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原発性アルドステロン症のAVS支援システムの開発

原発性アルドステロン症の治療方針の決定には、副腎静脈サンプリングが効果的ですが、結果を得るまで数日を要していました。
また、複数箇所からのサンプリングのため、画像情報と測定結果を合わせて管理することが難しく課題とされてきました。
「原発性アルドステロン症のAVS支援システム」は、副腎静脈サンプリング中に採血部位を副腎静脈造影上にマーキングし、
測定結果とリンクして記録するものです。これにより、副腎静脈の部位ごとの測定結果が一目で正確に分かるシステムです。

原発性アルドステロン症
副腎からアルドステロンといわれるホルモンが過剰分泌されることにより高血圧を引き起こす病気。
高血圧症全体の中の5~10%程度が原発性アルドステロン症であり、
その半数近くは副腎を手術することで高血圧が改善すると考えられています。

原発性アルドステロン症のAVS支援システム

  1. (1)カテーテルを副腎静脈に挿入して静脈造影を行う

  2. (2)X線画像に基づきカテーテルを副腎静脈に入れて複数箇所採血し、各採血管の検体ID情報を読み取る

  3. (3)検体ID情報を使用して採血位置の情報をX線画像に記録

    • ・採血管検体ID情報を読み取りX線画像上の採血位置をリンクさせる血管撮像システム

      採血管の検体ID情報と採血位置を登録します。

  4. (4)各採血管の検体ID情報を読み取り、サンプルを質量分析

    • ・血中のアルドステロンとコルチゾールを定量する質量分析計

      少ない血液サンプルからさまざまな物質を迅速に精度良くはかります。

  5. (5)検体ID情報により、採血位置とLC-MS/MSの解析結果を関連付けてAVS検査レポートを作成

    • ・測定結果とX線画像上の採血位置を関連付けて記録するソフトウェア

      性質の異なるX線画像(形態情報)と測定結果(生体情報)を一つの情報として統合管理を可能にしました。

共同研究者

東北大学病院
高瀬 圭 教授

AVS支援システムは、画像診断というイメージング技術と成分分析の計測技術を融合しており、より迅速で正確な診断が可能になります。
局在診断で副腎静脈のどの部位が異常なのかをその場で判定することができれば、将来的には診断に引き続いて、低侵襲な治療にもつながると考えています。
また、このようなサンプリング手法は、副腎に限らずさまざまな内分泌臓器、内分泌の病気で同じように利用されており、この開発経験を生かしてさらに他の内分泌疾患にも展開していくことが今後十分に期待できるのではないでしょうか。