Iマネジメント研修です。2024年度に国内グループ会社社長を対象に開始し、2025年度は本社管理職を対象に部長級から実施する予定です。研修では、自らのバイアスや障壁を理解し、各自が策定したDE&I施策の実践状況を研修後に確認します。「知識」「意識」「行動」の3ステップでDE&Iの実践につなげることを目指しています。また女性管理職候補の育成では、上司参加型プログラムも展開しています。
ダイバーシティマネジメントの実践には、すべての関係者の理解が不可欠です。役員向けアンコンシャスバイアス研修や、社員に向けた「違いを受け入れ共に考える対話ワークショップ」の開催など、階層ごとのDE&Iの理解浸透を図り、ダイバーシティマネジメントを促進します。

島津グループの目指すDE&I

DE&I推進については、北米の動きはあるものの、日本では重要なテーマだと考えており、男性が多数を占める組織構造や性別に基づく役割分担の意識が残る中で、女性の活躍は引き続きDE&I推進の重要な施策の一つです。ただし、数値結果を重視する施策だけでなく、育成プロセスやインクルージョンの実現の視点で各施策のブラッシュアップが必要です。
「多様な人財が活躍し、認知的多様性を高めることによる企業の戦略的意思決定や業務・管理レベルでの意思決定の質の向上」と「未来に向けたイノベーションの創出」を通して、従業員のエンゲージメントを高め、当社グループおよび従業員が共に成長していくことが私たちのDE&I推進の目指す姿です。

一歩先を行く健康経営の実現

近年、少子高齢化や介護・健康保険財政問題などの社会課題が深刻化しています。当社グループでは2024年度に65歳定年を導入し、社員が健康で安心して働ける環境づくりと、社員の家族も含めた健康維持や増進に取り組んでいます。
健康イベントや国内グループ会社の健康経営を支援するとともに、ヘルスケア事業の強みを活かしてMCI (軽度認知障害)スクリーニング検査や乳房専用PET装置など、自社技術を社員と家族に還元する健診費用補助制度も導入しました。
一方で、施策の健康への効果検証などは課題であり、対策として、過去の健康データやアンケートを解析し、心身の健康度と取り組みの影響を明らかにし、個人と組織それぞれの健康課題に向けた施策を展開しています。今後はさらに効果検証やデータ活用を促進し、社外との連携も強化して、一歩先を行く健康経営を展開していきます。

DE&Iを語らなくてもよい企業風土の醸成に向けて

DE&Iのあるべき姿は、企業風土として根付き、あえてDE&Iを語らなくても一人ひとりの強みを活かすことが当たり前になる状態だと考えています。実現には時間がかかりますが、私たちは“あきらめない熱意”を持って取り組み、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えできるよう、持続的な企業価値向上と社員のWell-being を実現していきます。

常務執行役員
法務・ダイバーシティ経営・健康経営担当 梶谷 良野

略歴

1984年4月   当社入社
2007年10月   (株)島津インターナショナル 国際業務部 部長
2013年10月   (株)島津インターナショナル 国際業務部 部長 兼 業務システム統括部 業務プロセス革新室 担当部長
2014年1月   (株)島津インターナショナル 代表取締役社長
2017年6月   執行役員 広報室長
2019年4月   執行役員 コーポレート・コミュニケーション部 部長
2021年4月  

常務執行役員 人事・ダイバーシティ経営・健康経営担当

2024年4月   常務執行役員 法務・ダイバーシティ経営・健康経営担当(現在に至る)