設立50周年を迎えた米国グループ会社
「Shimadzu Scientific Instruments」の歩み
米国における当社の計測事業を統括しているShimadzu Scientific Instruments(SSI)は、今年で設立50周年を迎えました。
SSIが担当する北米地域には、製薬・バイオテクノロジー分野に強みを持つ教育機関や企業が研究・製造拠点が多く集まります。最先端の研究現場で、SSIは一つひとつの要望に向き合いながら、確かな信頼を積み重ねてきました。ここでは、半世紀にわたるSSIの歩みをご紹介します。
設立当時のSSI本社
5人から始まった北米市場への挑戦
1975年、米国市場への理化学機器の販路拡大を目的として、SSIが設立されました。本社が置かれたメリーランド州コロンビアは、政府機関が多く集まるワシントンD.C.に近く、物流網が豊富な利便性の高い街です。設立当時の従業員数は、現地で採用された2名を含めわずか5名。小さな一歩からのスタートでした。
販売拠点として始まったSSIは、製造や顧客サポートにも事業を広げていきます。1983年、新たに構えた社屋で分析計測機器の製造を開始。1994年には、顧客サポート体制の拡充を目的にカスタマートレーニングセンターを開設しました。その後、製造機能はグループ会社Shimadzu U.S.A. Manufacturing Inc.(SUM) へ移管して、SSIは販売とサービスに特化する体制となりました。現在、SSIは全米に設けた10の地域オフィスから顧客ニーズに寄り添った販売・サービスを提供しています。
1983年に新社屋で現地生産を開始した
販売拠点から世界をリードする研究拠点へ
北米地域は先端研究が盛んなエリアです。顧客の高度なニーズに迅速に応えるためには、教育機関や企業の研究者との連携が欠かせません。SSIは事業の拡大とともに、研究開発体制も強化してきました。
2014年には「ソリューションセンター」を開設し、顧客の活用シーンに合わせた技術や使い方(アプリケーション)の共同開発に注力しています。2015年に開設した「イノベーションセンター」では、大学や政府機関、企業と連携して食品・医薬・環境分野における共同研究を推進しています。

現在のSSI本社

ソリューションセンター内観
さらに2024年には、より現地のニーズに寄り添った製品を開発するため「R&Dセンター」を開設しました。 メリーランド州の開発本部に加え、バイオテクノロジー企業が集積する西海岸(サンフランシスコ近郊)や、教育機関や医薬関連企業が多く集まる東海岸(ボストン近郊)に拠点を構えています。顧客の声をより正確に捉えて、スピード感のある製品開発を目指しています。
2024年に開設したR&Dセンター
地域とのつながりと教育支援
この50年の歩みの中で、SSIは地域とのつながりや教育支援にも力を注いできました。教育機関支援プログラム「Shimadzu Partnership for Academics, Research and Quality of Life (SPARQ)」では、提携先の大学へ当社の最先端分析機器を提供しています。学生が先端技術に触れる機会を創出するとともに、地域の企業や組織の研究活動を支援しています。このような取り組みを通じて、次世代の人材育成や地域コミュニティの活性化にも貢献しています。
2021年、米国ウォルシュ大学と共同で分析センターを開設
パートナーとともに祝う、50周年
大きな節目である50周年を記念して、様々な企画やイベントを行っています。5月6日から7日、社内会議とあわせて従業員向けイベントが開催されました。
設立当時5名だった従業員は、現在570名以上に
6月5日には、メリーランドサイエンスセンターで記念イベントが開催されました。メリーランド州のAruna Miller副知事やハワードカウンティ郡のCalvin Ball郡執行官をはじめ、多くのパートナーや関係者、従業員が集い、お互いへの感謝と未来への熱意を分かち合いました。
イベント当日、SSIが所在するハワードカウンティ郡によって、6月5日が「SSIの日」として制定され、認定証明書が贈られました。
50周年記念イベントと認定証明書の授与(01:20~)の様子
SSI社長のPatrick Fromalは、次のように話します。
新たな未来に向けて、私たちは大きな希望と志を胸に歩み出しました。これからの50年には、想像を超える可能性が広がってます。私たちは科学と技術の限界に挑み、社会の発展に貢献し続けます。
