島津評論 Vol.77[3・4](2020)
特集 食の安全と食による健康

特集論文

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構と島津製作所との協業
“食を通じた社会貢献とイノベーション創出に向けた活動”

堅田 一哉1山本(前田)万里2

島津評論 77〔3・4〕 115~124 (2021.3)

要旨

国内外における生活習慣病の増加,高齢化社会,昨年からの新型コロナウイルス感染症の拡大などさまざまな社会課題が取り巻く現代において,健康に良い食はきわめて有望な市場とされている。
一方,日本各地の農業現場でも「競争力強化のため,健康維持・増進に役立つ農林水産物・食品を開発したい」という動きが強まっており,国も地方創生における農業・食品産業を振興し,今後輸出拡大を目指す動きも出てきている。
これら社会背景,市場動向を踏まえ島津製作所は2016年から国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構と"食を通じた社会貢献とイノベーション創出"を目的とした連携・協業を推進してきた。
本稿では国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構との協業に至った経緯と取り組み中の研究内容,今後の展望,また協業の意義について述べる。


1分析計測事業部営業統括部 産学官・プロジェクト推進室
2国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門博士(農学)

*島津評論に掲載されている情報は、論文発表当時のものです。記載されている製品は、既に取り扱っていない場合もございますので、ご了承ください。