単層膜の反射率

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図2のように、ガラス基板に光が入射すると、空気の屈折率は1であり、ガラスの屈折率をn1とすると、直入射(入射角θ1=屈折角θ2=0度)の場合のガラスの反射率R1は、フレネルの式より以下で表されます。

式

ここで、ガラスの屈折率n1=1.5とすると、ガラスの反射率はR1=4%となります。

図2 ガラス基板の表面反射

図2 ガラス基板の表面反射

次に、図3のように、ガラス基板の上に屈折率n2の誘電体をコーティングした場合、直入射における誘電体膜とガラス基板の界面の反射率R2は(2)式で、誘電体膜表面の反射率R3は(3)式で表されます。

式

式

ガラス基板上に誘電体膜を施した図3における全体の反射率は、誘電体膜表面での反射光とガラス基板上での反射光の干渉により決まり、誘電体膜の屈折率に応じて反射率は変わります。

図3 誘電体膜付きガラス基板の反射

図3 誘電体膜付きガラス基板の反射

図4に、ガラス基板の屈折率n1=1.5、誘電体膜の光学膜厚を波長λの1/4としたときの全体の反射率Rを示します。図4から、誘電体膜の屈折率n2がガラス基板の屈折率n1よりも大きいときは全体の反射率Rはガラスの反射率より大きくなり、誘電体膜の屈折率n2がガラス基板の屈折率n1よりも小さいときは全体の反射率Rはガラスの反射率より小さくなることが分かります。

図4 誘電体膜付きガラス基板の反射率

図4 誘電体膜付きガラス基板の反射率