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2019年9月2日 | プレスリリース AIで開発したアルゴリズムによるデータ解析支援
LC-MS/MS向けオプションソフトウェア「Peakintelligence」発売

島津製作所は、9月2日にAI(人工知能:Artificial Intelligence)を用いて開発したアルゴリズムを搭載する、トリプル四重極型液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)向けオプションソフトウェア「Peakintelligence(ピークインテリジェンス)」を国内外で発売します。本製品は、LC-MS/MSと「一次代謝物メソッドパッケージ」もしくは「細胞培養プロファイリングメソッドパッケージ※1を利用する際に、画面上に頻出するピーク※2を自動的に検出します。従来は作業者が目視で確認していた工程をソフトウェアに任せることで、研究現場の働き方改革を実現します。本製品は富士通株式会社、株式会社富士通研究所との共同研究により開発※3しました。

疾患の早期発見や食品の残留農薬の測定など様々な用途で使われる質量分析計は、装置の進化によって得られるデータ量が膨大になっています。そのため装置から取得したデータの解析において「ピークピッキング」※4と呼ばれる作業が、工程のボトルネックになっていました。多数のピークを目視で確認する必要があるため完全な自動化が難しく、長時間になりがちなピークピッキングは大きな業務負担を生んでいます。さらに、人為的なミスや癖により作業者ごとで解析の精度にばらつきが発生するうえに、改ざんが入り込む可能性もありました。医療や創薬などライフサイエンス系の研究現場では「属人性を排除した高精度なピークピッキングの自動化」が喫緊の課題でした。

島津製作所と富士通、富士通研究所は、2016年から共同でAI活用によるピークの自動検出技術を研究してきました。当社が「教師データ※5の不足分を補うデータを生成する技術」を、富士通・富士通研究所が「熟練作業者の解析ノウハウを学習する特徴抽出技術」をそれぞれ担当し、生成した7万件の教師データをディープラーニング(深層学習)機能で学習させました。共同研究を通じて、熟練者の目視・手動での処理に対して、AIは誤検知率7%、未検知率9%という高い精度を実現できたため、このたびの「Peakintelligence」発売に至りました。

オプションソフトウェア「Peakintelligence」は、LC-MS/MSにおけるライフサイエンス分野(一次代謝物、細胞培養)向けですが、対応機種や応用分野を順次拡大していきます。今後もAI技術の研究開発を重ねて、同技術を用いて当社製のあらゆる分析装置ユーザーの業務効率向上を目指します。
 

※1 メソッドパッケージ:
分析条件や前処理手順などを最適化した “ready-to-use”な特定用途の分析に関わる情報を製品として提供するもの。ユーザーの関心の高い分野で実績ある研究者との共同研究で開発しています。
https://www.an.shimadzu.co.jp/lcms/lcmsms_methodpackage.htm

※2 ピーク:
質量分析計で得られたデータ(グラフ)を表す波形(ピーク)。その高さや面積が化合物の存在量を表します。

※3 共同研究:
開発に際し研究者ニーズのインプットと技術的助言を大阪大学大学院工学研究科の福崎英一郎教授、同大学院情報科学研究科の松田史生教授からいただきました。島津製作所と大阪大学は、「大阪大学・島津分析イノベーション共同研究講座」を設置し、メタボロミクスを中心とした分析技術開発と応用を進めています。

※4 ピークピッキング:
ピークの始点と終点を決め、ピークを定義する工程。通常のソフトウェアではパラメータを設定して自動検出を図るものの、一部のピークについては作業者による目視・修正が必要です。

※5 教師データ:
ディープラーニングネットワークの学習に使用するデータ。ネットワークに入力するデータと、それに対して期待される出力を組にしたものになります。本技術の場合は、分析機器の出力データと、それに対応する熟練者のピークピッキング結果を合わせたものになります。

AIで開発したアルゴリズムによるデータ解析支援 LC-MS/MS向けオプションソフトウェア「Peakintelligence」発売

新製品の特長

1. AIアルゴリズムの熟練者並みの解析精度

AIが作り出したアルゴリズム(本製品搭載)と既存ソフトウェアの解析結果を比べたところ、熟練者による解析との一致率は前者が93.8%、後者は87%でした(1サンプルに分析対象の化合物が100種類含まれ、14サンプルを解析した場合)。「ピークインテリジェンス」は、熟練者並みの高精度なピークピッキングが可能です。

2. 解析時間を3分の1に短縮

同じくAIが作り出したアルゴリズムと既存ソフトウェアで、「ピークの自動検出および目視による修正」にかかる時間を比べたところ、上記条件では前者が6.3時間、後者が18.1時間でした。ピークピッキングに要する時間が3分の1になりました。同作業は根気と集中力が要るため、作業者にとっては大きな負担です。「ピークインテリジェンス」をお使いいただければ、研究現場の働き方改革を実現するとともに、ユーザーはより創造的な業務に専念できます。

3. サブスクリプション方式を初採用

当社のソフトウェア製品として初めてサブスクリプション方式を採用しました。1年単位(定価250万円)のライセンス発行となっており、研究計画に応じた柔軟な利用が可能です。90日間のデモライセンスもご用意しています。

名  称 LC/MS/MSメソッドパッケージ 一次代謝物および細胞培養プロファイリング用 Labsolutions Insightオプション「Peakintelligence」
価  格 250万円(税別、1年ごとに更新)

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