新型コロナウイルス唾液PCR検査法の確立
北海道大学病院 豊嶋崇徳教授からのメッセージ

北海道大学病院 検査・輸血部部長 豊嶋崇徳教授

北海道大学病院 検査・輸血部部長 豊嶋崇徳(てしま たかのり)教授は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を抑制するため、当社が開発した新型コロナウイルス検出試薬キットを使用し、唾液をサンプルにしたPCR検査の有効性を立証しました。

当社は、豊嶋教授をオンラインで取材しました。

※ 本記事内における人物の所属団体および肩書等の情報は、インタビュー実施時点(2020年8月)のものです。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するために

北海道は日本でもっとも早く感染拡大が起こった自治体です。4月の半ばには道内の病院で治療を受ける現在感染者数が100人を超え、医療崩壊の可能性がありました。

当時のPCR検査は、医療従事者がスワブと呼ばれる綿棒で患者さんの鼻の奥の粘膜をぬぐって検体を採取していました。PCR検査にあたる人員が足りず、マスクや防護服が不足する中、この方法は患者さんのくしゃみや咳による感染リスクを伴います。

そのような状況下で、教授は、世界でも類を見ない規模の調査を実施して、唾液による検査方法の確立に取り組みました。

豊嶋崇徳教授をオンライン取材

「大規模検査は非常に大きな一歩となった」と振り返る豊嶋崇徳教授

教授は、唾液はスワブに比べて検体の採取が簡単で、口腔ではつねにフレッシュな検体が得られるというメリットについて語っています。

検体採取のイメージ 鼻咽頭の粘膜

鼻咽頭の粘膜:くしゃみや咳が出やすく、検体採取者の感染リスクがある。医療従事者は厳重な防護服が必要。

検体採取のイメージ 唾液

唾液:スワブ検査に比べ、安全で簡単に検体を採取できる。自己採取も容易。

図:新型コロナウイルス検査の検体採取方法(インタビューに基づき作成)

豊嶋崇徳教授からのメッセージ

教授は、新型コロナウイルス感染症とその検査体制について、「まずは誰もが感染する可能性があるということを肝に銘じてほしい。明日は我が身なのです。だからこそ、一人感染者が発見されたら、周囲の人がただちに検査を受けられる体制が整えられるべきなのです」と話します。

企業に対しても、「信頼できる技術を確立し、革新を進めてもらいたい」と期待をかけていました。

当社としては、新型コロナウイルス感染拡大の防止に引き続き努めるとともに、製品や技術が事態の終息に貢献できるよう取り組んでまいります。

感染拡大抑制のカギを握る唾液PCR検査法の確立 医療崩壊を瀬戸際で食い止めた、ある「失敗」

このインタビューの詳細はこちら

新型コロナウイルス感染症に対する島津グループ社員からのメッセージ

 

URLをコピーするタイトルとURLをコピーしました
他の記事も見てみる