基本姿勢
私たちはグローバルに展開するメーカーとして、多くのお取引先からの調達を行っています。調達は事業活動の基盤を支えるものであると位置付けており、「共生とEQCD(環境・品質・価格・納期)」を取引の基本とし、公正な取引、取引先とのパートナーシップの構築、CSR調達の推進を調達方針としています。社会的責任を尊重するお取引先からの調達を行うことを定め、自社のサプライチェーンのすべてにおいて人権の尊重、環境負荷低減に努めています。
原則

1. 公正な取引
私たちは、法令を尊守し、公正かつ透明な取引を行います。

2. 取引先とのパートナーシップの構築
私たちは、適正な品質・価格・納期で供給できる取引先を選定し、パートナーシップを構築します。
取り組み
CSR調達の取り組み
製品含有化学物質規制などの各国法規制に対応するため、環境負荷の少ない原材料を優先的に購入するグリーン調達に積極的に取り組んでいます。非含有保証書の取得、取引先RoHS監査、調達品のサンプリング成分分析を3本柱として実施するとともに、紛争鉱物や各国奴隷法、SDGsなどの取り組みに理解を深めていただく説明会を毎年実施しています。また、事務用度品に関してもグリーン調達率を毎月モニタリングしているほか、2019年9月よりグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのサプライチェーン分科会に参加しています。そのほか、島津協力会会員企業向けに、環境セミナーの開催や廃プラの共同回収、省エネ診断など、取引先の環境活動の推進を支援しています。
国内仕入先 監査社数 |
746社/794社(実施率94%)
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非含有保証書 取得率 |
100% (対象数95,600品目)
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サプライチェーン全体で取り組む人権侵害の排除
調達方針にお取引先で遵守いただく内容を「CSR調達の推進」としてまとめ、サプライチェーン全体で人権尊重のために社会的責任を果たしていくことを明らかにするとともに、全お取引先に書面により周知し、その遵守を要請しています。
また、国内外のお取引先に対し、人権尊重のための取り組みや事業活動における人権侵害の有無を確認する調査を実施しています。この調査で、児童労働や強制労働などの問題が確認された場合は速やかに是正を求めます。調査を継続して実施することで、事業活動およびサプライチェーンにおける、児童労働、強制労働や人身売買のような人権侵害への加担がないことを確認していきます。
紛争鉱物への対応方針策定と取り組み
紛争鉱物※について定めた「島津製作所グループ紛争鉱物対応方針」により、製品の構成部品や原材料に紛争鉱物が含まれていると判明した場合、関係するお取引先と協議し、直ちにその使用を中止するなど適正に対処します。なおコンゴ民主共和国およびその隣接地域から産出された紛争鉱物を全て使用しないのではなく、同地域において武装勢力の資金源などになっていない、適法に取引された紛争鉱物(DRCコンフリクト・フリーと判断される場合)は使用します。
また経済協力開発機構(OECD)の紛争鉱物デュー・ディリジェンス・ガイダンスに従った取引管理を行うことや、RESPONSIBLE MINERALS INITIATIVE(RMI)による紛争鉱物管理のためのレポートフォームCMRTを利用した精錬所調査を実施することで、サプライチェーン全体での把握および使用回避のための取り組みを進めています。
- ※紛争鉱物とは、金、スズ、タンタル、タングステンの4種の鉱物、または、コンゴ民主共和国およびその隣接9カ国で採掘され、武装勢力の資金源になると認めた鉱物をいいます。
調達部品・資材等のRoHS禁止物質を分析
お取引先から調達するRoHS対応済みの部品、組立品、および副資材について、適宜サンプルを選定し、当社のRoHS分析室にてRoHS禁止物質の含有量を分析しています。2019年2月には、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を増設し、強化を進めています。なお、RoHS分析室は、社外からの見学希望を受け入れ、GC-MSを使った分析ノウハウを公開しています。
分析実施済 サンプル数 |
RoHS禁止6物質について10,000品目、追加禁止4物質について3,000品目
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Modern Slavery Act2015(現代版奴隷防止法)への対応
私たちは、奴隷労働や人身売買に反対し、国際的に宣言されている人権を認め、事業活動を行っています。
「Modern Slavery Act2015(現代版奴隷防止法)」への対応も毎年、年度ごとの取り組みおよび今後の取り組み予定を声明として開示しています。
2018年度については2019年8月に声明を開示しました。また、2019年度以降についても、毎年開示する予定です。現時点では私たちの調達活動において、児童労働や強制労働などの問題が確認された事例はありませんが、確認された場合は速やかに是正を求め、人権を尊重した事業活動に継続して取り組んでいきます。
お取引先への説明会
調達活動における人権の尊重、環境負荷低減を推進するためには、サプライチェーンの中心となる、お取引先とのパートナーシップが不可欠です。取り組み内容の理解を深めていただくため、毎年お取引先への説明会を京都と東京の2会場で開催し、500社を越すお取引先に参加いただいています。
2018年12月には島津協力会の事業として、SDGsの活動に積極的に取り組まれ、新・ダイバーシティ経営企業100選に選ばれている先進企業をゲストスピーカーにお招きし、SDGs勉強会を開催しました。また、2019年5月の島津協力会総会では、労働基準監督署より働き方改革関連法のポイントを解説いただくセミナーを開催しました。
また、当社ではCSR調達の推進の一環で、お取引先へのアンケートを実施しております。このアンケートには、環境保全・人権などのテーマが含まれており、アンケート調査結果を分析・評価したうえで、お取引先の選定や改善活動に役立てております。

お取引先への説明会
【前回アンケートについて】
- 対象:お取引先1,236社(国内外)
- 取組み:「CSR調達の推進の要請」を書面で送付し、併せて「CSRに関するアンケート」調査を実施。
- 結果:933社から回答を受領
- アンケート後の取組み
アンケート結果を受け、グリーン調達説明会で現代版奴隷防止法に関する説明内容を充実、新規口座開設時のCSR調査票の運用、継続取引先評価にCSR評価項目を追加、お取引先との取引基本契約書に人権に関する条項を追加し改定などを行っています。
(参考)当社のサプライチェーン全体像