2013.9.2 【資料掲載】容器から溶出するホウ素に注目した論文が発刊されました

 質量分析分野では 世界で最も著名な学術誌の1つである “Journal of Mass Spectrometry”に、本PJの論文が掲載されました。
 生体試料を取り扱うためには、何らかの容器が必要です。本論文では、ガラス容器等の実験器具から溶出するホウ素”Boron”が原因となり、特に糖鎖や糖ペプチドに誘導体化(化学反応による化合物の付加)が一部引き起こされ、測定感度の低下や解析の困難さを引き起こす可能性を初めて報告しています。また、それを防ぐ方法も述べています。
 この様に本PJでは、特に質量分析を行うに当たって 従来は未知であった現象を解明する事により、特に微量分析能力を向上させる様々な方法を開発しています。

Takashi Nishikaze, Shin-ichirou Kawabata, Koichi Tanaka
“Boron forms unexpected glycopeptide derivatives during MALDI-MS experiment”, Journal of Mass Spectrometry, 2013, Vol. 48, pages pp1005-1009
Koichi Tanaka Laboratory of Advanced Science and Technology, Shimadzu Corporation

発表資料(Journal of Mass Spectrometry掲載論文概略紹介へのリンク)