ミステリーで育む科学への好奇心
英国で科学捜査の体験型ワークショップ開催

“Science became more fun and practical — they helped me understand it that way.”(「科学がもっと楽しくなって、生活にも役立つって思えるようになったよ。先生たちがそうやって教えてくれたんだ。」)

Challenge Areaの様子

この声は、当社の英国のグループ会社Shimadzu UK Limited(SUK)のボランティアメンバーが主催したユニークなプログラム、科学捜査ワークショップに参加した生徒から寄せられたものです。

アウトリーチプログラムのイメージイラスト

シャーロック・ホームズが活躍したミステリーの本場、英国で企画されたこのアウトリーチプログラムは、犯罪ミステリー仕立てのストーリーを通じて、科学の力で証拠を解き明かすワークショップとキャリアパス教育を組み合わせています。

 

ミステリーに誘われて実践的な科学の世界へ

架空の事件:3つの証拠と6人の容疑者

容疑者6人のデータ
容疑者のデータ

このプログラムでは、生徒たちがチームに分かれ、架空の事件解決に挑みます。参加者は「オイル」「ペンの筆跡」「お菓子」という3つの証拠をもとに、3種類の科学実験を通じて、容疑者を絞り込みます。

分析の様子
分析の様子

使用するのは、当社の分析装置 赤外分光光度計(FTIR)、分離分析の基礎であるペーパークロマトグラフィ、物質の違いを見つけるための物理測定手段である比重実験です。これらの手法を用いて証拠を分析し、科学的アプローチで事件の真相に迫ります。

「容疑者の衣服には油の痕跡が付着」のイメージイラスト

容疑者の衣服には油の痕跡が付着

赤外分光光度計でオイルを分析

赤外分光光度計でオイルを分析

不明瞭な文字が書かれた紙切れのイラスト

不明瞭な文字が書かれた紙切れ

ペーパークロマトでペンのインクを分析

ペーパークロマトでペンのインクを分析

付近の床で見つかったお菓子のくずのイラスト

付近の床で見つかったお菓子のくず

塩分濃度と甘いお菓子の浮力の実験

塩分濃度と甘いお菓子の浮力の実験

理系キャリアの啓発

ワークショップと並行して、SUKのスタッフが生徒と対話し、理系分野におけるキャリアパスについて考える時間も設けています。この対話は、生徒の視野を広げ、科学的スキルが法医学、製薬、臨床診断、化粧品開発、食品検査など多様な職業にどのように役立つかを示すことを目的としています。

SUKのスタッフ

これまで機会がなかった子供たちに届けたい

Shimadzu UK Limited(SUK)は、2005年にSHIMADZU EUROPA GmbH傘下として設立され、英国で分析計測機器の販売を担当しています。現在の従業員は約80人で、ロンドンから北西に80キロほど離れた、オックスフォードとケンブリッジの中間に位置するミルトン・キーンズを拠点としています。

学校支援活動は、SUKの島津150周年行事検討メンバーが社員からの意見をもとに企画しました。すべての活動は社員のボランティアによって運営されています。

担当者のコメント

SUKのスタッフ一同

島津製作所は、教育用の理化学機器の製造から事業をスタートしているため、今回のプログラムでは、その原点に立ち返り、実践的な学びを通じて子どもたちの科学的好奇心を育むことを目指しています。この活動は、単なる社会貢献ではなく、創業当時から受け継がれてきた「科学技術で社会に貢献する」という理念を体現するものです。

SUKでは、インタラクティブなストーリーテリングや実践的な実験、キャリアに関する有意義な対話を通じて、生徒たちに科学への生涯にわたる興味を育んでもらう事を願っています。特に、これまでそのような機会がなかった子どもたちに、科学の魅力を伝えることを重視しています。

最後に、このプログラムは、教育的であるだけでなく、未来を担う子どもたちに力を与え「科学は身近で、そしてワクワクするものだ」と感じてもらえるような取り組みです。私たちは、科学の楽しさと実用性を伝えることで、次世代に科学の裾野を広げる手助けをしていきます。

SUKのスタッフ一同

 

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