初出展の「ミラノデザインウィーク」
世界各地からの来場者がサイエンスアートを体験

ミラノデザインウィーク2024

島津製作所は、4月に開催された「ミラノデザインウィーク2024」に初出展し、主力技術「クロマトグラフィー」から着想を得たサイエンスアート作品を展示しました。

 

100万人が来場するミラノデザインウィーク

「ミラノデザインウィーク」は、毎年4月にイタリア・ミラノ市で開催される世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ(Salone del Mobile.Milano)」と、同時開催の「フォーリサローネ(Fuorisalone)」を合わせた総称です。

世界各地から数多くの企業やデザイナーが参加し、各々の技術を生かした製品やクリエイティブ作品が展示されます。今年のミラノサローネ(4月16日~21日)には1,950の出展があり、37万人以上が来場しました。フォーリサローネへの来場人数は公開されていませんが、ミラノデザインウィーク全体では100万人を超えると言われています。

科学技術を用いた作品「WONDER POWDER」

科学技術を用いた作品「WONDER POWDER」

当社は主力技術「クロマトグラフィー」から着想を得た体験型のサイエンスアート作品を展示しました。これは、当社とデザインスタジオwe+(東京都)が2022年6月から共同で取り組んできた同名リサーチプロジェクトの研究成果のひとつです。

展示「WONDER POWDER」(ミラノで撮影)

「WONDER POWDER」制作過程

水で満たされた全15種のアクリルケースには、それぞれ金属や岩絵の具や天然石などを粉末状にしたものが入っています。ケースを傾けるとその粉末の大きさ・重さ、形状などの違いが異なる沈殿速度を生み、グラデーションを描きます。モーター制御でゆるやかに回転するものと、手で自由に動かせるものがあり、来場者はただただ眺めたり、動かしながら動画撮影をしたりと、思い思いのスタイルで鑑賞しました。

 

「WONDER POWDER」の粉末の分析には当社の分析装置を用いており、受託分析を手掛ける島津テクノリサーチが実際の作業を担当しました。

粒子径分布測定装置(SALD)

粒子径分布測定装置(SALD)では、粒の大きさ(粒度)とその分布を測定

出展をサポートした島津イタリア社員のコメント

ミラノデザインウィークは「説明不要」と言っても過言ではないほど、大規模で国際的なイベントです。島津が出展したフォーリサローネは、ミラノ市内の各地で開催されます。最近では郊外のエリアが再開発され、こうしたイベントを開催する場所にもなっています。今回展示した「Dropcity」の雰囲気は作品と非常によくマッチしていました。

水とパウダーによる色合いは印象的で、自然現象と科学が融合した美しさに見とれてしまいました。制作した日本のメンバーが、この水にも秘密があることを教えてくれました。含有するミネラル成分がグラデーションに影響することを踏まえ、「WONDER POWDER」に最適な性質をもつ東京の水が選ばれました。

一般的に、展示会では作品に手を触れることが制限されていることが多いですが、本展示では作品に触れ、「対話」することができます。「WONDER POWDER」は、美しさと調和を感じさせ、科学がいかに身近なものであるかを気付かせてくれました。

「WONDER POWDER」担当者のコメント

当社と分析計測技術について多くの方に知っていただきたいというのが、リサーチプロジェクト「WONDER POWDER」と今回の出展のきっかけです。

結果として想定をはるかに超える多くの方々に来場いただき、誠にありがとうございました。また、フォーリサローネに出展された1,000を超える作品の中から、「Fuorisalone Award 2024」の特別賞(インタラクション部門) にノミネートいただけたことも大変光栄に思います。

当社に馴染みのない方がほとんどだったかと思いますが、そういった専門家でない方々にも分析計測技術のおもしろさに触れていただく良い機会になったと思います。加えて、当社を既にご存じの方には、「分析計測技術の用途の可能性」について感じていただけたのではないかと思います。今後も科学技術の魅力を知っていただくための研究や活動を続けていきます。

 

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