「東京2025デフリンピック」が11月開幕
当社テニスチーム・菰方里菜が3種目に出場
今年11月に開幕する「東京2025デフリンピック」のテニス競技3種目に、当社テニスチームSHIMADZU Breakersの菰方里菜(こもかた りな)が日本代表として出場します。菰方選手にデフテニスとの出会いや、大会への意気込みを聞きました。
初めての日本開催 100周年を迎えるデフリンピック
デフリンピックは、デフアスリートを対象とした、4年ごとに開かれる国際的なスポーツ競技大会です。1924年にフランス・パリで初めて開催され、100周年記念となる今回が日本で初めての開催となります。
デフ(Deaf)は英語で「耳が聞こえない」という意味で、デフリンピックは「聞こえない・聞こえにくい」人のための大会です。下記の2つの条件を満たす選手が参加資格を持ちます。
1: |
補聴器などを外した状態で、聞こえる一番小さな音が55dB※を超えている |
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2: |
各国の「ろう者スポーツ協会」に登録されており、記録・出場条件を満たしている |
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※普通の声の大きさでの会話が聞こえない程度 |
70~80の国や地域から約6,000人が参加し、陸上、バドミントン、バスケットボールなど21の競技で競います。競技中、選手は補聴器などを外して公平にプレーします。大会では国際手話が用いられ、スタートや審判の合図にはランプや旗といった視覚による情報伝達が行われるのも特徴です。
デフテニスとの出会い
菰方選手は今年4月に島津製作所に入社し、テニスチームSHIMADZU Breakersに加入しました。三重県出身の23歳です。社員選手としてコーポレート・コミュニケーション部に所属し、社内報の発行やチームのWebサイト運用などに携わりながら、日々練習に励んでいます。業務について、「広報の仕事は楽しいです。難しいですが、その分チャレンジできることの幅も広いです。今後、自分からアクションを起こして、できることを増やしていきたいと思っています」と話します。


9月に行われたSHIMADZU Breakers主催のテニス教室にて
菰方選手がテニスを始めたのは6歳の時、母親の練習に付いていったことがきっかけでした。中学2年生でテニスの大会に出場していた時、偶然同じ会場で合宿中だったデフテニス日本代表のコーチからスカウトを受け、デフテニスに出会います。当時について菰方選手は、「それまで、デフテニスの存在を知りませんでした。補聴器を外してプレーしたことがなかったので初めは違和感がありましたが、同時に、周囲の音が無い状況に普段とは違った“集中”の感覚がありました」と振り返ります。
デフテニスのコミュニケーションにも、合宿を重ねるうちに慣れていったと言います。「ダブルスではペアごとにサインを決めています。日常生活であまり手話を使わないペアの場合は、ジェスチャーや指文字を使います」。精神面については、「デフテニスに限らないのですが、“表情から緊張をほぐす”ことを意識しています。硬い表情でいると、メンタルも引っ張られてしまいます。ペアの選手と話し合いを重ねるなかで、“楽しくやるダブルス”がモットーになりました。デフテニスのプレー中も、観戦席の方の手話の拍手(両手を挙げ、手首をひらひら回す)やリアクションは目に入るので、テニス同様に力になります」と話します。
2025年全豪オープンデフテニスの部で2冠達成
菰方選手は大学在学中に出場した「2024年全豪オープンデフテニスの部」において、シングルスで優勝、ダブルスで準優勝し、今年1月の同大会で2冠を達成しました。入社後初となる国際大会「ポーランドデフテニスオープン2025」(4月)での優勝以降、国内外の大会で複数のトロフィーを手にしています。
試合日の朝食にはごはんと味噌汁を摂り、海外遠征時にもそれらを持参する菰方選手。
「ほっとしますし、塩分補給もできます」(菰方)
感謝を胸にメダルを目指す
今回が初めてのデフリンピック出場となる菰方選手。大会に向けて、次のように話します。
日本初開催のデフリンピックに、日本代表として出場できることを光栄に思います。私にとっても初めてのデフリンピックなので楽しむことを忘れずに、そして、これまでサポートしてくださった方々に感謝に気持ちを伝えられるようなプレーをしたいです。3種目(シングルス、ダブルス、混合ダブルス)ともメダル獲得を目標に頑張ります!ぜひ応援をよろしくお願いします。
菰方選手の初戦は11月16日(日)のシングルスです。有明テニスの森(東京都)で開催されるテニス競技の詳しい試合スケジュールは特設Webサイトをご覧ください。開幕後は随時、菰方選手の試合情報を更新予定です。デフリンピックは無料で観戦できます。詳細は大会公式Webサイト をご確認ください。ぜひ温かいエールをよろしくお願いします。
