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2021年3月1日 | プレスリリース 頭部と乳房の検査に特化した、世界初のTOF-PET装置を発売
脳腫瘍、てんかん、乳がんなどを高精度に、アルツハイマーなど認知症の研究にも貢献

TOF-PET装置「BresTome」 左写真は頭部モード、右写真は乳房モード。操作ボタンで切り替えて使用する。

TOF-PET装置「BresTome」
左写真は頭部モード、右写真は乳房モード。操作ボタンで切り替えて使用する。

島津製作所は、頭部・乳房の機能画像を提供する、新型のTOF-PET装置「BresTome(ブレスト―ム)」を
3月1日から国内で発売します。普及している全身用PET装置に比べ解像度が2倍に向上しました。保険適用されている脳腫瘍やてんかんの臨床診療*1に加え、アルツハイマー型認知症(以下AD、日本の臨床では保険未適用)をはじめとする各種神経変性疾患の診療応用を支援します。さらに、病気の兆候を早期発見して発症や進行の遅延を目指す脳研究に貢献します。
操作ボタンで本装置の検出器ホールを頭部用または乳房用に切り替えて使用します。乳房のPET検査では、これまでに販売してきた乳房専用PET装置「Elmammo Avant Class」で蓄積してきた乳腺外科領域での経験を活かし、臨床診療をさらに支援します。

  • *1:本装置の単独使用は、全身PET装置との併用が明らかに不要な場合に限る
  • PET(Positron Emission Tomography)陽電子放射断層撮影法。がん細胞が正常細胞よりも数倍以上多く代謝するグルコースにフッ素18という放射性同位元素を標識した薬剤を投与することで各種がんを画像化する方式です。また最近では、ADの主な原因物質であるとされるアミロイドβの脳内蓄積を画像化し、その量を計測する手法としてアミロイドPETが脳脊髄液の検査とともに広く容認されています。TOF-PETはTime of Flight技術により高精細なPET画像を実現します。

医用・分析技術の連携

当社は2020年12月に、「血中アミロイドペプチド測定システム Amyloid MS CL」(以下、「アミロイドMS CL」、未発売)が管理医療機器(クラスⅡ)としての承認を取得しました。リバランス通知*2に基づく、「診断の参考情報となりえる生理学的パラメータを測定する診断機器」としての承認となります。今後は、血液分析という分析計測技術と、PET画像診断という医用技術で連携することで、各種認知症の予防方法の確立、臨床診断研究、創薬研究などに貢献してまいります。

  • *2:「アミロイドMS CL」が出力するバイオマーカー値の臨床的意義は評価されていません。本製品による検査を実施する際には、関連学会の策定した適正使用指針を順守することが求められます。

新製品の特長

1. 脳機能の検出性能が格段に向上

最新の半導体検出器を採用した近接型(直径30cm)の検出器ホールを備えています。全身用PET装置(検出器ホールは直径約80cm)に比べ、高感度、高スループットで検査が行え、脳内の薬物動態を高精細にとらえます。乳房検査では、乳房専用PET装置と同等の高精細画像を提供し、胸壁近くまで撮像できます。

2. 世界初、頭部検査専用装置と乳房検査専用装置が一体に

検出器ホールを移動させることで、頭部検査と乳房検査のいずれにも対応できます。頭部と
乳房に特化し、1台で両方に対応できる、世界初のPET装置です。

本装置のプロトタイプ機で共同研究を行っている近畿大学放射線医学教室の石井一成教授から
コメントをいただいています。

本装置は頭部専用PET装置としては世界初の実用機としてその高い分解能を得ることができま
す。一般的なPET-CTとは異なる装置原理については共同研究の中で追加検証中ですが、今後増加する脳PET検査需要に応える画期的な装置となるものと考えられます。乳房専用機としては従来機より広い範囲で撮像でき腋窩リンパ節も撮像可能で臨床使用で大きな期待ができます。

名 称 TOF-PET装置「BresTome」

【製造販売承認番号】(医療用)

30200BZX00329000 TOF-PET装置 BresTome

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