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2025年8月26日 | プレスリリース
電磁波を使い非破壊・非接触で水分率をリアルタイムでモニタリング
食品工場向けインライン水分率モニター「MMSシリーズ」を発売
イメージ図:インライン水分率モニター「MMSシリーズ」
島津製作所は、8月26日にインライン水分率モニター「MMSシリーズ」を発売します。本製品は、生産ラインで食品中の水分率を高精度に測定し、食品の品質管理や生産効率の向上に貢献します。電磁波を用いて非破壊かつ非接触で水分率をモニタリングできる製品は、食品業界向けでは初めてです。本製品は、9月3日より幕張メッセで開催されるアジア最大級の分析機器・科学機器の展示会「JASIS2025」に展示される予定です。
MMSシリーズは、電磁波の水分によるエネルギーの減衰差を利用して水分率を計測するシステムです。国立研究開発法人 産業技術総合研究所が開発した水分量を電磁波で簡便に計測する技術※をもとに、当社が製品化しました。食品が流れるコンベアや運搬トレイの上部にセンサーを設置し、食品が通過する際に水分率をリアルタイムで測定します。水分量の低い対象には、上下にセンサーを対向する形で配置し電磁波を透過させることで、高精度な測定を実現します。近赤外線を用いた手法では表面の測定に留まっていた厚みのある生地も計測が可能なほか、既存の生産ライン上に簡単に実装でき、新たな設置スペースの確保は不要です。
食品に含まれる水分は、食感や味わいなど品質に影響します。本製品は生産段階の食品の水分率を瞬時に把握できるため、製品ごとの水分率のばらつきを抑えて品質の均一性を保ち、消費者に対して安心で安全な食品を提供する役割を果たします。また、リアルタイムに高精度・短時間で測定し、検査判定待ち時間に発生する不良品の進行を防ぎフードロスを削減します。
当社は、中期経営計画でインダストリー領域を社会価値創生領域としているほか、プラネタリーヘルス(人と地球の健康)の追求を掲げています。今後も消費者と環境の両方を考慮した製品開発を続け、食がもたらす喜びや持続可能な社会の実現に向けて尽力していきます。
- ※ 本技術については国立研究開発法人 産業技術総合研究所のプレスリリース「農産物の水分量を電磁波で簡便に計測する技術を開発」(2016年12月13日)を参照ください。
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20161213/pr20161213.html
新製品の特長
1. 高精度かつ迅速な非破壊・非接触測定
電磁波の水分によるエネルギー減衰差を利用し計測することで、高精度かつ短時間で全数測定できます。厚みのある食品生地の測定が可能で、食品に直接接触しないため衛生面でも安心です。
2. リアルタイムモニタリングによる生産性向上
菓子やパックご飯、麺類などの生産工程で、瞬時に水分量を確認できます。生産ラインの基準となる水分率や経時変化を自動で管理することで品質が安定し、生産性向上や省人化につながります。
3. 既設製造ラインへの実装が可能
センサー部は小型・軽量なので、既存の生産ラインにも容易に取り付けられます。また防水機能を備えているため、清掃など機器のメンテナンスも容易です。
希望販売価格 | 550~1,000万円(税込み、構成により異なる) |
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販売目標台数 | 1年間で100台 |