表紙ストーリー表紙に込められた物語をご紹介します。Cover Stories

Vol.27

Vol.27表紙

「そこに、未知があるかぎり」
人類は、「見たことのない風景が見たい」という欲求を原動力に様々な極みに挑んできた。100年前、スコット隊に先駆けてアムンゼンが南極の地を踏むと、世界は競い合って 山、海、砂漠へと欲求の矛先を向けていった。そして地球上のあらゆる景色をコレクションし終えると今度は宇宙やミクロの世界へと向かった。彼らが大いなる努力と犠牲、強靭な精神を持って極限へと挑み持ち帰った「風景」は見るものの心を揺さぶる。人々は「選ばれた者」の偉業をたたえ、次なる未知へと追い立てる。英国の登山家G.マロリー(1886-1924)は、1924年6月8日エベレストに挑戦し頂上付近で消息を絶った。マロリーは未踏峰を制覇したのか。未発見の彼のカメラに登頂の証拠があるのではないか?登山史最大の謎は依然未解決のままだ。最高峰挑戦を前に彼はこんな質問を受けたことがある「なぜ、そんなにしてまでエベレストに登るのか?」愚問である。 -Because it is there.
人類が「未知・極限」の風景を追い求める探究心に終わりは無い。
※表紙の写真は同時代のカメラ(コダック社製)。