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2019年9月3日 | プレスリリース
細胞のクローニング作業を効率化
細胞コロニーピッキング装置「CELL PICKER」発売
島津製作所は、9月3日に細胞コロニーピッキング装置「CELL PICKER」を発売します。本製品は、細胞コロニー※の採取・播種(ピッキング作業)および除去(リムーブ作業)工程を自動化することで、特定の細胞を増殖させる「クローニング」工程の効率化に貢献いたします。「CELL PICKER」は、顕微鏡に取り付ける本体部とタブレット上で動作する専用ソフトウェアから構成されています。標準対応のオリンパス製(CKW-53)および島津理化製(AE2000三眼)の顕微鏡もご用意しました。
従来、細胞のクローニングでは、狙ったコロニーだけをピペットで吸い取って別の容器に移し替える必要がありました。顕微鏡で観察しながらの操作となるため、作業負担は大きく、手作業の習熟も欠かせません。「CELL PICKER」ではタブレット画面に映し出された顕微鏡画像を見ながら、狙いを定めてタブレット上のボタンを押すだけで、誰でも簡単にピッキング作業が可能となります。また、ピッキング前後の顕微鏡画像を自動で保存しますので、工程管理に必須の作業記録にも役立ちます。
島津製作所は、今年4月に発売した細胞培地分析用の自動前処理装置「C2MAP-2030」や細胞培養解析装置 「CultureScanner CS-1」など、iPS細胞やES細胞などの幹細胞を始め、様々な細胞の培養に関する研究開発を支援する製品・サービスを充実させてきました。5月には、iPS ポータル、アース環境サービス、NTTデータ、オリンパス、片岡製作所、大成建設、日立産機システムの7社と「COTO LABOコンソーシアム」を設立し、ライフサイエンス分野における高度な「透明性」「再現性」「効率性」を備えた次世代ラボの開発を目指しています。
9月4日に開幕する「JASIS 2019」では、「CELL PICKER」のデモ展示のほか、多数の細胞培養関連装置群を「Cell Processing Lab」エリアでご紹介する予定です。
※ | 細胞が培養中に集団となって増殖した状態 |
新製品の特長
1. 手作業の2倍の生産性
「CELL PICKER」とピペットによる手作業を比べたところ、コロニー48個のピッキングに要する時間は、画像の記録等の工程を含めて、前者(90分)が後者(175分)の約半分でした。手の震えなどの不安定さを減らして品質も均一に保てるうえに、負担が大きい手作業をなくすことで細胞培養現場の働き方改革を実現いたします。
2. シンプルな操作で作業を記録
ピッキング作業の自動撮影機能が工程管理の“記録係”となります。作業者目線で設計されたタブレット画面は、細胞コロニーの採取から播種までの全工程を分かりやすくサポートします。
3. 小型で省スペース
装置の占有面積が小さく(横600mm×奥行き650mm×高さ500mm、顕微鏡込み)、実験室の限られたスペースにもご導入いただけます。専用の卓上クリーンベンチ(日立産機製、別売り)もご用意しています。
名 称 | 細胞コロニーピッキング装置「CELL PICKER」 |
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価 格 | 220万円~(ソフトウェア込み、税別) |
販売計画 | 発売から1年間で国内外50台 |