微生物のちからで未来を拓く
NEDO事業のバイオものづくり技術 大阪・関西万博で紹介
当社は、株式会社カネカ、株式会社バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス株式会社と共同で、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の基金事業において「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」として採択されたテーマの研究開発に取り組んでいます。本技術は、「2025年日本国際博覧会」(以下、大阪・関西万博)の日本政府館(以下、日本館)にて紹介されています。
©Expo 2025
環境課題を解決するカギ「微生物」
地球温暖化や海洋汚染など、現代社会は様々な環境課題に直面しています。中でも、人間の活動による二酸化炭素(CO2)排出量の増加や、海に流出するプラスチックごみは深刻な課題です。これらの課題を解決する鍵として、いま「微生物」が注目されています。
「水素酸化細菌」は、土壌や海の中に住む微生物の一種です。この微生物は、水素をエネルギー源として使い、CO2を有機物(バイオポリマー)に変えて体内に蓄える特性を持っています。このバイオポリマーを取り出して精製することで、自然界で分解される「生分解性プラスチック」を生成できます。従来の生分解性プラスチックよりも分解が早く、さらに原料がCO2であるため、CO2削減への貢献も期待されています。
4社で目指す、地球にやさしいモノづくり
当社は2023年より、株式会社カネカ、株式会社バッカス・バイオイノベーション、日揮ホールディングス株式会社とともに、微生物を活用したプラスチック生成の研究開発に取り組んでいます。本研究は、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進」において、「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」として採択されています。
各社の強みを活かして、CO2を効率よくバイオポリマーへ変換できる微生物の開発と、その技術の工業化を目指しています。現在は、高効率な微生物の探索・開発やプラント規模での生産に向けた研究を進めています。
また、当社は今年3月に「島津製作所 バイオものづくり神戸事業所」を開設しました。より多くの微生物を同時に培養し、多様な分析機器で育成状態を分析・評価するシステムを開発することで、研究開発スピードの向上や製造コスト削減への貢献を目指しています。
CO2が循環する未来の姿 日本館で展示
当社を含む4社が取り組む「CO2からの微生物による直接ポリマー合成技術開発」は、大阪・関西万博 日本館にて紹介されています。日本館は「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマに、いのちを繋ぐ循環を「プラントエリア」「ファームエリア」「ファクトリーエリア」の3つのエリアで表現しています。
「ファームエリア」では、ボンベに詰められたCO2を原料に生分解性プラスチックの器が作られるイメージを展示しています。


CO2を使ってモノが生み出され、分解され、また次のモノづくりにつながっていく。微生物たちが持つ自然のちからによって、CO2が循環する「未来の社会の姿」を体験できます。
大阪・関西万博 日本館にて紹介されるNEDO事業のバイオものづくり技術展示の概要
開催場所 | 大阪・関西万博 日本館「ファームエリア」 |
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開催期間 | 2025年4月13日(日)~ 10月13日(月) |
展示内容 | CO2ボンベ、生分解性プラスチックの器など |
ウェブサイト | EXPO 2025 大阪・関西万博 日本館公式サイト |
