島津製作所 SHIMADZU

食を起点に、できるだけ多くの人が健康に、幸せになる社会へ

食品機能性成分解析共同研究ラボ(NARO島津ラボ)

農研機構 山本(前田)万里先生

世界的にヘルスケア市場が急速に拡大する中、食品に含まれる「機能性成分」は、これからますます重要になってくると考えられています。この、「機能性成分」を農作物や市販される食品、外食産業のメニューなどから簡単に摂れるようになれば、よりみんなが健康に近づくことができる、そんな夢を描き、実現に向けて国のプロジェクトを牽引するのが、日本の機能性成分研究の第一人者である、農研機構(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)の山本(前田)万里先生です。

農研機構と島津製作所は、山本先生のプロジェクトの中で、これまで圧倒的に不足していた「機能性農産物」に関する科学的エビデンスを蓄積し、それを新たな品種の開発(育種)や、食品メーカーや外食産業などによる新製品の開発につなげていくことを目的に、2019年8月より、KYOLABSに「食品機能性解析共同研究ラボ(NARO島津ラボ)」を設置しています。

食品機能性解析プロジェクト 全体イメージ

いわば、「『食による健康』のモノサシづくり」

NARO島津ラボの役割は、前述の「食から健康、そして幸福へ」を実現するために、400品目に及ぶ農産物に含まれる機能性成分について、その成分情報を蓄積することです。今回の研究では、農研機構が育成した様々な農産物の品種について、栽培履歴を明らかにしながら育て収穫された作物を、常駐の農研機構の研究者である十一研究員と市来研究員が、日々分析し、データを採取しています。このデータが、農研機構で新たな品種の開発や栽培技術向上へ活かされ、機能性農産物となって、やがて皆さんの食卓に届くことになります。

農研機構の市来研究員(左)と十一研究員(右)

また、昨今は機能性成分を含む食品や飲料も多く開発されていますが、食品メーカーさんでの研究開発や製造工程では、意図する成分が必要量含まれているかを確認する作業が必須です。その際に簡便に分析できる手法を、NARO島津ラボでの分析手順から確立することを目指しています。様々な効能が期待される食品の機能性成分の、まだ確立していない「科学的エビデンス」が、まさにこのラボでの研究活動から生み出されようとしています。

ここで得られる成分情報と分析手法が活用された農産物や食品で、皆さんが健康に近づく、そんな未来をぜひご期待ください。

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