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脳機能計測の意義と活用分野

発展し続ける脳科学研究において、脳の機能を可視化する光脳機能イメージング(fNIRS:functional Near-Infrared Spectroscopy)は、より日常に近い環境下で脳の活動を測定できる新たな手法として注目されています。
安全かつ自然な状態での測定が可能で、動きに対する制限が少ない光イメージングは、リハビリテーションの研究分野や新生児脳機能や精神・神経科学を含む創薬研究・医学研究分野など、様々な応用の場で脳機能研究の可能性を広げます。

fNIRSの測定原理
脳内で神経活動が生じると、周辺領域のヘモグロビン量が局所的に変化します。
fNIRSでは、生体透過性の高い近赤外線光の照射により、
吸収波長が異なる酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb)と脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb)を測定し、
脳活動により引き起こされる相対変化をリアルタイムに動画表示することができます。
チャンネル毎の時系列データからの二次元画像化
安静時(左)と手指タッピング時(右)の
比較(Oxy-Hb)

光脳機能イメージング(fNIRS)のプロトコール

  1. (1)ホルダを装着する

  2. (2)タスクを実施し、測定する

  3. (3)チャネルデータをトレンドグラフやマップで表示

    トレンドグラフ表示
    マップ表示
  4. (4)データ解析・処理を行う

    • ・劇演者を対象とした社会的相互作用における脳機能イメージングの応用研究例

      ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の認知神経科学研究所では、fNIRSを使って、シェイクスピアの劇中の俳優における脳活動パターンの計測を実施。人間の社会的認知や自閉症患者における社会的相互作用の違いについての研究に活用されています。詳しくはこちら

      ご協力:Flute Theatre - https://flutetheatre.co.uk/

本製品は、医薬品医療機器法に基づく医療機器として承認・認証等を受けておりません。
治療診断目的およびその手続き上での使用はできません。

共同研究者

Yale School of Medicine, USA
Prof. Joy Hirsch

人と人との相互作用をfNIRSという新しい技術で画像化することで、私たちの脳が実生活や社会的な活動にどのように適応するのかを理解したいと考えています。例えば、fNIRSを用いて、二者間のアイコンタクトがコミュニケーションにおいてどのような役割を担うのかを研究しています。島津製作所とは共通の価値観をもっており、パートナーとして長く一緒に仕事をしていきたいと思っています。私は次善の策で満足するつもりはないし、島津も同じです。だからこそ、私たちはパートナーなのです。

参考文献: Noah, J. A., Zhang, X., Dravida, S., Ono, Y., Naples, J. A., McPartland, J. C., & Hirsch, J. (2020). Real-time eye-to-eye contact is associated with cross-brain neural coupling in angular gyrus. Frontiers in Human Neuroscience 14(19), 1-10. doi: 10.3389/fnhum.2020.00019

Zhang, X., Noah, J. A., Dravida, S., & Hirsch, J. (2020). Optimization of wavelet coherence analysis as a measure of neural synchrony during hyperscanning using functional near-infrared spectroscopy. Neurophotonics, In Press.