陸域では、温室効果ガスや有機炭素、残留農薬、有害元素など、さまざまな環境成分の分析が求められています。島津は、分析計測機器を通じて、気候変動対策や土壌・生態系の保全に貢献しています。
農業分野での、温室効果ガス測定
農業分野では、気候変動に関わる温室効果ガス(GHG)の削減に向けた研究が進められており、複数のGHGを同時に測定できるガスクロマトグラフ(GC)の需要が高まっています。
「温室効果ガスアナライザー」は、GHGを測定するためのGCで、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)の3成分を同時に測定できます。グリーントランスフォーメーション(GX)の研究で求められる精度と業務効率の高いGHGの分析が実現可能です。

TOC固体試料測定システムによる 土壌・堆肥の全炭素量測定
土壌や堆肥に含まれる有機物は、微生物による分解を通じて土壌の状態を改善し、作物の成長を助けます。そのため、有機物炭素量の測定は植物の健全な育成を評価する指標となり、全有機体炭素測定装置と固体試料燃焼装置を使えばその炭素量を効率的に測定できます。

残留農薬の分析
農業で使用された農薬は、成分によっては土壌中に残留しやすく、生態系および食糧に残留することが懸念されます。残留農薬物質の多成分一斉分析には、ガスクロマトグラフ質量分析計および液体クロマトグラフ質量分析計が用いられています。

土壌中有害元素の溶出量分析
人の活動によって土壌が汚染されると、地下水や直接接触を通じて健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、日本では土壌汚染対策法により、有害物質の調査と管理が義務づけられています。
ICP質量分析計は、こうした有害元素を高感度・高精度で測定できる技術として、土壌汚染の評価に活用されています。
