バランシングマシンによる
自動車用モータのアンバランス測定
モビリティの電動化と高効率化

温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、いわゆる「カーボンニュートラル」の実現に向け、自動車業界では電動化の取組みが加速しています。

自動車の電動化に伴い、高出力・大容量モータの開発、量産化の動きが活発に行われています。島津製作所はバランシングマシン(動釣合試験機)で、モータの品質向上に貢献します。

モータなど回転体の効率を下げるアンバランス(不釣り合い)とは

高い品質のモータを生産するにはモータに残留するアンバランスを除去することが重要です。アンバランス(不釣り合い)とは、回転体に重心のずれが存在する状態のことです。アンバランスな回転体は、回転軸から重心がずれることで振動や騒音を生み、ひいてはエネルギーロスや故障リスクが高まります。
このアンバランスの解消に用いられるのが、バランシングマシンです。*

  • 【図 島津製作所のバランシングマシンの外観一例】

バランシングマシンによるアンバランス測定・修正の仕組み

島津製作所のバランシングマシンによるアンバランス測定の原理は次の通りです。

  1. ①装置にモータのロータなど、測定対象(ワーク)の軸をバネで懸架された振動架台にセット
  2. ②ワークを回転させる
  3. ③アンバランスがある場合は揺れが発生し、その振動をセンサが計測し、のアンバランスの角度と大きさを算出
  • 【図 島津製作所のバランシングマシン構造図】

また、島津製作所のラインナップには、アンバランス測定に加えて、修正も自動で行うモデルもあります。装置内にある、アンバランスを測定する「測定ステーション」と、アンバランスが残留している箇所(重い部分)をドリルで削る「修正ステーション」で、アンバランス量が設定値以下になるまで測定と修正を繰り返し行い、ワークのアンバランスを解消します。

  • 【図 バランシングマシンの測定・修正プロセス】
    測定ステーションで一次測定をおこない、アンバランスがあった場合は、搬送ローダーで修正ステーションに送られ、アンバランスの原因となる部分をドリルで切削し、再度測定ステーションに戻される。これを設定値以下のアンバランス量になるまで繰り返す。

モビリティ業界の需要に応える、高速・高精度な島津製作所のバランシングマシン

モータは電動車用途の需要が増えるだけでなく、ドローンや空飛ぶクルマといった次世代モビリティなど用途の広がりも期待されます。また、モータの小型化、高トルク化、高速回転化に向けた研究開発も進んでいます。この様な技術革新に伴い、より微小なアンバランスが製品の品質に与える影響も大きくなります。
こうした背景から、バランシングマシンの高速化、高精度化が求められています。

EVモータ専用バランシングマシン「DBM-AE50」の特長

EVモータ専用バランシングマシンの新機種「DBM-AE50」の特長は、スループットと測定精度です。

あるワークでのテスト結果では、測定からアンバランス箇所の切削まで約50秒で完了し、これは島津製作所の従来モデル比で約40%の時間短縮が図れたことになります。また、検出精度に関しては、300gのワークに付着した0.6mgというごく微小なアンバランスも検出できます。さらには、繰り返し測定による結果のばらつきも抑えます。

高速・高精度化を可能にする舟形架台構造の採用

島津製作所の「DBM-AE50」は、装置の測定部に舟形架台構造を採用しています。ワークと駆動ベルトを直角に保ち、アンバランスに起因するノイズの影響を最小限にすることで、正確な測定を可能にします。

  • 【図 舟形架台構造】

また、修正ステーションのドリルを3次元動作させる島津製作所の独自技術によってワークの左右両面を同時切削することで、タクトタイムを削減しています。

次世代モビリティ市場への展望

島津製作所は、長年にわたって自動車部品向けのバランシングマシンを提供してきました。これまで培ってきたノウハウを生かし、モビリティ領域で用途の拡大が見込まれるモータの製品開発や量産ラインでの品質向上に貢献していきます。

今回ご紹介した製品以外にも、多数のラインナップを取り揃え、また特注仕様にも対応しております。詳しくは「問い合わせフォーム」からお問い合わせください。

※バランシングマシンは島津産機システムズ株式会社にて製造・販売しています。