シンプルなのにハイスペックな小型MS -LCMS-2050-

潜在ニーズを掘り起こす 視点の違うアプローチ

社内外から熱望されていた小型MS(質量分析計)が2022年、ついに登場した。高速液体クロマトグラフ質量分析計「LCMS-2050」である。日々お客様の元へ足を運んでいる営業たちも、登場に大いに沸いたこの新製品をどのように捉え、販売しているのか。装置の提案で社会貢献を担いたいと願う彼らの、趣向を変えたアプローチに懸ける思いを聞いた。

過去に類を見ない、熱を帯びたプレゼン

過去に類を見ない、熱を帯びたプレゼン

鈴木 大夢

新しい装置を発売するタイミングにあわせて、島津では営業に向けた新製品説明会を行っている。製品のスペック、特徴、新しい機能などをお客様にきちんと案内し、販売へとつなげるためだ。LCMS-2050の発売前にも同様に行われたが、いつものそれとは様子が違っていたと名古屋支店の鈴木大夢はいう。

「プロダクトマネージャーが開口一番に、『みなさん、ものすごい製品が出ましたよ』と言われたんです。聴く側も、ぐっと引き込まれたところで『今日はこれだけ覚えて明日からすぐにPRしてください』と続き、ワクワクしたのを覚えています」

当時入社2年目だった鈴木は、LCMSにそれほど詳しくはなかった。それでも「買う以外の選択肢はないのではないかと思うほどのスペックに衝撃を受けた」と振り返る。

「資料の1枚目に“すべてを凌駕するすごい製品”と書いてあったことに、かなり驚きましたが、本当にその通りでテンションが上がりました」と語るのは、営業歴16年、横浜支社の南口淳佑だ。「お客様に提案しに行くのが、こんなに楽しみな製品にはなかなか出会えないです。営業として自信をもって売れるというのは、何より強い」

かくして、LCMS-2050の特徴は営業たちに熱く語られた。その場に同席していた技術陣のプレゼンテーションの熱量が半端でなかったこともまた、この製品に懸ける思いの表れといえる。

“困りごと”にフォーカスする意義

製品の特性をお客様に伝える方法の一つに、お客様向けセミナーがある。LCMS-2050のリリースのタイミングで行うウェブセミナー(ウェビナー)の企画を、南口はいつもとは違う切り口で考えていた。担当する化学分野のお客様などでは、従来のMSに期待されるような定量分析だけなく、合成確認など比較的ライトな用途にも使われだしており、LCMSの裾野の広がりを日々感じていたからだ。

「感度が良くスピードも速いので、分析能力が高い。これがお客様のニーズを満たせることはわかっていますが、“LCでちょっと困っていたことを、誰でも簡単に使えるこのLCMSなら解決できる”という点にアプローチしたかったのです」

“困りごと”にフォーカスする意義

南口 淳佑

性能を前面に打ち出すのではなく、お客様の「困りごと」や「使いやすさ」にフォーカスしたセミナーにする――この信念のもと、講師役の技術者に細かな文言や話の流れ、順番に至るまで何度も修正をお願いし、打ち合わせを重ねた結果、今までにない切り口の内容に仕上がった。これがわかりやすいと評判を呼び、横浜支社企画のセミナーを全国のお客様に向けて開催することになった。

「私も担当するお客様にご案内し、参加していただきました。評判がよかったのは、“LCで抱えているお悩みを解決します!”というアプローチがヒットしたからではないでしょうか」(鈴木)

南口らの苦労の甲斐あって集客人数も多く、満足度、評価の高いセミナーになったことは、その後の彼らの営業活動に大きな弾みとなった。

細やかなヒアリングが生む提案力

細やかなヒアリングが生む提案力

鈴木は大学や官庁、受託分析会社を担当しており、長らくLCMS-2020の購入を検討されていたとある研究所のお客様に、一番にLCMS-2050を案内した。すると「これ買います!ほしいです!」と即答が得られたという。

「海外からの研究員も多く、簡単に操作できることを求めておられたので、LCMS-2050はぴったりだと思いました。これまでオプションだったDUIS(デュアルイオンソース)が標準搭載になったことも大きかったです」

LCにはタッチパネルで使いやすい一体型LCシステム i-Seriesを提案。「MSは島津製のLCであれば基本的にどの機種にも接続可能で、この点もセールスポイントです」

南口は、LCのみを使用、もしくはMSを使用してみたいけれどハードルを感じているお客様への提案を積極的に行っている。

「LCMSは高性能、高感度分析に使用すると思われがちですが、実はLCでは面倒、手間なことを解決できたりもするのです。普段LCをどんな風に使い、どんな分析をされているか細かくヒアリングすると、お客様も気づいていない「困りごと」を解決できるご提案につながると思っています」。そういう特性がLCMS-2050にはある、と南口は力強く語る。

「より多くの研究の幅を広げるための装置として、LCMS-2050が貢献できればうれしい」と語る鈴木。装置の提案を通して、社会に貢献することは営業たち皆の願いだ。南口はさらに働き方の面でも貢献できると考えている。「分析は時間がかかることも多くありますが、この装置は立ち上がりが速く、設定も数分でできます。分析者の働き方も変えられるのでは」

お客様に近い彼らだからこその視点と確かな製品力で、世の“ありよう”が変わる日も遠くないだろう。

LCMS-2050

LCMS-2050は究極のLC検出器を容易に使用できるように、装置デザイン・装置制御・分析データ解析のすべての面において妥協がありません。 

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