2026年3月5日 | お知らせ
MALDI質量分析法による遺伝子治療用ベクターのセロタイプ同定法を開発
共同研究の成果が国際学術誌「Analytical Chemistry」に掲載
大阪大学大学院工学研究科、島津製作所および医薬品開発業務受託機関(CRO)である株式会社ユー・メディコ(本社:大阪府箕面市)の研究グループは、MALDI質量分析法※1を用いて、遺伝子治療に用いられる「ウイルスベクター」である組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)のセロタイプ(血清型)を高精度で同定する手法を開発しました。従来、セロタイプの同定には酵素免疫測定法(ELISA)が用いられていたものの、測定結果のばらつきが課題となることがありました。
本手法の実現性検討は、同定が難しいとされている変異体を含む7種類のセロタイプを持つrAAVを当社製MALDI-TOFMS(マトリックス支援レーザー脱離飛行時間型質量分析計)「MALDI-8020」によって実施されました。本研究は大阪大学・島津分析イノベーション協働研究所(吹田キャンパス)が支援し、当社から派遣された社員(博士後期課程在籍)※2が研究の中心を担いました。島津製作所およびユー・メディコは今後、本手法を採用したMALDI-TOFMSシステムの開発に取り組みます。研究成果は、米国科学誌「Analytical Chemistry」に3月1日(日本時間)に公開されました。
- ※1 MALDIは当社エグゼクティブ・リサーチ フェローである田中耕一のノーベル化学賞の受賞理由となった技術で、マトリックス(イオン化補助剤)を混ぜた試料にレーザーを照射し、タンパク質など高分子化合物を壊さずイオン化します。
- ※2 社員を2~3年、博士課程後期課程に派遣して大学との共同研究に従事させる「REACHプロジェクト」対象者。修士課程修了時の学生を当社で採用して、そのまま派遣するケースもあります。
論文情報
| タイトル | : | Identification of Recombinant Adeno-Associated Virus Serotypes by Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Mass Spectrometry |
| 著者 | : | 中塚遼治(島津製作所、大阪大学)、松本顕治郎(ユー・メディコ)、劉宴男(大阪大学)、武田公利(ユー・メディコ)、津中康央(大阪大学)、山口祐希(大阪大学)、内山進(ユー・メディコ、大阪大学) |
| 掲載誌 | : | Analytical Chemistry |
| DOI | : | Identification of Recombinant Adeno-Associated Virus Serotypes by Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization Mass Spectrometry | Analytical Chemistry |
関連リンク
https://www.shimadzu.co.jp/labcamp/index.html
https://www.shimadzu.co.jp/news/2023/9si7tg3j1j7uk70q.html
https://www.shimadzu.co.jp/boomerang/51/08.html
https://www.shimadzu.co.jp/news/2024/iqptjs14ylcfruio.html


