大気では、工場や車の排出ガスが原因で発生する大気汚染が問題となっており、発生源や大気中の汚染物質のモニタリングが重要です。島津は、分析計測機器を通じて、大気環境の保全に貢献しています。
揮発性有機化合物(VOC)の分析
空気中に存在するVOCは、大気汚染の度合いを表す尺度として、工場、市街地、室内環境など様々な環境下でモニタリングされています。これらは人の健康だけでなく、生態系や生物多様性にも影響を与えることがあります。加熱脱離ガスクロマトグラフ質量分析計(TD-GC/MS)システムを用いる方法は、大気中VOCの代表的な分析手法です。

アルデヒド類などの分析
大気中アルデヒド類は、大気汚染の原因となる有害物質で、継続的に摂取された場合には人の健康を損なう恐れがあり、その分析は大変重要となります。また、アルデヒド類はシックハウス症候群の原因物質として、室内環境における測定対象にもなっています。これらの物質の分析には液体クロマトグラフが使用されています。

大気中微小粒子状物質(PM2.5)の分析
PM2.5は、粒径2.5μm以下の浮遊粒子のことで、人の肺の奥深くまで入りやすく健康への影響も大きいと考えられています。大気汚染防止法に基づき各種分析計測機器を用いて、PM2.5の成分分析が行われています。
- 多環芳香族炭化水素類(PAH)
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超高速液体クロマトグラフ
- 水溶性有機炭素(WSOC)
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全有機体炭素計
- イオン成分
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イオンクロマトグラフ
- 無機元素成分
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エネルギー分散型蛍光X線分析装置