2014.5.19 【資料掲載】第62回日本質量分析学会(5月14~16日)で成果発表しました

 2012年の第60回質量分析総合討論会は、国際MS学会”IMSC2012 KYOTO“がMainとなった共同開催でした。
 また、昨年 筑波で行われた第61回質量分析総合討論会は 9月開催であり、田中最先端研究所では 平成24~25年度”前半”までに得られた成果を発表可能であったため、件数も23件となりました。

 今回 2014.5.14-16 大阪で開催された第62回質量分析総合討論会では、田中最先端研究所で 主に平成25年度”後半”に得られた成果7件を発表しました。
 この中には、福山裕子の学会奨励賞受賞講演も含まれています。

1. [2A-AW-1730]
受賞講演
o福山裕子
 島津製作所 最先端研
「生体高分子分析のためのMALDIマトリックスの開発と改良」
→ 福山裕子の奨励賞受賞講演。最先端研のみならず、これまで15年以上に渡るマトリックス開発を振り返る。
[論文投稿準備中]、[参考論文1],[参考論文2],[参考論文3],[参考論文4],[参考論文5],[参考論文6]

 

2. [2C-O1-1000] o西風隆司、川畑慎一郎、田中耕一
 島津製作所 最先端研
N型糖ペプチドの負イオンフラグメンテーションの特徴」
→ これまでほとんど用いられていなかった負イオン化に注目し、分解イオンの特徴・法則を丹念に見出し、特にN型糖ペプチドの構造情報入手に有用である事を解説。
(下記 ポスター発表[2P-42]pdf参照) [参考論文7],[参考論文8],[参考論文9],[参考論文10],[参考論文11]

 

3. [2P-14] o田中聡1、吉沢明康1、田畑剛2、草野麻衣子1、青島健2、宇都宮眞一1、梶原茂樹1、小田吉哉2、田中耕一1
 1島津製作所 最先端研、 2エーザイ
「Mass++: 同定機能と翻訳後修飾文献DBとの連携」
→ 翻訳後修飾(PTM)文献検索ツールと Mass++ のペプチド同定機能との連携により、生データからピーク検出・ペプチド同定・既知PTM及び文献情報の表示に至る一連の操作を可能とするシステムを開発。
[論文投稿中]

 

4. [2P-35] o関谷禎規、金子直樹、谷村里都子、日置雄策、児嶋浩一、岩本慎一、田中耕一
 島津製作所 最先端研
「Advanced-nano-LC/MALDI-MSを用いた血漿中の糖タンパク質E-カドヘリンの糖ペプチド分析」
→ 高感度化したLC/MALDI-MSシステムを用い、従来検出が極めて困難であった “E-カドヘリン”(がんの浸潤・転移に関連する)糖タンパク質の糖ペプチドを、1μLの血漿中(多様なタンパク質が多量に混在する)から検出できた事を紹介。
発表資料1(751KB)

 

5. [2P-42] o西風隆司、川畑慎一郎、田中耕一
 島津製作所 最先端研
N型糖ペプチドの負イオンフラグメンテーションの特徴」
→ 上記 [2C-O1-1000]口頭発表内容を ポスター1枚で分かり易く説明。
発表資料2(826KB)

 

6. [3B-O1-1020] o福山裕子1、中島ちひろ1、泉俊輔2、田中耕一1
 1島津製作所 最先端研、2広島大院理
「疎水性ペプチド用MALDIマトリックスalkylated trihydroxyacetophenoneを用いた膜タンパク質分析」
→ 昨年発表したマトリックスATHAPを、特に膜貫通部分を含む膜タンパク質の疎水性ペプチド検出に適用。創薬等への貢献を期待。
[論文投稿準備中]、[参考論文12]

 

7. [3P-13] o森本健太郎1、西風隆司1、吉沢明康1、梶原茂樹1、青島健2、小田吉哉2、田中耕一1
 1島津製作所 最先端研、 2エーザイ
「質量分析ソフトウェアMass++を用いたN型糖鎖負イオンMS/MSスペクトルの解析」
→ 糖鎖構造同定ソフト”GlycanAnalysis” Plug-in に新たに導入したスコアリングと そのレポート機能について、解析例を示しながら紹介。
[論文投稿中]

 

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