大熱戦の「科学の甲子園ジュニア全国大会」
「SHIMADZU賞」獲得は埼玉県チームに

第12回 科学の甲子園ジュニア全国大会

島津製作所と理化教育事業などを手掛ける株式会社島津理化は、2024年12月13日~15日に兵庫県姫路市の「アクリエひめじ」で開催された「第12回 科学の甲子園ジュニア全国大会」に協賛しました。

主催する国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)は、理科・数学などの競技に協働して取り組み、全国の中学生が科学の楽しさ・面白さを知り、科学と実生活・実社会との関連に気付き、科学を学ぶ意義を実感できる場を提供するため、同大会を開催しています。

社是「科学技術で社会に貢献する」を掲げる島津グループは、その開催目的に共鳴して高校生参加の「科学の甲子園」(2012年開始)および中学生参加の「科学の甲子園ジュニア」(2014年開始)の両大会を設立当初から支援してきました。

 

会場は「甲子園球場」さながらの熱狂と興奮

大会がスタート

「開幕!」という、子ども達の元気な声で3日間の大会がスタート

第12回となるジュニア大会には予選から2万5000人以上の中学1~2年生がエントリーして、47チーム282名が全国大会へと駒を進めました。その多くが近隣の学校同士による合同チームです。

意外にも科学やものづくり系の部活動の生徒は少数派で、普段は運動やその他の文化系の部活に所属している生徒が多いそうです。声を掛け合いながら工作に挑んだり、実技競技での“ファインプレー”には笑顔でハイタッチを交わしたり、家族や友人が固唾を飲んで見守る中、時に熱狂と興奮、そして悔し涙──。サイエンス好き中学生たちが日本一を目指して戦った空間は、まさに「甲子園球場」そのものでした。

競技では「科学は実学」という言葉を実感

チームで協力しながら筆記試験に挑む

チームで協力しながら筆記試験に挑む

科学の甲子園ジュニアの全国大会では、筆記競技と実技競技が行われます。前者は「理科・数学などの複数分野において、実生活・実社会との関連・融合領域に配慮した出題とし、生徒の習得済みの知識に加え、競技に必要な新たに示された情報を統合」した問題が出題されます。この筆記競技の問題は、社会人からみても非常に高度な難題ばかりです。

ただ、いわゆる「机上の学問」と異なり、地球環境や社会にリンクする問いが多いのが特長です。島津製作所の初代社長である二代島津源蔵が残した「科学は実学である。人の役に立たなければ理論だけ知っていても意味がない」という言葉にも通じそうです。

全国大会の過去問題はJSTのウェブサイトで公開されています。関心のある方はぜひ挑戦してみてください。

競技中の様子

物理の法則を実感しながら競う「スロープ・バンプ・ジャンプ!」

実技競技では、3人1チームで実験や工作などに取り組みます。各競技の合計点数によって優勝チームが決まり、今年度は茨城県チームが優勝しました。また、総合成績のほかに競技ごとの成績上位チームが表彰されます。

島津製作所および島津理化は、実技競技2「スロープ・バンプ・ジャンプ!」で第1位に輝いた埼玉県チームに「SHIMADZU賞」を贈呈しました。

同競技は斜面を降りる台車がストッパーにぶつかる勢いを利用して飛行物体を遠くまで飛ばし、その飛距離を競います。使える材料・工具類、スロープの角度などはあらかじめ決められており、中学生たちは3人1組で事前に検討した設計通りに工作に取り掛かります。

工作中の様子

モノづくりの要素も結果に大きく影響する

豊富な事前準備がはっきりとうかがえるチーム、上級生が後輩を励ましながら仲良く工作するチーム、素晴らしいアイデアを持ちながらものづくりで苦戦したチームなど様々。作り上げる飛行物体も、弾みやすいボールや紙飛行機の射出型、ボーガン型まで多種多様。大記録が出るたびに拍手喝さいが起きて、制作開始から試技終了まで3時間にもかかわらず最後まで非常に盛り上がりました。

「SHIMADZU賞」を獲得した埼玉県チーム(埼玉県立伊奈学園中学校と川口市立高等学校附属中学校の合同チーム)は弓矢型でした。ひときわ目を引く飛翔に加えて、その構造にも大きな注目が集まりました。

当社の協賛企業展示

島津理化の展示ブースに優勝チームのメンバーも訪れた

島津理化の展示ブースに優勝チームのメンバーも訪れた

競技後は協賛企業各社のブースに全国大会に参加した中学生たちが訪れて、交流・歓談の時間となりました。島津理化・島津製作所のブースでは島津理化の「力学台車 スマートカート」などを展示しました。内蔵センサーで力や位置、速度、加速度などを計測できるカートで力学(力の作用・反作用など)を学ぶことができる実験セットです。

引率の先生には「島津ぶんせき体験スクール」もご案内しました。例年、「科学の甲子園ジュニア」の都道府県選考は7月頃にスタートします。全国の科学好き・ものづくり好きの中学生の皆さま、ぜひ姫路でお会いしましょう!

 

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