図8のように、高屈折率材料および低屈折率材料を着目する波長λにおいて最適な膜厚(光学膜厚=λ/4)で交互に積層することで、各層界面からの反射光は干渉により強め合います。吸収や散乱がないコーティングであれば、層数を増やすことで、反射率を100%にすることができます。
図8 増反射膜の原理
例えば、図9は光学膜厚λ/4(λ=550nm)となるようHRコーティングをした場合の層数が11層のときの反射率を示しています。図10のように、層数を増やしていけば、反射率は100%に近づいていくことが分かります。波長550nmにおいて、11層、21層、31層の反射率はそれぞれ98%、99.9%、99.999%となります。
図9 11層HRコーティング設計例
図10 層数増加によるHRコーティング反射率の改善例