誘電体膜の入射角依存性

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誘電体膜に光が角度を持って入射すると、見かけ上のコーティング膜厚は大きくなりますが、コーティング特性は全体に短波長側にシフトします。一例として、図11に波長550nm、入射角0度に最適化した2層ARコーティングの入射角度依存性のグラフを示します。入射角0度のときは波長550nmにおける反射率が0%ですが、入射角が増加するにつれて反射率が大きくなり、入射角30度、45度において、それぞれ0.24%、1.26%となります。

図11 ARコーティングの入射角依存性(λ=550nm)

図11 ARコーティングの入射角依存性(λ=550nm)

図12は、図11のコーティングで入射角0度、30度、45度のときの波長と反射率の関係を示しています。入射角0度のときは反射率が最小となる波長は550nmですが、入射角が増加するにつれて反射率が最小となる波長は短波長側へシフトすることが分かります。コーティング製品を使用するときは、入射角が仕様通りとなるよう配置することが重要です。

図12 ARコーティングの波長シフト

図12 ARコーティングの波長シフト