「夏のリコチャレ」 「キングスカイフロント 夏の科学イベント」 を開催
多様性が支える科学技術の発展
この夏、当社が開催した科学に関する次世代育成支援活動を2つご紹介します。
8月2日に京都本社・三条工場で、高校生を対象に「夏のぶんせき体験スクール&会社見学~夏のリコチャレ~」を開催しました。8月7日には、川崎市にある研究開発拠点 Shimadzu Tokyo Innovation Plaza(殿町事業所:以下Shimadzu TIP)で小学生を対象に「キングスカイフロント夏の科学イベント2024」を開催しました。
夏のぶんせき体験スクール&会社見学~夏のリコチャレ~
工学を専攻する研究者の男女比率は約9対1で、女性は圧倒的に少ない状況です。女性の理系進学に影響を与える要因として、ロールモデルの存在や保護者の意識、工作や科学体験といった理系的な経験が挙げられます。
この課題への対応として、内閣府男女共同参画局は「リコチャレ(理工系チャレンジ)」を主催、女子生徒に理工系分野への興味を喚起し、進路選択を支援しており、当社も2017年から参加しています。
当日は、全国から応募した高校生27人※が装置体験やショールーム見学、オフィスツアーと半日で盛りだくさんのプログラムを体験しました。「未来の仕事に対する興味やイメージが生まれた」「社員がイキイキと、楽しそうに働いている様子を見て、自分もがんばろうと思えた」といった感想が寄せられ、参加者の96%が「理工系の仕事に興味・関心が高まった」と回答しました。
プログラムと当日の様子
会社紹介・講師紹介
講師は、多様なキャリアの理系(技術系)社員
文系(営業系)社員は、「言葉の力」で「科学の世界」に引き込んだ
分析装置 飲料中のカフェインの分析実験
「高速液体クロマトグラフ」で、市販飲料中のカフェインの量を測定。テキパキと分析方法を伝える講師
サインペンのインクの色を分ける実験で、分離分析の原理を体感。参加者は、講師の手元を注視
材料試験機 お菓子の硬さ測定から、材料力学の入口までを体験
測定するお菓子を試食し、硬さ(折れやすさ)を予想。測定結果との比較を行った
金属の棒を引っ張って試験、講師の「破断します!」の声の後に「ドーン」という振動音が轟く
医用機器 ショールーム見学&X線テレビシステム操作体験
X線装置の見学。被ばく低減エプロン試着、回診用X線撮影装置を押して、走行を体験
X線テレビシステムの診察台に横になり被検者の体験。
*操作は講師が行い、実際のX線照射は行っていません
ショールーム&オフィスツアー ふりかえり
ショールームで光脳機能イメージング装置を、オフィスツアーでは社員の休憩スペースも見学
体験後のディスカッションでは「興味があった分野以外も楽しく学べ、視野が広がった」などの感想や意見が出た
担当者のコメント
当社の事業目的とDiversity, Equity & Inclusionの視点から、リコチャレに協賛し今年で5回目となります。高校生が将来をイメージできる多様な技術者が講師務めることで、当社の雰囲気を感じていただく機会になったと思います。高校生の皆さんが新たな学びを得た瞬間の表情が印象的でした。今回のイベントが少しでも、理工系分野への進路選択を応援し、科学技術分野でのダイバーシティ促進に貢献できることを願っています。
「キングスカイフロント夏の科学イベント2024」
このイベントは、当社のShimadzu TIPが立地する国際戦略拠点 キングスカイフロントに所在する企業や研究機関と、川崎市が共同で主催しました。この地区が世界最先端の研究開発拠点であることを市民に広く知らせ、科学技術を身近に感じてもらうことで地域に貢献することを目的に開催されました。
Shimadzu TIPは、羽田空港に近い立地を活かし、国内外のお客様と共に、最先端の分析手法開発や共同研究を推進する研究開発拠点です。オフィスエリアが1か所に集約されているため、社員同士が顔を合わせやすく、密な連携が可能な環境で準備を進めました。
分析装置に精通した講師陣は、子どもたちが何に興味を持ち、どのように伝えれば楽しんでもらえるかを考えて、プログラムを作成しました。またケガや事故を防ぐために、会場のガラス壁面に海の生き物のシールを貼るという、安全対策を兼ねた演出も行ないました。当日は、4つのプログラムに130人以上の子どもたちと保護者が参加しました。
殿町事業所の世代もキャリアも様々なイベントメンバー
社員同士顔を合わせやすい
Shimadzu TIPのオフィスエリア
プログラムと当日の様子
科学の力で夏のアートをつくろう!(ペーパークロマト)
ペーパークロマトの原理で、海の生き物をかたどった用紙に色づけた。うちわに貼って夏のアートが完成。科学って美しい!
CD-Rの秘密を調べよう!(走査型プローブ顕微鏡(SPM))
キラキラした丸いディスク、どこに動画が入っているのかな?見て、ふれて、特別な顕微鏡で調べよう!
中身は何かな?透視してみよう!(卓上X線CTシステム)
箱の中に何が入っているかな?!振って、音を聞いて、重さを感じて調べよう。X線CTを使って箱の中身を見ると・・・。ガラス面に貼った海の生き物シールの演出にも注目!
トレジャー鑑定団!お宝はホンモノ?(エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX))
キラキラ金色にかがやくお宝。そのお宝はホンモノ?ニセモノ?X線を使った分析装置で調べよう!
担当者のコメント
殿町キングスカイフロントは2023年1月にできたばかりのオープンイノベーションエリアです。さまざまな企業や研究機関が集まり、年齢・性別・国籍を問わず、多様な人材が集まり研究を進めています。また研究者同士の交流や共同研究も活発に行われています!地域の子供たちにもこの恵まれた環境や雰囲気を最大限に活用してもらい、将来この地が科学技術の発展基盤となることを願っています。