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2025年1月21日 | プレスリリース 産学共同研究成果のメディアアート「Zero Gravity Art」を2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
未来社会ショーケース事業「フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス」で常設展示
NTアソシエイツ、TOPPANホールディングス、島津製作所によるコンソーシアムで万博に協賛

京都大学防災研究所アートイノベーション産学共同研究部門教授・土佐尚子氏がアーティスト活動を行っている株式会社NTアソシエイツ(所在地:京都市下京区室町通仏光寺上る白楽天町522番地1、代表取締役:中津良平)とTOPPANホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿秀晴)、島津製作所は、3社による共同企業体(コンソーシアム)「Zero Gravity Art」を通じて、2025年日本国際博覧会(以下 大阪・関西万博)の『未来社会ショーケース事業』「フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス」に協賛し、メディアアートの常設展示を行います。

イラスト:展示パースイメージ

イラスト:展示パースイメージ

大阪・関西万博は、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに掲げる国際博覧会です。「未来社会の実験場」として、世界80億人がアイデアを交換し、世界中の課題やソリューションを共有できるオンラインプラットフォームを立ち上げ、人類共通の課題解決に向け、新たなアイデアを創造・発信する場です。
 
土佐氏とTOPPANホールディングスは2019年より、アートと最先端テクノロジーを組み合わせてイノベーティブな社会的価値創造を目指す「アートイノベーション産学共同研究(トッパン)部門」を京都大学に設置し、研究を進めてきました。また土佐氏と島津製作所は2022年より生体情報計測技術を用いて、人間の創造性とアートの関係性を科学的に評価する共同研究を続けています。このTOPPANグループの最先端技術と島津の生体計測イノベーションが融合し、共同研究の結晶として、未来へ向けた革新的なメディアアート作品の発表に至りました。

土佐氏による展示作品のコンセプト
近未来に人類は無重力空間である宇宙へと旅立つでしょう。無重力空間は、水中と似ていると言われており、私たちは母親の羊水の中で心音を聞いて過ごします。多くの人から提供された産声と心音を用いて無重力下で作った「Sound of Ikebana」の映像で構成された微小重力体験空間で、羊水の中にいることを擬似体験する装置「Zero Gravity Art」。大阪・関西万博に来る人々がこの装置を通じて、胎児だった頃の遠い記憶と浮遊しているような感覚を味わい、「生命の誕生」と「生命の未来」を感じていただきます。
体験を終えた後には、島津製作所の脳計測技術「NIRS」で、アートによる脳活動の反応を目にできます。さらに、TOPPANグループの最先端VR技術のゴーグルを通じて微小重力アートを疑似体験し、私たちの感覚と創造性を新たな次元へと導きます。
「Zero Gravity Art」によって、人々は21世紀が“ただアートを鑑賞する時代”から“アートの力を活用する時代”へと進化していると気づくでしょう。そして、アートが創造性を育み、その効果を測定できるという新しいパラダイムの幕開けを目撃することになるのです。

開催概要

名称 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)
開催場所 大阪市此花区夢洲
開催期間 2025年4月13日(日)~ 10月13日(月)
協賛内容 未来社会ショーケース事業 フューチャーライフ万博・フューチャーライフエクスペリエンス 常設展示
「生命の誕生」と「生命の未来」を体感するアートインスタレーション
「Zero Gravity Art」

Zero Gravityカプセル(左)、カプセル内で投影される「Sound of Ikebana」のイメージ

Zero Gravityカプセル(左)、カプセル内で投影される「Sound of Ikebana」のイメージ

「フューチャーライフエクスペリエンス」とは

コンセプトは「未来の食」「未来の文化」「未来のヘルスケア」などフューチャーライフとして、未来の暮らしに関わる提言を発信する参加者が集まり、来場者への情報提供にとどまらず、体験型の動態展示を通じて、印象に残る楽しい事業を目指しています。

TOPPANの先端表現技術について

TOPPANは、長年培った印刷テクノロジーを発展させ、生活者に向けた新たな価値を創造する先端的表現技術を開発しています。
TOPPANはバーチャルリアリティー技術と様々な表現・演出技術を組み合わせ、起こりうる未来をあらかじめ事前に視覚によって確認・体感できるプラットフォームを開発し、展開しています。
今後さらにこの取り組みを、通信環境や表示デバイスの技術革新と連動させ、物体や空間の高精度三次元計測技術、リアルタイム・超臨場感・低遅延の遠隔操作感などを取り込み、メタバースやデジタルツイン領域でさらなる進化を予定しています。

島津製作所の生体情報計測技術について

島津製作所は2020年にマルチデバイス生体計測システム「HuME(Human Metrics Explorer)™」を開発しました(※)。「HuME」は、心拍や心電、筋電位、脳波、視線、発汗、姿勢、瞳孔径などの複合的な生体情報計測技術を基にした「感性価値の創出」を目指すプラットフォームです。「Zero Gravity Art」の展示では、人間の創造性とアートの関係性を科学的に評価する共同研究に用いられています。これまでに、心拍変動指標(自律神経活動)や前頭前野の脳波(脳活動)を解析し、アート作品鑑賞時には覚醒かつリラックスという特殊な状態にあることを示唆する結果が得られています。本研究成果の一部は、国際学術誌「Medical Research Archives」(2024年11月30日付)に掲載されました。
また、島津製作所は、1980年代から近赤外光を用いた生体組織の酸素動態計測を研究しており、1991年には国産初の無侵襲酸素モニタを発売しています。その後も脳機能計測に特化したイメージング装置(LABNIRSシリーズ、SMARTNIRSシリーズ)を発売してきました。「Zero Gravity Art」の展示では、鑑賞中の脳活動の反応をみる際に用いられています。島津製作所は、これからも感性・情動反応の研究開発を支援する生体情報計測技術を通じて、より良い社会づくりに貢献していきます。

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TOPPANプレスリリース