130人以上が食品安全をテーマに議論
Shimadzu Food Summit 2024
島津グループのシンガポール拠点であるShimadzu (Asia Pacific) Pte Ltd.(以下SAP)は10月23日に「Shimadzu Food Summit 2024」を開催しました。今回、アジアにテーマを絞った「Asia Edition」として初めての開催となりました。130名以上が出席し、食品業界の有識者が食品の安全性や持続可能性についてディスカッションや最新情報の共有を行いました。
イベントのダイジェスト動画
食品業界の有識者による講演
基調講演ではAOAC SEAの代表 Hou Xinping博士が登壇されました。AOAC SEA(AOAC Southeast Asia)は、分析手法の実証などを通じた食品の安全性向上を目的に、分析科学の専門家で構成される非営利団体「AOAC INTERNATIONAL」の東南アジア支部です。
Hou博士は「AOAC SEAの役割と活動」をテーマに、食品分析標準の策定におけるAOAC SEAの役割や、食品安全に関する規制と標準の調和の重要性を強く語られました。
AOAC SEAの代表 Hou Xinping博士
Hou博士の基調講演の後、アジア各地の研究機関や企業のスペシャリストたちに講演いただきました。機能性食品やハラール食品、PFAS(有機フッ素化合物)、香りの分析などについて活発に議論されました。
登壇者と講演内容の一覧。日本からはエスビー食品株式会社のシニアスペシャリスト 佐川岳人氏にご出席いただき、「食品の持続可能な美味しさを支える香りの分析技術」をテーマにお話しいただいた。
食品の持続可能性に関するネットワークの構築へ
Shimadzu Food Summit 2024の中で、食品の持続可能性をテーマにした「World Lab Network」の立ち上げに関する覚書(MoU)が交わされました。「World Lab Network」は島津がそれぞれの共同ラボをつなぎ、お互いの専門知識やリソースを共有して世界的なイノベーションの推進を目指すもので、SAPはこれまでに環境や化学、製薬分野の企業や団体と同様のネットワークを築いています。
今回の調印式には、エスビー食品株式会社、LPPOM MUI(インドネシアのハラール検査機関)、Philippine Institute of Pure and Applied Chemistry (フィリピンの科学研究所)、Reference Testing and Agrifood Quality Consultancy (ベトナムの食品に関する検査機関)から4名の代表者が出席しました。
島津のソリューションを紹介
SAPからは部長のSandy Nargundと副部長のSateesh Tummalaが登壇しました。それぞれ、食品の安全と品質に関する分析ソリューションと、ラボの属人性を解消する「Living Laboratory」のコンセプトを紹介しました。
SAPのSandy Nargund(左)とSateesh Tummala
そのほか、食品分野の分析や研究開発に特化した島津の製品や技術を体験いただくため、ラボツアーやワークショップ、実機展示を実施しました。参加者とSAPのスペシャリストとの間で、アプリケーションやワークフローに関する積極的な質疑応答が行われました。
SAP担当者が残留農薬やPFASの分析に対する島津のソリューションを説明した
展示エリアにはLCMS-TQ RXシリーズやLCMS-9050、GCMS-TQ 8050 NXなど食品の安全や品質に貢献する装置が並んだ
Shimadzu Food Summit 2024参加者の集合写真
担当者のコメント
Shimadzu Food Summitアジア版は、「アジアの世紀(Asian Century)」を迎える絶好のタイミングでの開催となりました。このサミットは有意義な議論を促進するだけでなく、「World Lab Network」を通じたイノベーションの推進に貢献しています。
今回の食品に関連する4団体との「食品の持続可能性」に関するMoU調印は、具体的な成果を生み出すための我々の協力関係を強化するものです。
このような島津主催のサミットは、お客様から「島津のホスピタリティ」として親しまれている、当社の代表的なイベントのひとつです。卓越したカスタマー・エクスペリエンス(CX)と最高の価値をお客様に提供するという当社のコミットメントを象徴するものとなっています。