CFOメッセージ

中計2年目の2022年3月期は2期連続で過去最高業績を更新する見込み

中期経営計画の2年目にあたる2022年3月期は、新型コロナウイルス変異株の感染拡大に加え、半導体・電子部品不足によるサプライチェーンの混乱ならびに鋼材などの価格高騰など様々な逆風が吹いた中でも、新たな事業環境の変化に柔軟に対応し、過去最高業績を更新する見込みです。

計測機器事業は、活発な投資が進む医薬などのヘルスケア市場向けに重点機種である液体クロマトグラフ、質量分析システムが好調に推移し、産業機器事業では半導体需要増を背景にターボ分子ポンプの売上を大きく伸ばすことができました。また、前年に上市した新型コロナウイルス試薬キットや全自動PCR検査装置が社会課題である感染症対策に貢献しました。

2023年3月期も、中期経営計画で定めた戦略を着実に遂行し、過去最高業績の更新を目指します。

島津の成長のため、積極的な投資を行います

島津グループを取り巻く事業環境はめまぐるしく変化しています。この環境の変化に素早く対応するためには、研究開発及び生産設備関連投資ならびにM&Aなどの成長投資を着実かつ迅速に実行することが不可欠です。

「科学技術で社会に貢献する」が社是である当社にとって研究開発投資は競争力の源泉です。重点事業の液体クロマトグラフ、質量分析システムを中心とした技術開発に加え、社会的価値創造とその実現に向けて重要テーマに掲げている感染症対策、アドバンスト・ヘルスケア、カーボンニュートラルなどの先端分野の研究開発を加速しています。売上高研究開発費率に関しては、他社との連携や大学や研究機関などとの協業を拡げ、5%に近い水準まで高めていきたいと考えています。

設備投資は、案件ごとに資産収益性や投資回収能力を勘案しながら、成長分野への投資を着実に遂行していきます。2022年3月期は、海外での事業成長に向けて、ビジネスパートナーと共同研究・開発を推進する拠点であるイノベーションセンターの機能強化やアフターマーケット事業の更なる強化に向けてサービス網を充実させるための投資を実施しました。今後は、将来の事業拡大に向けた製造機能強化、ビジネスモデルの変革を見据えたDX関連の投資を積極的に行う予定です。

M&Aに関しては、企業価値向上のために財務健全性を毀損しない範囲で積極的に行っていきたいと考えています。資本参加による業務連携を拡大し、パートナー企業や外部企業との協業により、将来に向けた新たなビジネスモデルを構築することも視野に入れて取り組んでいきます。

財務基盤強化や資本効率改善を図ります

一方、成長投資を支えるための財務基盤の強化や、資本効率改善も重要です。

キャッシュ創出力は、収益力強化の継続的な取り組みにより高まっています。また、在庫や売上債権などの運転資本の管理を強化しており、自己資本比率及びD/Eレシオともに健全な財務体質を引き続き維持しています。資金の効率的な活用への取り組みとしては、日本で導入していたキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を米国・欧州・アジア・中国においても整備し、グループ内の資金を有効に活用することで有利子負債の圧縮を図っています。事業環境の急激な変化に備えて手元流動性を高めるとともに、成長に必要な投資を継続的・機動的に実施できる財務基盤を築いていきます。

資本効率改善に関しては、投資判断の一つの指標としてROICの導入を検討しており、滞留している資産・資源の削減だけでなく、投資判断に活用することを想定しております。当社の強みは保有する幅広い技術を活かし、ビジネスモデルや業種の異なる複数の事業を展開することで安定した利益を創出し続けることにあると考えており、島津ならではの収益性・安定性を担保する事業ポートフォリオの構築に取り組みます。

サステナビリティ経営を推進します

CFOとして、投資家の皆様に対し従来の財務諸表に加えて非財務情報をご提供し、独自のサステナビリティ経営を推進する当社の姿をわかりやすく伝えていきたいと考えています。また、経営資源を適切に配分することで、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組みを加速するとともに、サステナブルな社会実現に向け製品やサービスに新しい価値を生み出すことにも挑戦し、当社の企業価値を持続的に高めていく考えです。

継続的な増配を目指します

当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の最重要課題の一つとして位置付け、連結配当性向30%を目安とし、安定的・継続的に配当を行うことを重視しています。株主還元においては、過去7年にわたり増配を継続しており、2022年3月期も8 期連続増配を予定しています。

今後も安定的かつ継続的な増配を目指すべく、次期中期経営計画では配当性向の見直しやDOE(株主資本配当率)などの基準設定についても検討したいと考えています。

株主・投資家への皆様と積極的に対話します

株主・投資家の皆様との対話は、島津グループの経営戦略および事業活動を皆様にご理解いただくと同時に、当社の経営の質の向上と企業価値の向上に資するため、非常に有益であると考えています。積極的かつ適切な情報開示を努め、皆様とのコミュニケーションを一層充実させていき、いただいたご意見は真摯に受け止め、経営層に対する説明・報告を通して経営の改善に活かしていきます。

今後もCFOとして、株主・投資家の皆様をはじめ、お客様、社会からの信頼をより高めるとともに、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。株主・投資家の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご理解とご期待をいただきますようお願い申し上げます。

専務執行役員 CFO・経営戦略・コーポレート・コミュニケーション担当 渡邊 明

1985年 4月   当社入社
1999年 7月   シマヅプレシジョンインスツルメンツインク出向
2007年 4月   半導体機器事業部 営業部 副部長
2009年 4月   半導体機器事業部 TMPビジネスユニット長
兼 営業部 副部長
2011年 4月   半導体機器事業部 営業部長
兼 TMPビジネスユニット長
2013年 6月   半導体機器事業部 副事業部長
兼 営業部長 兼 TMPビジネスユニット長
2014年 7月   産業機械事業部 副事業部長
兼 営業部長
2016年 6月   執行役員 産業機械事業部 事業部長
2019年 4月   常務執行役員 産業機械事業部 事業部長
2020年 4月   常務執行役員 産業機械事業部 事業部長
兼 フルイディクス事業部 事業部長
2022年 4月   専務執行役員
CFO・経営戦略・コーポレートコミュニケーション担当 (現在に至る)
専務執行役員 CFO・経営戦略・コーポレート・コミュニケーション担当 渡邊 明