科学の甲子園ジュニアで掴んだ優勝
「リニアでGO」勝利の秘訣

2025年12月に開催された第13回科学の甲子園ジュニア全国大会で、千葉県代表チームが総合優勝し、当社と島津理化が贈る「SHIMADZU賞」を含む6つの賞を受賞しました。当社と島津理化は千葉代表チームの市川学園市川中学校を訪ねてチームメンバーや先生方にお話を伺いました。

千葉代表チームの市川学園市川中学校のチームメンバーや先生方

千葉県代表チームが総合優勝
千葉県代表チームが総合優勝

 

80名から選ばれたメンバー

市川学園中学校は過去5回の大会に出場し、準優勝を2度獲得した科学の甲子園ジュニアの強豪校です。

メンバーは学内選抜で選ばれた2年生6名で編成されました。選抜は、数学・化学・生物・物理・地学・情報の筆記試験を行い、それぞれのトップが選ばれました。メンバーの1人は「学内選抜が一番緊張した」と話してくれました。

科学の甲子園ジュニア全国大会のメダル 

メンバーの5人は、昨年度の大会で中学1年生だけのチーム編成で準優勝し、残る1人は、補欠として大会をオンラインで見守った悔しい経験をしました。それもあって今年は優勝を狙うしかない状況でした。​

今年は優勝を狙うしかない状況

実技競技②「リニアでGO」優勝!

優勝校にSHIMADZU賞が授与される実技競技②は、事前に周知された課題に対して、約1カ月半の準備期間が設けられています。大会当日は、あらかじめ計画したコースとマシンを80分間で制作し、競技に挑みます。

実技競技「リニアでGO」

4分割画面の左上が市川中学校

この大会の実技競技「リニアでGO」は、リニアモーターカーの原理を応用した装置を制作し、「どれだけ重いマシンを遠くまで動かせるか」を競います。評価は走行距離だけでなく、マシンの重さや使用した磁石の数も含まれるため、電磁気の理解、設計力、戦略的思考、ものづくりの力、そしてチームワークが総合的に求められました。 

この競技で、市川中学校は見事な結果を収めました。結果は、走行距離175㎝(規定の最長)、マシンの重さ702g、磁石100個のうち52個は未使用という記録で、優勝しました。

市川中学校は見事優勝 

チームの戦略は「重い車で勝つ!」

「最高得点をとるための条件は、まずは完走すること。そして次に、『重さを重くする』か『マグネットの個数を減らす』ことでした。」と、メンバーの1人が話します。 

レールに貼り付けた磁石 

レールに貼り付けた磁石 

そこでメンバーは、活動を始める前に他のチームとどう差をつけるかを考え、事前公開情報から得点の計算方法を逆算。その結果、マグネットの個数を少々減らすよりも、車体を重くする方が高得点につながることを確認し、「重い車を完走させる!」と決めました。 

マシン側の大きな磁石

マシン側の大きな磁石 

この戦略を決めたことで、マシンの形状はおもりを積んで安定走行する4輪の箱型に絞られました。さらに、重いマシンをしっかり動かすためには強い推進力が必要と考え、大きな磁石(巻き数が多いコイル)を使用しました。 

昨日動いた車が今日動かない!

「前日に作って動いたマシンが、翌日には動かなくなる現象に悩みました。仕方なく作り直すと動くのですが、また翌日には動かない。しかも、前の日から何も変えていないのに…」と、メンバーが当時の困惑を話してくれました。

そこでチームは、原因を突き止めるため、1つ1つ条件を変えて対照実験を行いました。すると、ついに原因が判明します。摩擦熱や電気的な反応によって、たった1日で銅線が酸化して、マシンが動かなくなったことが分かりました。

昨日動いた車が今日動かない!

かけがえのないものを得た

科学の甲子園の出場準備を最優先にして取り組んできた生徒たちに、参加のきっかけと活動を通して得たことをききました。

きっかけは「学年集会で聞いた先輩の体験談」と口々に話してくれました。活動を振り返る彼らの言葉には、それぞれの成長がにじんでいます。

「放課後に集まる大切な居場所になった」「休日に行動を共にするほどの仲間ができた」「課題に対して論理的に解決する視点が身に付いた」「対照実験や変数制御について知り、高校での理数研究活動(スーパーサイエンスハイスクール)の活動に役立つ視点を得た」「初めてチームをまとめる経験をし、主体的に予定を立て、管理力がついた」——

かけがえのないものを得た
かけがえのないものを得た

メンバーの話から、「科学の甲子園ジュニアへの参加が、学校生活を一層充実させ、生徒を成長させている」ことを改めて感じました。中学生ながら、科学への興味、考える・取り組む姿勢、マネジメント能力を身に付け始めた彼らが、今後どのようになりたいか将来の話を聞いてインタビューを終えました。 

「高校生の先輩たちを本気で打ち負かす!」

市川中学校のメンバーは千葉県代表チームとして、2026年3月20日(金)~23日(月)につくば国際会議場で開催される科学の甲子園(高校生の大会)の実技競技にエキシビションとして参加します。「つくばの科学の甲子園では高校生の先輩たちを本気で負かすつもりで戦います!」と、リーダーが大会への意気込みを語ってくれました。

「高校生の先輩たちを本気で打ち負かす!」

千葉県代表チーム 市川中学校 指導教員のコメント

生徒たちが戦略的に動けたのは、個々の努力はもちろん、2年目のチームとしての成熟も大きいのです。先輩から後輩へ活動をつなぐ取り組みが根付いていたことも、力になりました。

私の指導方針は、生徒の活動中は「ひたすら一緒にいる」ことでした。安全確保だけでなく、気づきを得るタイミングで声をかけられるようにしたかったからです。

そうしたなかで生徒たちは経験を重ね、失敗しても冷静に問題点を見極め、直感力や論理的思考力を活かしてチームで対応できるようになり、今回の結果につながりました。

「科学技術で社会に貢献する」を社是として事業活動を行う当社と島津理化は、今後もこの大会を通して、「科学の未来をになう君たち」を応援します。

 

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