表紙ストーリー表紙に込められた物語をご紹介します。Cover Stories

Vol.33

Vol.33表紙

表紙の珈琲はホットでしょうか、それともアイスでしょうか?(答えは文末に)メラビアンの法則では、人が相手の言葉から感情を読み取るときに『言語』(言葉自体=7%)の意味よりも『聴覚』(声のトーン=38%)を、それ以上に『視覚』(表情や仕草=55%)を重視していると言われています。メールやSNS で起こるトラブルの多くが、その聴覚と視覚を封じられた言語のみのコミュニケーションであることに起因しています。それならば、誤解や思い込みを避けるために有効な手段は動画によるコミュニケーションであると言えるでしょう。しかし人は普段、聴覚、視覚の他にもうひとつ触覚を頼りに意思の伝達を図っています。子供を抱き上げたり、握手や日本人には馴染みが薄いですがハグをすることで相手に敵意のないことを伝え合います。『触覚』は相手や物、自己の認識に加えて危険回避を促すセンサーとして自己保存に関わりが深く、その為か、たくさんの情報を読み取り視覚に比べ素早く認識することができます。風の強さ、温度、湿度のわずかな変化を感じ、艶やかな漆器のわずかなざらつきを探り当てることができます。また光を熱として、音を振動として知覚し視聴覚を相乗させています。遠隔制御の間接的操作のバーチャル感を、スイッチのパチンと指に伝わる刺激でオンオフを知覚するといった、体験済みの記憶をリアルに再現させるハプティクスという技術としてゲーム機の振動するコントローラーやABS の足裏に響くゴツゴツというフィードバックなど触覚は身の回りの様々な分野に活かされています。近い将来デジタルコミュニケーションにも欠かせないものとなるでしょう。さらには情熱や真心といった心情をタッチコミュニケーションのようにデバイスを介して伝えることができる日がやってくるかもしれません。文頭の答えは常温。アクリル製の氷が浮いた水滴のついたカップに、湯気を合成した矛盾を含んだトリック写真です。