液体の混合物を分離、定量、定性するための装置で、化学、製薬、環境、食品など幅広い分野で利用されています。
液体クロマトグラフィーの原理を表現した流体の文様をあしらった一台を制作しました。この装置には、経年変化を楽しめる金属箔や漆が使われており、長く使うほど愛着が湧くようにデザインされています。また、割れても金継ぎで修復できる「お直しの文化」を取り入れることで、修理を重ねるごとに価値が高まる特性を持たせ、分析装置として長期的に信頼感を醸成できる工芸技術による意匠を実現しました。
修理する事でより長く使えるだけでなく、意匠にその修理の過程が刻まれ、装置への愛着が増す事で機械ではなく相棒としての存在になります。長期使用される分析装置としての持続可能性を提案します。
時間が経つにつれ金属が酸化し、使い方や置かれる環境、時間の経過によって独特の色と風合いが生まれます。劣化するのではなく、経年変化を感じることができる素材です。
金属を手作業で叩くことで独特な凹凸模様ができます。その表面に焼き漆を施すことで、金属部品に伝わる機器の熱を緩和させつつ、漆の抗菌性能を付加します。使うごとに漆の色が経年変化し、使い続けることで装置に対する愛着がわきます。
瓶と金属が当たる際の音を和らげるために、サステナブルな素材を手作業で編み込む事で、本体の色に合わせて1台1台違う柄と表情を生みます。