第15回 科学の甲子園 全国大会
優勝の岡山朝日高等学校、米国の大会へ
議論や仮説、試行錯誤を重ねながら1つの答えにたどり着く。その過程を、科学の知識とチームでの協働により実践する舞台が、「科学の甲子園」全国大会です。

3月22日、つくば国際会議場およびつくばカピオで「第15回科学の甲子園」全国大会が開催されました。全国697校から選抜された高校生チームが集い、筆記競技と3つの実技競技を通して、科学の総合力を競いました。
総合優勝を果たしたのは、岡山県代表の県立岡山朝日高等学校です。同校は5月に米国で開催される科学競技大会への出場を予定しています。

科学を「実践する」大会、科学の甲子園
「科学の甲子園」は、科学技術振興機構(JST)が主催する高校生のための科学大会です。物理・化学・生物・地学・工学といった分野を横断する課題に、チームで取り組みます。参加者は、仲間と議論し、仮説を立て、実験や試行錯誤を重ねながら課題を解決します。単なる知識量ではなく、実社会につながる科学的思考力や協働力が問われる大会です。

SHIMADZU賞は大分県立上野丘高等学校
当社と島津理化は、第1回大会から協賛企業として「科学の甲子園」を支えてきました。総合成績で第3位となった学校には「SHIMADZU賞」を贈っています。

今回は、大分県代表の県立上野丘高等学校が受賞しました。
生徒たちが取り組んだ課題について、ご紹介します。
分野を越えて競う
水槽実験で体感する「波」のふるまい
実技競技①「海の波の速度の不思議」では、大型水槽を用いて表面波や内部波を発生させ、波長や速度を測定する競技です。粒子そのものは移動せず、エネルギーだけが伝わるという「波の本質」を、実験を通して体感的に理解します。

密度差による内部波の変化を再現するなど、自然現象を物理的にとらえる力が問われました。津波や高潮の予測、沿岸設計といった防災分野にもつながるテーマです。
この競技では、鹿児島県代表のラ・サール高等学校が最高得点で1位を獲得しました。
イオン交換と中和滴定で未知の物質に迫る
実技競技②「イオン交換エクスプレス」では、イオン交換樹脂と中和滴定を組み合わせ、溶液濃度や試料の式量を求める化学実験の競技です。

イオン交換は、水や食品の精製、廃液から貴金属を回収するリサイクル技術など、実社会で広く活用されています。中和滴定も、食品の酸度測定や医薬品、環境分析などで欠かせない手法で、濃度を正確に知る必要がある場面に登場します。
競技では、イオン交換の仕組みを理解したうえで、装置を扱い、滴定データを正しく解析する力が求められました。化学量論の知識と実験精度、そしてチーム内での役割分担が勝敗を左右しました。
この競技では、石川県金沢泉丘高等学校が第1位を獲得しました。
設計・分析・戦略で挑む電磁力バトル
実技競技3「目指せ電磁力でカップイン」は、電磁誘導を利用して、アルミリングを遠方のカップへ飛ばす競技です。事前制作した回路やコイルを会場で調整し、最適な発射条件を探ります。

電磁誘導の理解に加え、構造設計やデータ分析、さらに「確実なカップインを狙うか」「広範囲に多数のリングを落とすか」といった戦略判断も重要な要素となりました。
総合優勝を果たした岡山朝日高等学校は、この競技でも第1位を獲得しています。
また、科学の甲子園ジュニア大会で優勝し、SHIMADZU賞も受賞した千葉県・市川学園市川中学校のチームがエキシビションとして参加。多数のカップインを達成し、高校生に交じって決勝に進出しました。

多分野の力を終結する筆記競技
筆記競技では、6人が役割分担し、1枚の回答用紙を仕上げます。多分野にわたる基礎知識に加え、新しい情報を読み取り、統合して解く力が試されます。

この競技では、奈良県代表の東大寺学園高等学校が第1位を獲得し、総合成績でも第2位となりました。
世界へ挑む、サイエンス・オリンピアド
優勝した岡山朝日高等学校が出場する「サイエンス・オリンピアド」は、5月22日、23日に米国で開催される世界最大級の科学競技大会です。全米からトップ120チームが集い、科学の力を競い合います。

「科学の甲子園」で培った、分野横断的な知識やチームで課題に向き合う力を武器に、岡山チームは海外の同世代と交流しながら、国際舞台でその実力を試します。
企業出展を通して伝える科学とモノづくり
当社グループの理科教育を担う島津理化は、国際物理オリンピック2023記念協会と協力して、大学入試の物理過去問題をそのまま「実験キット」として再現した「Physics Exam Lab 物理入試ラボシリーズTM」を中心に紹介しました。
当社は、科学の知識を実際のものづくりに生かし、試行錯誤を重ねながら課題に挑む取り組みの一例として、NHK魔改造の夜出演プロジェクトを紹介しました。設計や改良を重ねる過程を通じて、科学や工学の考え方がどのように実践へとつながるのかを伝えています。


企業出展コーナーで実験キット 力学台車「スマートカート」 「コイルを通過する磁石トレイン」 を実演する島津理化の社員
東京大学の入試問題を再現した島津理化の実験キット「台車上の振子」
当社は、NHK「魔改造の夜」出演プロジェクトの活動を紹介
当社はこれからも、未来を担う若い世代の挑戦を見守り、支えていきます。
写真・画像提供:JST
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