創薬研究の効率向上に貢献
アステラス製薬とHTE自動化装置を共同開発

当社は、アステラス製薬株式会社と共同で低分子・中分子医薬品の反応条件スクリーニング用のロボットHTE(High-Throughput Experimentation、ハイスループット実験)自動化装置「AtmosOrchestra(アトモスオーケストラ)」を開発しました。

自動化装置「AtmosOrchestra(アトモスオーケストラ)」を開発
 

実験が研究開発のボトルネックに

医薬品にはさまざまな創薬技術や製造方法があり、分子量の大きさによる分類では、低分子、中分子、高分子に分けられます。

医薬品イメージ
医薬品イメージ

低分子・中分子医薬品の創薬から安定供給に至る工程では、化学的な合成方法、製造方法、品質管理を研究するCMC(Chemistry, Manufacturing and Controls)研究が必要で、原材料の種類や割合、反応温度、試薬濃度などの条件の組み合わせから、最適な合成条件を探索するスクリーニング実験を重ねます。近年は分析機器やAIの活用によって分析・解析の効率化が進む一方で、実験は人手を要するため研究開発のボトルネックとなっていました。 

サンプル合成工程の無人化を実現

こうした課題の解決に向けて、アステラス製薬と当社は、サンプル作成工程の効率化を目指した検討を進めてきました。その取り組みから誕生したのが、ロボットHTE自動化装置「AtmosOrchestra」です。

「AtmosOrchestra」紹介動画。装置名のAtmosは、実験における気体環境を指す雰囲気(atmosphere)に由来。Orchestraは多数のモジュールがソフトウエアの“指揮”の下、協調して実験プロセスを進める様子を表している 

HTE(High-Throughput Experimentation、ハイスループット実験)は、創薬における化合物探索やプロセス化学における反応条件の最適化などをロボットやAIを用いて高速で並行的に実施する手法です。本装置は、医薬品の開発初期における煩雑なサンプル合成工程(分注、反応、溶媒乾燥)を産業用ロボットや当社製分注装置などにより自動化し、全工程の無人化を実現する特別仕様機です。本装置は、本年4月下旬からアステラス製薬つくば研究センターに導入されています。 

ロボットアームがサンプルを加熱撹拌モジュールにセットする様子。揮発しやすい有機溶媒を含む試薬の入った96本のバイアルを密封状態にして、加熱・撹拌する。一連の工程の自動化に対し、5月のプレスリリース後に反響があった

ロボットアームがサンプルを加熱撹拌モジュールにセットする様子。揮発しやすい有機溶媒を含む試薬の入った96本のバイアルを密封状態にして、加熱・撹拌する。一連の工程の自動化に対し、5月のプレスリリース後に反響があった

当社分析計測事業部 ラボメカニクスBU (ビジネスユニット) 開発担当者のコメント

「AtmosOrchestra」の開発では、個別対応となりがちな自動化装置の開発を、機能モジュールの組み合わせで標準化しています。これは、私たちラボメカニクスBUの開発ポリシーを体現する事例となりました。5月に東京で開催された医薬品・化粧品の製造・包装の展示会「インターフェックス」では、アステラス製薬様に本装置を用いた研究結果をご講演いただきました。聴講された方のなかには、当社が自動化装置を開発していることに驚かれる方も多くいらっしゃったようです。

当社の強みは、サンプルの前処理方法から分析条件・データ解析まで、一貫した技術的サポートをご提供できる点です。今回の経験を活かし、今後、機能モジュールやロボットフレームの標準化を行い、セミオーダーメードでお客様の要望に対応できる体制を構築していきます。 

 

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