「創業150周年感謝式典」を開催
世界中のパートナーとつくる未来
10月31日、島津製作所の創業150周年を記念して、国内外のお客様や共同研究パートナーの方々に感謝を伝えるイベント「Excellence in Science ~150 Years of Innovation~」を開催しました。会場となった国立京都国際会館には、世界各地から130名を超えるお客様が来場しました。

”今日はまだ、未来の途中だ。“
150周年記念広告「今日はまだ、未来の途中だ」
当社代表取締役社長 山本靖則は挨拶で、「この150年の歩みは国内外のお客様やパートナーの方々の支援なくしては成し得なかった」として感謝を述べました。また、150周年記念広告「今日はまだ、未来の途中だ。」を紹介しながら、人と地球の健康、そして未来のためにできることを模索し、挑戦を続けていくと話しました。

イベントは3部構成で前半の2部では世界各地の研究者の方々による講演が行われました。
第1部:特別招待講演
第1部は「特別招待講演:Special Lecture Session -Stories of Excellence-」として、イノベーションの創出につながった当社との共創事例をお客様から紹介いただきました。
「Near infrared photoimmunotherapy of cancer」
小林久隆特別教授(関西医科大学)
小林特別教授はがん細胞を選択的に破壊し免疫を活性化する新しい治療法「近赤外光免疫療法(NIR-PIT)」について講演しました。近赤外光免疫療法は、小林特別教授のチームと当社による20年にわたる協力関係により開発されたものです。2025年4月、関西医科大学と当社は光免疫療法の治療効果を可視化するための臨床研究を開始しました。
小林久隆特別教授(右)
小林特別教授の講演動画(英語)
「Singapore General Hospital-Shimadzu Personomics Centre in the Fight Against Superbugs: Ten Years of Innovation」
Lim Tze Peng博士(Singapore General Hospital)
1821年に設立されたSingapore General Hospital(SGH)のLim博士は、薬剤耐性(AMR)をテーマに講演しました。薬剤耐性とは感染症を引き起こす細菌やウイルスにおける、抗菌薬が効かない性質のことで、多くの抗菌薬に対して耐性を持つものは「スーパーバグ(超多剤耐性菌)」と呼ばれます。今後、薬剤耐性菌により命を落とす人の数は増加し、医療現場や経済に大きな影響を与えると予測されています。SGHと当社グループのシンガポール拠点であるShimadzu (Asia Pacific) Pte Ltd.は、2024年に「SGH-Shimadzu Personomics Centre」を共同設立しました。抗真菌薬の治療薬物モニタリングに関する共同研究から、現在では抗生物質向けの質量分析技術へとテーマを発展させています。

Lim Tze Peng博士(右)
「Molecular Insights into Analytical Chemistry Challenges for the Sustainable Energy Transition」
Pierre Giusti博士(TotalEnergies SE)
エネルギー転換には、生物資源を効率的に利用するための評価やバッテリーの劣化モニタリングなどの課題があります。Giusti博士は、分子レベルの洞察を通じて、脱炭素化を支える分析化学の役割について講演しました。2024年発売の元素選択式ガスクロマトグラフ質量分析計「ELEM-SPOT」は、TotalEnergies SEらとの共同開発により誕生しました。

Pierre Giusti博士(右)
第2部:創業150周年感謝式典と記念講演
第2部の記念講演には、当社の当社エグゼクティブ・リサーチ フェローの田中耕一と、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の香取秀俊教授が登壇しました。
「島津 機器開発の歴史から学ぶ」
田中耕一(当社エグゼクティブ・リサーチ フェロー)
田中耕一は入社以来40年にわたり、質量分析に関する研究開発に携わってきました。冒頭で「ここまで来られたのは、世界の数多の方々のおかげであることは間違いない」と述べた後、機器開発の歴史から得た学びや、機器の産業や学術への貢献について話しました。
「光格子時計が測る未来の時間」
香取秀俊教授(東京大学)
香取教授は冒頭、「島津製作所には、光格子時計を実現するという夢に一緒に付き合ってもらっている」と述べました。この講演では、香取教授が発明した「光格子時計」の仕組みや実験成果が紹介されました。当社は2017年に香取教授らのグループとの共同研究を開始し、2025年3月にストロンチウム光格子時計「Aetherclock OC 020」を発売しています。

「人と地球の健康」を追求し、社会に貢献するため、島津製作所はこれからも挑戦を続けていきます。
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