低迷光回折格子[ローレライ®

Low Stray Light Diffraction Gratings

Low Stray Light Diffraction Gratings LO-RAY-LIGH

低迷光回折格子[ローレライ®]は、回折格子の生産工程において、従来からの島津保有のホログラフィック技術に新たに独自の工法を開発し、さらに、エッチング工程を最適化する事により、高効率でありながら極めて迷光の低い回折格子の製造に成功しました。この回折格子は、当社独自のレーザ式迷光測定方法により、0次光と+1次光中間位置での回折格子の迷光値を保証した低迷光回折格子です。

特長

1.ローレライは、当社従来品の半分以下の低迷光値特性を持った平面回折格子です。

代表的な迷光値比較 

レーザ式迷光測定装置

2.ローレライの1次光近傍光強度の比較データ。

代表的な1次光近傍強度比較

レーザ式1次光近傍光強度測定装置

3.ローレライは、高い相対回折効率特性を持っています。

代表的な相対回折効率データ(ブレーズ波長:1200 nm)

代表的な相対回折効率データ(ブレーズ波長:1800 nm)

改善・用途事例

アプリケーション例:レーザ式迷光測定装置

レーザ式迷光測定装置

レーザ式迷光測定方法

波長473nmのレーザ光を、光学系(エキスパンダ)で拡大し回折格子に照射します。回折格子からは、レーザ波長に伴う回折光(0次光,±1次光 等)が反射します。レーザ光が単一波長のため、回折光は各々独立し離散的な回折光が得られます。
レーザ式迷光測定方法では、回折格子とフォトダイオードを定偏角(2K)に配置し、回折格子を回転させ、0次光と+1次光との中間位置での光強度を検出します。

迷光値とは

迷光値とは、レーザ式迷光測定方法で検出した0次光と+1次光との中間位置での光強度を、入射するレーザ光強度で規格化し算出した値を、『迷光値』と定義します。

低迷光回折格子とは

低迷光回折格子とは、レーザ式迷光測定方法において、偏角(2K)を27°で測定し、回折格子の迷光値を所定の値以下に保証した回折格子です。

フィルタ式迷光測定法との比較

分光光度計(当社製)によるフィルタ-式迷光測定方法と、開発したレーザ式迷光測定方法で、回折格子の違いによる迷光比較を行いました。その結果、左図に示したように、非常に良い相関が得られました。

フィルタ式迷光測定法との比較

アプリケーション例:1次光近傍光強度測定装置

レーザ式1次光近傍光強度測定装置

レーザ式1次光近傍光強度測定方法

波長473nmのレーザ光を、ピンホールを通し回折格子に照射します。回折格子からは、レーザ波長に伴う回折光(0次光,±1次光 等)が反射します。レーザ光が単一波長のため、回折光は各々独立し離散的な回折光が得られます。 レーザ式1次光近傍光強度測定方法では、回折格子とフォトダイオードを定偏角(2K)に配置し、回折格子を回転させ、+1次光近傍の光強度を検出します。この検出した光強度を+1次光の光強度で規格化し算出します。 但し、この測定方法では、スペクトル幅などの測定はできません。

仕様

種別 等間隔直線溝レプリカ回折格子※1
ブランク材質 ソーダガラス
外形寸法許容差 ±0.1(W)×±0.1(H) (mm)
厚さ許容差 ±0.5(T)(mm)
有効領域 外形の周囲2mm を除く全面
溝本数許容差 ±0.5 本/mm
回折波面精度 2λ以内(+1次光, λ=632.8nm)
コーティング Aℓ(アルミニウム)
キズ 80-50(MIL-O-13830A 準拠)
  • ※1:格子溝が樹脂にて形成されているタイプです。
  • ※RoHS指令(10物質)対応品

結露は光学特性を著しく劣化させる要因になりますのでお避けください。
外観及び仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。

外形図

外形図

  • ※外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。

標準品リスト

コード番号 溝本数
(本/mm)
ブレーズ波長
(nm)(※1)
迷光値(※2) 外形サイズ
W×H×T (mm)
LS120-025-3010 1200 250 2 x 10-6以下 30 x 30 x 10
LS120-025-6010 1200 250 2 x 10-6以下 60 x 60 x 10
LS120-050-3010 1200 500 2 x 10-6以下 30 x 30 x 10
LS120-050-6010 1200 500 2 x 10-6以下 60 x 60 x 10
LS120-060-3010 1200 600 2 x 10-6以下 30 x 30 x 10
LS120-060-6010 1200 600 2 x 10-6以下 60 x 60 x 10
LS180-025-3010 1800 250 2 x 10-6以下 30 x 30 x 10
LS180-025-6010 1800 250 2 x 10-6以下 60 x 60 x 10
LS180-050-3010 1800 500 2 x 10-6以下 30 x 30 x 10
LS180-050-6010 1800 500 2 x 10-6以下 60 x 60 x 10
  • ※1:ブレーズ波長は、設計値であり保証値ではありません。
  • ※2:波長473nmのレーザ光を回折格子に入射させた場合、偏角2K=27°の配置で0次光+1次光中間位置で検出した光強度を入射レーザ光強度で規格化した値です。

お探しの回折格子が無い場合はこちら

分光ソリューション

島津の分光ソリューションとは?

島津の技術者が最適な『分光』を提案します