中国の農村地域で子どもたちの学びを支援
島津グループでは「人と地球の健康(プラネタリーヘルス)」の追求を目指しており、世界各地でCSR活動に取り組んでいます。島津企業管理(中国)有限公司(SSL)は5月と6月に、中国にある2つの農村地域を訪れ、子どもたちに学用品や科学体験を届けました。
本を翼に 子どもたちの夢をサポート
5月9日、SSLの副董事長である小倉一郎のほか、同社労働組合のメンバーら10人が、上海市と昆明市から雲南省緑春県三猛郷にある哈徳(Hade)村に向けて出発しました。その車には、社員からの寄付で集まった絵本や図鑑など666冊の本と、労働組合の手工芸グループが手作りした髪飾りのヘアピンやヘアバンドが積まれています。

哈徳村を訪れたSSLメンバー

書籍を贈呈するSSL副董事長の小倉一郎(左)
昆明市から哈徳村までは車で6時間ほどかかります。一行が哈徳村に到着した時には夕方になっていましたが、地域の皆さんに温かく迎えられ、贈呈式が開かれました。今回贈呈した本一冊一冊には、「この本が、子どもたちが世界に羽ばたくための翼となり、それぞれの夢を叶えてほしい」というSSLメンバーの願いが込められています。
日没後には、気球を模したライトで子どもたちと一緒に広場を照らしました。これは、島津製作所の創業者である島津源蔵が1877年に日本で民間初となる有人軽気球の飛揚に成功したことになぞらえています。
夜が明けた5月10日、SSLのメンバーは「科学のおにいさん・おねえさん」に扮し、光をテーマに授業しました。日常生活で出会う光の色や、光の屈折・伝播、光学技術の応用を学んだ後、子どもたちはペーパークラフトの分光器を組み立て、太陽光を観察しました。


快適な環境で学び 広い世界を探求する
6月11日には、安徽省宿州市碭山県にある三官廟(Sanguanmiao)小学校を訪れ、物品の寄贈と講義を実施しました。校舎が子どもたちや職員にとって快適な環境となるよう、老朽化で一部破損していた教室のドアを新品に取り替え、職員室と警備室には省エネのエアコンを設置しました。
これに対し、碭山県副県長の赵鹏(Zhao Peng)氏は、「島津の皆さんの善意の活動に感謝しています。この思いが子どもたちの学習への励みとなることを願っています」と話しました。

子どもたちにランドセル、筆箱、文房具などの学用品を手渡すSSLのメンバー

碭山県の赵 鹏(Zhao Peng)副県長
その後SSLの2名が授業を行いました。姚 建国(Yao Jianguo)は、今年3月に島津製作所が創業150周年を迎えたことや自身の幼少期の思い出に触れながら、科学がどのように世界を変えていくかを語ります。最後は、「世界への好奇心を持ち続け、知識を活用してより広い世界を探究してください」と子どもたちにエールを贈りました。


SSLマネージャー 姚 建国(Yao Jianguo)(左)と邢 维(Xing Wei)
邢 维(Xing Wei)はSDGs(持続可能な開発目標)について話しました。「貧困をなくそう」「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「質の高い教育をみんなに」といったそれぞれの目標の意味を、身近な例や島津での取り組みの事例を挙げて説明します。子どもたちは、一人ひとりの小さな行動が世界を変えるきっかけになることを学びました。
SSLではこうしたCSR活動について、「現状がすぐに変わるわけではないが、本や科学に触れたり、SDGsについて学んだ経験は子どもたちの心に根付き、時間をかけて育まれていく」と考え、今後も中国各地で科学教室の実施を予定しています。島津グループはこれからも「人と地球の健康」を追求していきます。
